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「ザクヘッドこんなに大きいんだ」スケールを感じられる“細かすぎる塗装”のシャア、専用機・ザクIIの肩に乗り何を思う

 1/100や1/144などのスケールのガンプラを制作していると、その兵器としての“大きさ”をついつい忘れてしまいがちに。モデラーのツジコウヘイ(@melo_carry)さんは、『1/144 HGUC234 シャア専用ザクII』を使って、そのスケール感を表現したいと発想。全高約1.5センチメートル(台座含む)ほどの1/144スケールのシャアフィギュアに“細かすぎる塗装”を施し発表すると、「どうかしてますよ…(超絶褒め言葉)」「認めたくないものだな。老眼ゆえの、視力低下を」などのコメントをはじめ、その超絶技巧に賞賛の声が集まった。果たしてシャアは、専用機であるザクIIの肩に乗り、見た世界にどんな想いを馳せたのか?

フォロワーの想像力をかきたてる、シャアがザクの肩で馳せた想い

――シャア専用ザクIIの肩に同じ縮尺シャアが乗った『1/144 赤い彗星』が話題となりました。そもそもどういった経緯で制作しようと思われたのですか?
ツジコウヘイ2013年に第一子の出産で妻が里帰りした際に、「今しかない!」と思い、本格的にガンプラを作り出して8年。これまでに、約70体ほど完成させてきたのですが、モビルスーツ(MS)の巨大さを小さなスケールでも感じることができるといいなと思い、比較対象として、できるだけ同スケールのフィギュアも作るようにしています。今作も、「18メートル」というシャアザクの大きさを感じられればと思い制作しました。

――制作中、またこの写真を撮っているときはどのような物語を考えていたのですか?
ツジコウヘイ「シャアもたまには一人になって遠くを見ながらボーっとしたいんじゃないかな」と思って、肩に乗せてみたりしました。乗せてみて、遠くを見ながら何を考えてるのかな…と思いを馳せてみました。シャアは何を考えてるのかよくわからない部分があるので、意外とくだらないこと考えてたりするかもなんて想像したり。そもそも、実際にはあんな場所には上がらないと思いますが(笑)。

――フォロワーの想像力をかきたてますね。制作後の反響もとても大きかったと思います。
ツジコウヘイ今までにない数のコメントやいいねをいただき、正直驚きました。長い時間をかけて作ったMSより、2日で塗ったフィギュアの方が反応が良いなんて… と最初は少し複雑な心境でしたが(笑)、想像以上に多くの方に見ていただくことができて、今はとてもうれしく思っています。

――フォロワーの声で印象的なものはありましたか?
ツジコウヘイ「シャア小さすぎやろw とか思ってたら縮尺ほぼあってる。ザクヘッドこんなに大きいんだ、、、18mってすごい」というコメントですね。写真も上手く撮れたこともあって、MSの巨大さを感じてもらえてうれしく思いました。

「肉眼塗装の限界」とコメントが付いた超絶技巧の塗装の秘密

――本作のポイントは、多くの人たちが賞賛した“細かすぎる塗装”のシャアだと思います。シャアのベースとなるキットは何を使用したのですか?
ツジコウヘイ『RG 1/144 MSM-07S シャア専用ズゴック』付属のシャアフィギュアです。1/100に比べて1/144は、細かすぎるせいかフィギュアの種類が少ないんですよね。「ザビ家とジオン兵セット」とか「鉄華団セット」とか発売されるといいなぁと思っています(笑)。

――驚くほど細かく、陰影もつけて塗分けられていますが、昔からこうした細かい塗装が得意だったのですか?
ツジコウヘイ幼少期から細かい作業が得意で、学生時代に芸大で日本画を専攻していたので面相筆の扱いに慣れています。視力が良いのもフィギュア塗装にプラスになっていると思います。ちなみに昨年作った『HGUC 1/144 百式』の肩の「百」も面相筆で書いてます。

――「肉眼塗装の限界」というコメントが付いていましたが、まさに言葉通りの超絶技巧だと思います。具体的にどのようにどのように塗装されたのですか?
ツジコウヘイヤスリをかけた後、見やすくする為に一度サフを吹き、彫り直してからもう一度サフを吹きます。ラッカーでベースの色を塗装して、タミヤの極細面相筆を使用し、エナメルで本体を塗ります。「塗る」というか「流し込む」感覚です。最後にウェザリングカラーで陰影をつけ、墨入れをしてトップコートし、完成です。

――とても多いと思うんですが、この塗装を施す際に一番苦労した部分、こだわった部分をお教えください。
ツジコウヘイ細い手足に明暗をつける作業です。どんなに小さなフィギュアでも基本色と明部、暗部を作るようにしていますが、この小ささだと変化がつけにくく、苦労しました。こだわったところは、フィギュアを塗装する時は色の彩度ですね。彩度が高すぎるとMSと並べた時に浮いてしまうので、MSとのバランスを見ながら色の彩度を落としています。

――あえて彩度を落とすんですね。
ツジコウヘイはい、今までいろいろなスケールのフィギュアを塗ってきました。1/100より大きなフィギュアは正確に塗り分け、細かく明暗をつけることを意識していますが、今回のような1/144スケールの場合は「それっぽく見える」ことを意識しています。あまりに小さいので、少し離れた場所から見てもシャアに見えるのが大事かなと。

――経験と技術があるからこそ、ここまで繊細な作品を仕上げることができるんですね。本作に限らずガンプラを制作する上で信条を教えてください。
ツジコウヘイMSの大きさをイメージできることと、兵器としてのリアリティとキャラクターモデルらしさの両立です。どちらかに寄りすぎないようバランスよく作ることを心がけています。ガンプラは一番の趣味であり、生活の一部。これからも一生続けたいですね。

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