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アニメで観た「Zガンダム」を“近所の模型屋の展示”風に再現 「ガンダムの世界ではなく“ガンプラらしい”リアルさを追求」
小学生のころの“憧れ”を再現したいという思いで作風が変化
ht5518小学生の頃、再放送でみた『機動戦士ガンダム』とガンプラブーム、『コミックボンボン』に連載されていた『プラモ狂四郎』が原点ですね。その後、大人になっていったん忘れていたガンプラを再度作り出すきっかけになったのが、『MG初代ガンダム』です。こいつに出会ってからは、しばらくキットを無改造でキレイに作ることを主題にしていました。
――10年ほど前にその作風が変わったと伺いました。
ht5518はい。旧キットをカッコよくする改造をメインにすることにシフトしました。
――ht5518さんのツイッターのプロフィールには、「昔、町の模型屋のガラスケースに飾ってあったような作風と言われます」と記載されています。なぜこのような作風でガンプラを作るようになったのですか?
ht5518小学校の高学年のころに、近所の模型屋のガラスケースに飾ってあった地元の名人の作例がかっこよかったんです。ガンダムMk2やZガンダムだったのですが、マーキングや墨入れや汚し塗装がバッチリ決まってリアルに感じました。以来、「いつか再現したい」とずっと思っていました。
――この作風の作品を拝見すると、どこか懐かしさを感じます。
ht5518そうですね。ベースとなるモビルスーツも旧キットを使っています。現在の模型誌に掲載されるような現代のSF考証のもとのキレイなガンプラはなく、ガンプラブーム当時のような、派手なハゲョロ(銀の塗料をパーツのエッジになすりつけて、金属の下地が見えているような塗装技法)やマーキング・汚しによる“懐かしいリアルさ”を再現するには旧キットが最適と考えました。値段が安いというのも制作者にとってはうれしい点です。
旧キットの幅広なスタイルを理想のプロポーションに“整形”
ht5518実は、「Zガンダム」は本作で2作目なんです。1作目は自由に改造したため設定から外れてしまい、今回はなるべく設定のプロポーション近づけようとしました。
――本作を制作するうえでこだわったところはどんなところでしょうか?
ht5518旧キットのマッシブな迫力を残したまま、アニメ設定画に近づけるようにイメージして制作しました。ほぼすべてパーツを切り刻み、細かく組み立てて、スマートにしました。ここが最も苦労した点ですね。
――既存のパーツをそのまま組み立てるのではなく、苦労してまでパーツを細かく切ったのはどうしてですか?
ht5518旧キットは、どうしてもパーツが太目で、スタイルが悪く見えるんです。なので、肩、腕、胸、足などをノコギリで切断して幅を詰めました。巾爪をすることによりスマートになり見栄えが良くなります。
――確かに、寄せられたコメントにもあるようにプロポーションが抜群でアニメで『Zガンダム』を見ていた世代にはたまらないですね。本作に限らずガンプラを制作する際の信念お教えください。
ht5518そうですね…自分の考えるカッコ良さにこだわることですかね。他のモデラーさんとは違うんですが、汚し塗装で現実とは異なる“ガンプラらしい”リアルさを追求しています。その根底には、80〜90年代のガンプラブームの頃の熱気の再現という思いがあるからでしょうか。
――なるほど、ガンダムの世界観をリアルにするのではなく、“ガンプラらしい”リアルさを追求してることがあの作風につながっているのですね。では最後に、ht5518さんにとって「ガンプラ」とは?
ht5518ガンプラに限らずプラモデル全般に言えることだとおもいますが、唯一時間を忘れて没頭できるものですね。これまで、1/60スケールだと、ザク、シャアザク、ジョニーライデンザク、シャア専用ゲルググ、フルアーマーガンダム、Zガンダム。1/100スケールだと、ガンダム、ザク、Zガンダム、ZZガンダム、グフ、ドム多数…。1/144スケールはガンダム、MSVシリーズはほぼすべて、作ってきました。これからも自分らしく作風で制作していきたいと思います。