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ガンダムが踊る「恋ダンス」「縄跳びダンス」に衝撃…総計9.2万枚撮影のモデラー語る“コマ撮り”の極意

星野源「恋」”恋ダンス”2人ver.(拡大) 制作・画像提供/雪代氏 (C)創通・サンライズ

星野源「恋」”恋ダンス”2人ver.(拡大) 制作・画像提供/雪代氏 (C)創通・サンライズ

 ウェザリングを施したり、さまざまなジオラマと組み合わせたりして、“静止画”を作品として発表するだけがガンプラの楽しみ方ではない。雪代(@yukishiro__3)さんは、ガンプラを少しずつ動かしては撮影を繰り返す「コマ撮り」を行い、ガンプラが動いているかのような動画を作成。ガンダムが『逃げ恥』の「恋ダンス」やNiziUの「縄跳びダンス」などを踊る動画が話題となり、自身のYouTubeチャンネルには3.2万人もの登録者を誇る。1分半〜2分半ほどの動画のため、数万枚の撮影を行う「コマ撮り」へのモチベーションと、その極意を聞いた。

ガンプラの稼働領域を最大限引き出せられるのはコマ撮り

――YouTube、ツイッターで「コマ撮り」が話題になっています。ガンプラを使った「コマ撮り」はいつから、どういったきっかけで始められたのですか?
雪代初めて1/144の『RG』を作った時、「足がこんなにも曲がるんだ!」と驚きました。自分が想像している何倍も可動範囲が広くて、どんなポーズでも表現出来ることにとても感動を受けました。
 2019年の年末頃、外でガンプラを撮ってる時に、ふと、「これがそのまま動くような動画が出来れば楽しそうだ」と思いました。もともと自分はどちらかというと写真より動画が好きだったので「『RG』の稼働領域を最大限引き出せられるのはコマ撮りかもしれない」と思い始めました。

――素人な質問で恐縮ですが、「コマ撮り」は、どういうふうに撮影をされているのですか?
雪代基本的には、撮影→動かす→撮影という流れです。それに加えて、「タンク」というコマ撮り用の支える棒を消す為に「ガンダムが映ってない背景のみ」も撮影しております。なので撮影→動かす→撮影→「タンク」を消す為に背景のみを撮影、という流れです。
――コマ撮り作品のなかでも「ダンス系」の3作が話題となっています。一番最初に発表された星野源「恋」にあわせた「恋ダンス」は、そもそもどういうきっかけで制作しようと思ったのですか?
雪代ちょうどその時、再放送で『逃げ恥(=逃げるは恥だが役に立つ)』(TBS系)を見て、「かわいいダンスとこの動きならガンプラの可動範囲でいけるのでは?」と思ったのがきっかけです(笑)。

――「ガンプラでいける!」と思いついたんですね。
雪代はい。ただ、大変な部分はありました。その時はまだ「タンク」がなかったので、その時のあるもので代用して支えていました。ジャンプするシーンは、実際に手でガンプラを持ち上げたり。指をたたせてかわいく見せるところはこだわりました。15日間の撮影と編集で20日間くらい。撮影枚数は約28000枚ほどです。

――28000枚!? ガンプラと『逃げ恥』への愛を感じます。余談ですが、「恋ダンス」を踊った星野源さん、新垣結衣さんがご結婚されました。そのニュースを聞いた時はどんな心境でしたか?
雪代ドラマが好きで本当にお似合いだった2人が、現実に結婚した話を聞いた時は驚きました。ただ、残念ながらガンダムが踊る「恋ダンス」の再生回数が伸びたりはしませんでした(笑)。

自分のロマンを自由に楽しく表現できるのが「ガンプラ」

――続いてNiziUのデビュー曲「Make You Happy」の「縄跳びダンス」はどのように制作されたのですか?
雪代「恋ダンス」を撮ってる時に、ちょうど「縄跳びダンス」が流行していて、「踊らしたら楽しいだろうな」と考えていました。こちらは、撮影日数はほぼ変わらず撮影、編集とも、約20日間ほど、撮影枚数は約29000枚です。

――こちらも細かい動きまで再現されています。
雪代ありがとうございます。こだわった点は腰の動きと足の上り具合です。足をあげるだけでは直立っぽくなってかわいくないので、腰を少し傾け、膝を見せることでかわいくなるような見せ方をしました。
 あと、この作品はサビを2回撮りました。コピーすればいいのですがやはり違いを出すために、二回同じことをしました。お陰で時間と手間が倍になりました(笑)。
――ライブ感を表現されたんですね。素晴らしいこだわりです。最後に米津玄師「Lemon」ですが、これはミュージックビデオではなく、50万回以上再生されている「that × ATY」のオリジナル振り付けによる“踊ってみた動画”をモチーフにしたと伺いました。
雪代はい。「Lemon」は、誰もやってないコマ撮りダンスをしたかったのでこういう形にしました。撮影日数は20日間、編集も20日間ほど、枚数は約35000枚です。

――激しく常に動くというよりは、“間”や“感情の機微”を大切にするダンスのように見えます。
雪代そうですね。細かく止まってるところが人間っぽく見えるのではないかと思い、動く手前の「溜め」部分にはこだわりました。一番苦労した点はゆっくり動くシーンです。難易度が高く、手を上にゆっくり上げたり、ゆっくり立ち上がるのが難しかったです。

――上記作品からは手間暇かけてでもガンプラを輝かせようとされていますね。本作に限らず、ガンプラを制作するうえで一番大切にしていることは?
雪代そうですね。すべてのもととなるガンプラの技術の高さに、感謝と敬意があり、自分がコマ撮りでたくさんの表現が出来るのはそのおかげだと思います。なので、ガンプラの良さを最大限活かすような動画を作ることを大切にしています。

――最後に、雪代さんにとって「ガンプラ」とは?
雪代自分のロマンを自由に楽しく表現できるのが「ガンプラ」だと思います。他人から「間違ってる」と言われようが、自分が楽しめるのなら、ガンダムが武器を持たなくてもいい。かわいく踊ったりしてもいい。敵機が勝つなど、全く違ったストーリーを考えたりしてもいい。他のプラモデルとコラボしても…など、自由に表現できることが魅力だと思います。

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