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モデラーの実体験から生まれた『社畜ガンダム』に共感の声 「まさに企業戦士」「僕の足にも鎖が見えてきました」
「ブラック企業」で体を壊し、療養中にガンプラ熱が再燃
今日もともとYouTubeの動画用に制作したものなんです。YouTube内で「社畜のルーティン動画」「社畜あるある」といったトピックの動画が人気のようなので、自分が実体験していたのもあって、それにあやかってガンプラで作ってみることにしました。
――ご自身の実体験?
今日はい。新卒で入社した会社が、いわゆる「ブラック企業」で、月に残業100時間も珍しくなく人使いも荒い環境でした。私が入社した当時は「ブラック企業」「社畜」という言葉もなかったのですが、会社で一日の大半を過ごし、帰る所も会社の寮で、今思えばまさに会社に飼われてる「社畜」という言葉がぴったりだったなぁ…と。
――絵に描いたような「ブラック企業」ですね。
今日ちょうど就職していた当時の同期が「今月は残業〇〇時間」「〇〇時間寝てない」「〇〇連勤」と自慢してくる事が多く、「そんなの自慢にならないよ…」と呆れてたのですが、その同期のイメージが、言葉は悪いですが会社という鎖に繋がれた犬のように思えてしまって。当時の状況もリンクして、この『社畜ガンダム』のイメージになってしまいました。
――大変な経験でしたね。
今日そんな環境ですから、私は体調や精神を崩し、辞めざるを得なくなり退職しました。でも、その療養中にガンプラ熱が再燃して現在につながります。
人の感情を動かすのは高クオリティのリアルなガンプラだけじゃない
今日YouTubeの新規(サブ)チャンネル1本目用だったので、初代ガンダムRX-78を選びました。RGなのはフレーム状態に出来る・パーツ割りが細かい方が、都合が良かったからです。
――この作品を作る際に苦労した部分、こだわった部分をそれぞれお教えください。
今日「足枷の鉄球は絶対に欠かせない」と思ったので、RGガンダムの他にMGガンダムver2.0のガンダムハンマーを使い、パテで穴を埋めて球にしました。鞄もシールドを刻んでそれらしい形状に収めています。その他のキットは一切使わず、プラ板も使わないで制作する事にしました。RGなので目や耳の部分のように細かいパーツが沢山使えるのが好都合でした。感情を無くしたかのような顔が上手く出来たかなと思います(笑)。
今日「お風呂で寝落ち」も就職したばかりの当時の実体験なんですよね。見た人の感情を動かすには、物凄いクオリティのガンプラ作品はもちろんですが、このように日常生活あるあるネタをガンプラで表現し、共感してもらうのも一つの方法ではないかと思いました。
――ガンプラの多様性を感じますね。
今日この作品を実際に作ってみて、ガンプラで社会の風刺を表現できる事に気づかされました。こういった作り方をしてみると、ガンプラはあくまで素材なんだなと感じます。説明書通りに作ってもよし、パーツをバラバラにしてそこから別の何かを組み合わせてもよし。『ガンダムビルドファイターズ』の劇中に「ガンプラはどんな自由な発想で作ってもいいんだ」というセリフがありましたが、まさに自分の信念を言語化してくれた大好きな言葉です。
――今日さんにとって「ガンプラ」とは?
今日人の心を動かすアート、ですね。