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まるで『ラピュタ』の世界観…ガンプラで表現した心優しきロボット兵 「尊い命に花をたむけて弔う姿をイメージ」
ハイゴックの腕の形からロボット兵をイメージ
赤ひげこの作品は「HGUC 1/144 ハイゴック」をベースに制作しました。もともとハイゴックのフォルムが大好きだったんですが、以前から「腕の形がラピュタのロボット兵にそっくりだな〜」って思っていて。自分自身、ウェザリングにもハマっていたこともあって、制作に至りました。
――昔からハイゴックが好きだったのですか?
赤ひげ子どもの頃から、ハイゴック、ケンプファー、サザビー、『パトレイバー』のイングラムなどが好みだったのですが、大人になってから、全て同じデザイナーさんがデザインされていたことを知ってびっくりしました。
――赤ひげさんの好みがわかりますね。『天空の城ラピュタ』のロボット兵も、その延長線上にあるような気がします。
赤ひげそうですね。『ラピュタ』だけでなく、ジブリ作品に出てくる機械的なデザインも、子どもの頃からツボでしたね。作品への思い入れというより、子どもの頃から大好きな物を全部足しちゃった感じです(笑)。
――制作を前にどのような構想を練ったのですか?
赤ひげ『ラピュタ』のロボット兵には、戦闘型と園丁(草木の手入れをする人)型があり、どっちを作るか迷ったのですが、ちょっと切ないシーンを再現したかったので、花を手向けるシーンの園丁型に決めました。構想1ヵ月、制作にも1ヵ月くらいかかりました。
――何か背景となる物語をイメージされたのですか?
赤ひげその昔に大きな戦いがあったが一人生き残ってしまったロボット兵。尊い命に花をたむけて弔う姿をイメージしました。完全に『ラピュタ』のオマージュですけど。
雨や日差しが当たりそうなところ、水がたまりそうなところを計算して“汚し加工”
赤ひげ表面は百均で購入したルーターでひたすら削り出し、苔の表現はMrウェザリングカラーのステインブラウンを、水が溜まって苔が生えそうな所に厚めに塗りました。劣化表現は、シタデルシェイドのナルンオイルグロスで表現してみました。立体的な苔はロボット兵の画像を参考にしたのと、上から覗いて雨や日差しがあたって傾斜の少ない所に乗せていきました。他モデラーさんの動画やブログをひたすら検索して、この作品に合いそうなものを参考に、ミックスして作りました。
――こだわりを感じるウェザリングですね。
赤ひげありがとうございます。風化した状態をどう表現するか、こだわりました。あとは無機物と有機物の間の表現です。機械的な造形を減らすために、腕のパイプを全て削ったのと、バーニアを埋めて丸みをパテで表現してみました。
――逆に制作の際、悩んだこと、苦労したところはありますか?
赤ひげ目のデザインをどうするか、かなり悩みました。モノアイを残すか、両眼にするか。どっちにするかで1週間以上悩みました。あと、体力的に辛かったのは、表面を削る作業ですね。ルーターの振動で手の痺れがしばらく取れませんでした(笑)。
――そんな苦労があったんですね。でも制作後の反響をみると、苦労が報われましたね。
赤ひげツイッターでの反響にすごくびっくりしました。そもそも投稿を始めてから1週間も経たないうちの出来事でしたし、ガンプラを本格的に作り出して1年も経っていなかったので。でもいろいろな方と繋がることができて、とても楽しい時間でした。
――本作に限らず、ガンプラを制作する上で一番気を付けていること、心がけていることはどんなことですか?
赤ひげハッシュタグにもなっている「ガンプラは自由な発想で作ってもいいんだ」を常に心がけています。家族や友人などが喜んだり、びっくりしてもらえる、人が作っていない作品を作ることを目標にこれからも制作できればと思っています。
――最後に、赤ひげさんにとって「ガンプラ」とは?
赤ひげいつまでも童心を持てるかけがえのない趣味ですね。ガンプラ人生始まったばかりなので、体力が続く限り制作していきたいと思います。