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17年300回続く『ゲームセンターCX』  YouTube「ゲーム実況」意に介さず「ライバルは『吉田類の酒場放浪記』」

プロ野球ではなく“草野球”を見せる有野課長にカタルシス

 レトロゲームを選んだのも、今のような人気再燃を予測したり狙ったわけではなく、「オンタイムで発売されているゲームはネタバレNGなので、発売から20〜30年経っているものでないとエンディング画面が見せられない」という事情から。しかし、この制約が番組成功に至る大きな鍵ともなった。

「例えば『バトルゴルファー唯』(セガ/メガドライブ)というゲームでは、難敵を倒しクリアしたにも関わらず、結局爆発が起きて、エンディングに2万人が死亡と出るんです(笑)。このように黎明期に作られたゲームには、クリエイターの思い込みやエゴとも取れる、今でいう“不適合”なゲームや“無茶”なゲームが多く、バラエティー的には非常においしいんです」
 そんなレトロゲームは有野との相性もピッタリだった。

「有野さんはあまのじゃくで、斜めから物事を見ることが上手な人。なので、まるでレトロゲームとコンビで漫才をやっているよう(笑)。ボスキャラに対しても雑魚キャラやモブキャラに対してもその気持ちを拾い上げ、針の穴を通すようなコントロールでツッコミを入れる瞬発力と技術力はやっぱりすごい。加えて、有野さんはゲームが大好きだけど、決してうまくはないので、クリエイターが仕掛けたワナにキレイに全部ハマるんです。そんな有野さんにイライラするからうちの番組を見なくなったという人がいる一方で、見続けているうちに中毒になってきて、成長した有野さんやクリアした有野さんにカタルシスを感じたり、アドレナリンが出るという人も現れ、コアなファンが増えていきました」
 その様子に菅氏は「テレビのあり方の変化を感じた」とも語る。

「例えば、テレビのプロ野球中継はプロの素晴らしいプレイを観るわけですが、うちの番組は自分たちより遅い球を投げる草野球を観ているようなもの。テレビってずっと視聴者の上にいて、すごいものを見せることで成立していたけれど、うちの番組は視聴者のほうが上にいる。とても面白い発見でした」

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