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ファミコン芸人フジタが選ぶ「めちゃくちゃ強かった敵〜RPG編〜」7選

 家庭用ゲーム機黎明期に誕生し、今も楽しめる名作から、“クソゲー”と呼ばれる不人気作まで、さまざまなソフトを生み出した『ファミリーコンピュータ』。そのソフトは1000タイトル以上と言われ、誰もが知っている名作から、まったく日の目を見なかったものまで、実にさまざま。そこで、ゲームソフト所有本数3万本、約3000万円をゲームに捧げたファミコン芸人・フジタ協力のもと、この“ファミカセ”を、さまざまな角度で切り取り、ピックアップ。第5回のテーマは「めちゃくちゃ強かった敵〜RPG編〜」。
※以降の内容は、ゲーム攻略法などネタバレ要素を含みます。閲覧にご注意ください。

“ファミコンだから”で許される、ゲームバランスが崩れたRPGも

 RPG(ロールプレイングゲーム)において、敵は物語を進行を妨げる邪魔な存在。なかにはボス以外にも、厄介な存在として多くの人の記憶に残る敵も数多くいる。

「今のRPGの敵はものすごくちゃんとしていますよね。主人公のレベルに応じたある種“ちょうどいい”敵がちゃんと出てくる。ホント、よくできてると思います。今と比較するわけではないですが、ファミコンはそうでないものもたくさんある。理不尽だったり、ちゃんとロケーションテストやったのかなと思うほど、ゲームバランスが崩れていたり。でもそういう”ファミコンだから”というものが、面白かったりするんです。今と開発費も、かける人員も全然違いますからね。今回は、さまざまなバリエーションの“強かった敵”をご紹介します」

 5体のはずが、絞り切れず7体になったフジタが選ぶ、珠玉の“強かった敵”コレクションは以下の通り。
ドラゴンクエスト(1986年/エニックス)
「りゅうおう」
 すべてのRPGの源流ともいえる『ドラクエ』のラスボスです。画面からはみ出るくらい迫力に圧倒された記憶があります。レベルを高めていけば、問題なく倒せると思うんですけど、当時は「とにかく早く倒したい」という気持ちが勝っていて、何回もやられましたね。

 強さはもちろんなんですけど、なにより『ドラクエI』にはHPを全快にする「ベホマ」がないんです。最高でも「ベホイミ」。りゅうおうの攻撃力が高いので、大ダメージを喰らっても回復が間に合わないし、MP回復アイテムがないから、あっという間にMPがなくなってしまう。絶えず、殺されそうという緊張感がありました。

 余談ですが、変身前のりゅうおうが勇者に「世界の半分をやろうか」と聞いてくるんです。それを真に受けて「はい」を選ぶと、レベル1からスタートになってしまう。「勇者は悪に心を売ってはいけない」ということを学びました。
ドラゴンクエストII 悪霊の神々(1987年/エニックス)
「デビルロード」

 『ドラクエ』からボスではないんですが、もう1体選びました。実は、ファミコン版『ドラクエII』はシリーズの中で一番きついと言われています。というのも、強さのバランスが崩れている部分があって、「ロンダルキア」に通じる洞窟や、その周辺地域の敵の強さが異常です。

 そのロンダルキア周辺にでるのが、デビルロード。何がやばいって、自分の命と引き換えに相手を即死させる呪文「メガンテ」を使うんです。『ドラクエII』でメガンテは、相手を100%死へ導く呪文。メガンテを唱えられると、設定のミスなのか、先に画面が赤くなる→メガンテを唱える→死ぬとなるんです。画面が赤くなった瞬間、すべてを悟るわけです。それですべてを悟るわけです。いくらレベル高くても一発で死。世の子どもたちは、この呪文で社会の理不尽さを知ったはずです。デビルロードが出てきたら、メガンテを使われないことを祈るだけ。運ですよね。

 ちなみにロンダルキア周辺には、一発KO系(死なないケースもある)の「ザラキ」を使う敵も出てくるので、とにかく恐怖でしたね。
ファイナルファンタジーII(1988年/スクウェア)
「くろきし」

 オープニングでいきなり戦うんですが、ストーリーを進めるために「必ずやられなければならない敵」として登場します。「ストーリーの展開上やられなければいけない」という敵は、『FFII』の「くろきし」あたりから出てきて、これ以降、そういう物語がRPGに組み込まれることもたびたびありましたが、当時としては、斬新でしたね。

 くろきしとのバトルは、実力差が歴然としているので、特に悔しくもなかったですね。「これ無理。死ぬしかないでしょ」って思ってたらストーリーが展開していった。

 そもそもRPGのシステムには子どもながらに疑問を感じていました。例えば主人公あるいはそのパーティーは1人もしくは多くても4人で、何百、何千ものモンスターと立ち向かって、勝っていく。そこは子どもながらに疑問を感じていました。そういう意味で、「絶対負けない」を崩したのはすごくいいことだったと思います。ファンタジーのなかに、「負け」という現実を盛り込み、プレイヤ―を奮起させる画期的なシステムだったと思います。

 ちなみに、くろきしは、ゲーム終盤に雑魚キャラとして出てきます。主人公たちのレベルや装備のグレードが上がって倒せるようになる。そういうところで、主人公の成長が見えるのもいいですよね。

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