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ファミコン芸人フジタが選ぶ「ずっと聴いていられるファミコンBGM3選」
容量に限界の中で…制作者たちの努力と工夫を感じられるファミコンBGM
そこには、「ファミコンは容量に限界があったので、そことの闘いでもあります。基盤だってチップを1つ載せるか載せないかで表現できることは増えるけど、そこにコストがかかる。会社からは『コスト下げろ』と言われていたと思いますし、グラフィックと音楽で容量を取り合ったなんて話も聞いたことがあります」というファミコンならではの事情も絡んでいたという。
そういったものも加味して、フジタはファミコンBGMの魅力は「限られたなかで、表現することに挑む制作者の努力とか工夫がすごく感じられるところだと思います。しかも、いまでこそ音楽もグラフィックも評価されていますけど、当時はそんな裏の話は出てきていないし、評価もなにもなかったですから。こうして語り継いでいくことが、その制作者の皆さんの苦労に報いることかなと思っています」と語る。
フジタが選ぶ「ずっと聴きたいファミコンBGM」3選
個人的な話をさせてもらえれば、小学生の頃、学校が終わって誰もいない家に帰って「スペランカー」をセットして、電源を入れるんです。そうすると、暗い部屋にカセットの赤いダイオード(スペランカーのカセットには赤いダイオードが付いており、電源と連動して赤く光る仕様)がついて、その物悲し気な音楽が流れてくる。それが自分の置かれたシチュエーションにピッタリハマった。ゲーム内容はすごくコミカルでバカなんですけど、そのギャップが良かったですね。
今スペランカーは、「史上最弱の主人公」みたいな扱いで、難しいゲームとして知られていますが、原作の主人公はそんなに即死しないんですよ。ビデオゲームとしてアメリカで発売されていたものを日本の制作会社のアイレムがアレンジしてあの形にしたんです。でも即死するアレンジをしたから、あれだけ売れて、今も語り継がれているんで、結果良かったんですよね。原作者の方も、このヒットで巨万の富を得たと言われています。
すごくいい曲があって評価もされてるんですけど、なぜかこの曲のCDは事情があって出せないらしいです。PSPで「戦国絵札遊戯 不如帰 大乱」が出たんですけど、タイトルと戦国時代を取り扱ったこと以外、画も音楽が全然違う感じになっていて個人的に残念でした。
日本統一を目指していろんな武将からスタートできるんですけど、僕は全武将でクリアしました。九州の阿蘇惟将(あそ・これまさ)でスタートしたときはきつかった。九州って島津家や龍造寺家、大友家とか有力大名に囲まれていて、そこからのクリアは大変でした。
なかでも、IIIのラーミアの音楽(「おおぞらを飛ぶ」)が群を抜いていい。幻想的で壮大、羽ばたいて空を飛ぶラーミアの雄大さが見事に表現されていると思います。当時、この曲が好きすぎて、意味もなくいろいろなところをラーミアでさまよって聴いていましたし、その音をウォークマンで録音してテープで聴くくらい好きでしたね。
IVに関してはこの曲ということではなく、「章」仕立てになっているにも関わらずそれぞれ異なるので、いろんな音楽が聴け、それがどれもハマっていました。IVは人生において、一番寝ずにやったゲームです。当時学校でも流行っていて、どこまで進んだか友達同士で自慢していました。それ以降いろいろなゲームをやってますけど、ここまで熱中したゲームはないですね。
→次回は「ファミコンの限界に挑む グラフィックが美麗なソフト」