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『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』劇中シーンをガンプラで完全再現、SNS驚がくの“分身”のからくりとは?

 今年1月、「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの約20年ぶりの完全新作として公開され、話題の映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(以下/SEED FREEDOM)。ガンプラシーンでも公開と合わせて発売されたキットを使って、早速さまざまな作品がSNSを賑わせている。モデラーでガンダムにまつわる動画を配信するYouTube『タカラボ』を運営するタカハシさん(@gdam429mk2)は、劇場販売だったクリアカラーの『HGデスティニーガンダムSpec II』を使って、劇中の印象的だった「分身」シーンを再現。多くのガンダムファンの共感を呼び、2万いいねを獲得した。本作制作の裏側を聞いた。

ガンプラを複数並べたいが限定品で無理…鏡に映る自分を見てひらめき

――『SEED FREEDOM』の劇中シーンを再現した『分身はー!こうやるんだーっ!』が2万件を超えるいいねを集めました。この反響をどのように受け止めていますか?
タカハシ】自分の作品やアイデアがすごかったというより、やっぱりデスティニー(ガンダム)のあの活躍が、皆にとって印象的だったからではないかと思っています。ここまでの反響をいただいて、あらためて『SEED FREEDOM』の熱量の高さを感じました。

――『SEED FREEDOM』は劇場でご覧になったと伺いましたが、いかがでしたか?
タカハシとにかくワクワクしました。主人公だけが活躍するというわけではなく、さまざまなキャラクターやモビルスーツ(MS)が、個性を生かした活躍をしていたことがほんとうれしかったですね。ガンダム作品って結構心がズーンとなる展開が多いかと思いますが、今作は物語後半の逆境からの大逆転が起こる王道の展開がとても気持ちよく、見終わった後の爽快感が新鮮に感じました。

――その爽快感が、本作の制作につながったのですね。本作はまさに、アイデア勝負だったと思うのですが、制作のきっかけを教えてください。
タカハシ劇中で印象的だった「分身」をどうにか再現したく、はじめは同じガンプラを複数ゲットして並べたいと思ったのですが、限定品なのでそんなことは当然できず、半分あきらめていました。そんなある日、家の洗面器で手を洗っていた際に鏡に映る自分を見て、「分身、これならいけるんじゃ?」とひらめきました。

――鏡を使ったトリックですね。
タカハシはい。合わせ鏡を原理を利用して、鏡に映る像を何体にも増やしてみました。

20年越しにすべてを払拭するディスティニーガンダムの活躍「モヤモヤ晴れた」

――制作時に気を付けたこと、心がけたこと、こだわりを教えてください。
タカハシ劇中の風景を自宅で完全再現する、これに尽きます。とにかくできる限り、劇中の活躍を連想させるような構図やポージングを意識しました。また、余計な物が鏡に映らないように鏡の向きを徹底的に検証しました。しかし実際にやってみると、カメラや自分などが映ってしまうばかりで、ギリギリ映るか映らないかの絶妙なアングルを探すのに苦労しました。

――確かに本作は、撮影されているご自身などが映らない、見事なアングルですね。ちなみに、本作でモチーフにされたデスティニーガンダムはご自身にとってなにか特別な思い入れがあったのですか?
タカハシ『SEED FREEDOM』を見て、印象が大きく変わったMSだなと思いました。『SEED DESTINY』(2004年に放送された本作の正編)の時、機体自体は好きだったのですが、パイロットのシンの境遇がかわいそうなのもあって悲しい役回りになってしまったという印象でした。今作はそれを全て払拭するような活躍ぶりで20年越しにモヤモヤが晴れた気持ちになりました。

――確かに、ご自身同様の感想を持った方も多そうですね。本作をはじめ、『SEED FREEDOM』公開後、登場機体のカスタムガンプラがSNSなどで続々と発表されています。こうした他のモデラーさんの作品はどのようにご覧になっていますか?
タカハシそうですね。同じガンプラでも人によって全然アプローチが違うので、さまざまな価値観があることを気付かされますね。正解なんてなくて、自分とは全く違う楽しみ方をしている方を見つけると、とても刺激になります。

――ご自身も、XやYouTubeでさまざまな情報の発信をされており、多くのモデラーさんに刺激を与えている立場だと思いますが、こうした活動のモチベーションはどんなところにありますか?
タカハシガンプラってホント楽しい趣味なのでもっといろんな人にガンプラに触れてほしいと思う気持ちで発信しています。塗装しないとダメなんじゃないかとか、手先が器用じゃないとできないとか、ガンプラは敷居が高いというイメージをお持ちの方が多いのではないかと思っています。でも実際はそんなことは全くなくて、最近のガンプラは説明書通りに組み立てるだけでも十分にかっこいいものができますし、楽しみ方も無限にあります。ガンプラは難しい、そういった固定概念を少しでもなくせればなと思っています。

――素晴らしい想いを持って活動されているんですね。では最後に、ご自身にとって「ガンプラ」とは?
タカハシ自分自身、作品作りにおいて一番重点を置いているのは「楽しんでいるかどうか」。やっぱり楽しんで作っているときの方が、良い作品が作れる気がしますし、「楽しんだもの勝ち」だと思います。そういう意味でガンプラは、人生を豊かにしてくれる生涯の「相棒」ですね。これがない生活は考えられないです。

YouTube「タカハシラボラトリー『タカラボ』」

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