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ストライクガンダムが、ガンプラ未発売のクイン・マンサに大変身…全高47センチの大迫力ボディにSNS驚愕「重厚感、存在感ヤバい」
「誰も見たことない1/100をやってみよう」が、“狂気の作業”の始まり
ヤマネコありがとうございます。やはり、この“1/100”というインパクトはすさまじいものかと思われます。全高は設定よりも少し大きめな47センチ。8ヵ月という期間を費やしましたが、それでも時間が足りないほどの狂気の作業量でした。
――今回なぜ、クイン・マンサを制作されようと思ったのですか?
ヤマネコ劇中でも大迫力な大型機体でありながら、異色の曲線美が印象的なデザイン。“ネオジオン究極のMS”という肩書きに恥じぬ、魅力的な存在が心惹かれた要因です。
また、クィン・マンサは現状キット化されておりません (ガレージキットを除く)。食玩などで立体化はされてはいますが、「どうしても立体物で欲しい!」と思っていましたので、「ならば自分好みのものにして作っちゃおう」という感じでした。
――ガンプラ未発売の1/100スケールに挑戦しようと思われたのは?
ヤマネコ過去に先輩モデラー方が、1/144スケールで制作されていたので、せっかくであれば誰も見たことのない1/100スケール(40センチ超)でやってみようと思いました。
――制作のベースにPG ストライクガンダムを選ばれたのはなぜですか?
ヤマネコフレームの強度が十分かつ、そのタイミングでたまたま入手ができたからですね。追加武装のないキットでしたので、PGの中では比較的に安かったのもありがたかった。
そこにRE・HGナイチンゲール(2体ずつ使用)や、ジオング、MGアッガイなどジオン系キットパーツを主軸に使用。宇宙世紀機体としての統一感を出しています。入手が困難なので(使うかどうか)少し躊躇しましたが、MGリックドムもいい働きをしてくれました。
また、タミヤのマクラーレンセナやスズキエクスター、フジミのランボルギーニ ヴェネーノ、ピットロードの1/350 戦艦扶桑(艦橋)といったスケールモデルのパーツを織り込んでいます。
本体のみで支えられるよう、地味な強度確保作業に2ヵ月強「もう2度とやりたくない」
ヤマネコ今作のテーマは「見てくれた方の魂にまで響く、究極の作品を目指す」。“究極のMS”の名に恥じぬ作品にしたいという気持ちは最後まで一貫しておりました。
――その高い志が原動力だったのですね。制作にあたっては苦労の連続だったと思います。
ヤマネコそうですね。すべての作業がこれまでの制作とはケタ違いだったので、困難を極めました。特に苦労したのはフレーム作りです。
――フレーム作り?
ヤマネコベースとしたPGストライクの全高が約29センチ。1/100スケールのクィン・マンサが約40センチなので、11センチも足りず、全身を大幅に加工する必要がありました。また、補強に使用した真鍮パイプも4〜8ミリと、通常ガンプラの台座支柱でしか使用しないものを、全身に使用しました。配管用の専用工具でグイっと曲げ、軸を作成し、そこにエポキシ接着剤をふんだんに使用して固定。とにかく強度確保に時間を割きました。これは、両肩の大きなバインダーは巨大であるがゆえに、保持がネックになってしまいます。ですが支柱やアクションベースで下から支えるのは興ざめしてしまうと考え、本体のみで支えられるように、胴体内部の骨組みをこれ以上ないくらいに頑丈にしました。地味ですがこの作業が尋常でなく、慣れないことも相まって2ヵ月強もかかってしまいました。願わくば、もう2度とやりたくない作業ですね(笑)。
――見えないところで、そんな苦労があったんですね。
ヤマネコフレームワークが終わってから、ようやく外装作成、装甲表面のディテールアップ、さらには内部クレームのメカの詰め込みや電飾、台座作成に、パイロットである1/100プルツーミニフィギュアの制作を行いました。特に頭部の再限度はかなり高いのではないかと自負しております。納得いくまで何度も作り直した結果、ベースがストライクガンダムであった痕跡は残っていないと思われます。
――どこにどのパーツが使われているのかまったくわからないほど、“クイン・マンサ”としての完成度が高いです。
ヤマネコありがとうございます。本作は、フルスクラッチ(全て自作パーツ)ではございません。自作パーツは全体の半分ほどで、残りは別キットパーツをエポキシパテで形状加工したものを使用しています。パーツの流用元は限りなく見分けがつかないように変形させてありますが、細部までくまなく見ていただくと「このパーツ〇〇だ!」などの発見もできるかと思います。どこに何のキットのパーツが忍んでいるか、ぜひ探してみてください。
すでに本作をはるかに上回る規模の作品に着手「奇想天外のものになる。期待してほしい」
ヤマネコ緑色メインにすることは確定していたのですが、オリジナルカラーにしてしまうとテーマがブレてしまう。また、写真もかなり地味になってしまうと考えていました。エメラルドグリーンにしたのは、アクセントカラーのイエローに一番なじんだという感じです。このイエローもとても悩みまして何回も試作しました。
――その機体に汚し加工をすることで、歴戦の勇士感が出ていますね。
ヤマネコクィン・マンサは、たとえ連戦を強いられて塗装剥げや汚れがあろうと、その損傷は極めて少ない絶対的な強さを持つ機体であろうと思いました。なので、銃痕などのダメージ表現は行わず、連戦に赴いている姿を目指しました。「劇中では宇宙専用だから土汚れとかナシにしてみよう」「宇宙では錆びるのかな?」などいろいろ妄想しながら塗装している時間はとても楽しかったですね。
――スクラッチにミキシング、細部までのディテールアップ、色味、汚し加工…とガンプラのあらゆる手法を駆使されたからこそ、この大作に多くの賞賛が寄せられました。
ヤマネコ多くの方に制作の途中経過から完成までの全過程を楽しんでいただけたこととても誇りに感じております。またインスタグラムにおいても、国内外さまざまな方々から、想像をはるかに上回る賞賛のメッセージをいただき、感激いたしました。あらためてクィン・マンサが不動の人気を誇る機体なのだと、確信いたしました。
また、本作はもともとの機体をベースにしながら、自分好みのデザインアレンジも加えております。そんな現代版風にした本作に「カッコいい」「欲しい」などといった温かいお言葉を数多くいただけことが、何よりの喜びでした。
――本作を作り上げた自信とスキルで臨む次作も楽しみです。
ヤマネコそうですね。今回、新たに得た技術を今後の作品に反映していきたいと思っています。当面は普通サイズのMGキットの制作に立ち返り、徹底的に作りこむスタイルに戻りつつ、今年下半期には、原型製作で学んだテクニック、レジン複製を利用してまだキット化されていないもののフルスラッチできたらなあと計画しています。時間があれば今すぐにでも始めたいのですが、焦らず焦らず(笑)。
また、これは完成日時が全く予想できませんが、クィン・マンサをはるかに上回る規模の作品にすでに着手しております。これまでの経験を応用させた集大成となると思います。奇想天外のものになるかなと思いますので、そちらもぜひ期待していただけたらと思います。