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「この重厚感こそがZZガンダム」人気モデラーが明かすSNS絶賛の理由「“マッシブ”な機体はこう撮る」

 Xのフォロワー3万人を誇る人気モデラー・purasさん(@puras9211)は、細かなディテールにこだわった『MG 強化型ZZガンダム Ver.Ka』を発表。歴代ガンダムのなかでも“マッシブ”(巨大で重い)な体躯を生かしながら、同氏の作風であるスタイリッシュに仕上げ、SNSで「この重厚感こそがZZ」「最高にカッコいい」と賞賛された。ガンプラモデラーの中でも人気の高い『ZZガンダム』だが、色、形を大幅に変える人は少ない。ZZガンダム人気の秘密とディテールアップを選ぶ理由、さらに本作制作の裏側について同氏に聞いた。

制作テーマは「簡単に作ってカッコよく撮影できる作品」なので簡単フィニッシュ

――purasさんというと、細身の機体をスタイリッシュに仕上げる印象があったので、ZZガンダムを選ばれたのは意外でした。なぜ本作を作ろうと思われたのですか?
puras『Ver.Ka』を発売当初に購入したのですが、組み立てずに“積みプラ”になっていました。中古ショップで強化型拡張パーツを購入したことをきっかけに、制作・撮影することにしました。

――そもそもZZガンダムには、何か特別な思い入れが?
puras最初はアニメではなく、ゲームで機体の存在を知りました。「変形出来る超火力機体」という第一印象で、実際にゲームでもハイ・メガ・キャノンやハイパー・ビーム・サーベルなど、インパクトある武装で敵を圧倒していた印象でしたね。Z系列の機体について「もっと知りたい」と思うきっかけの機体でもありました。

――本作はご自身の作風でもあるディテールにこだわり、見事なまでにスタイリッシュに仕上げられています。
purasありがとうございます。制作テーマが「簡単に作ってカッコよく撮影できる作品作り」でしたので、追加工自体は一部パーツの表面処理とデカールを施し、半光沢トップコートで仕上げたのみの簡単フィニッシュとなります。成形色で仕上げつつも、墨入れとトップコートで輪郭や表面を程よく強調し、撮影時に陰影が際立たたせるイメージで制作しました。

――ご自身も含め、ZZガンダムを制作するモデラーさんは、派手なウェザリングやカラー変更ではなく、丁寧にディテールアップを選ばれるケースが多い印象です。
purasZZガンダムは、キット自体のディテールがとても豊富なため、それを最大限活かして作りたいという思いがあるのだと思います。また、本機はアニメやゲームなどで人気が高くファンも多いため、ディテールアップによってその愛情や熱意を表現したいという方が多いのではないでしょうか。実際に私も、制作・撮影する際はゲームで使用していた頃の熱意を乗せたつもりです。

ZZガンダムは、他とは異なる特徴的な“マッシブ”デザイン「メカとして魅力的」

――purasさんといえば制作だけでなく、機体をより魅力的に見せる撮影も注目のポイントです。今回は“マッシブ”な機体ですが、どんなところを意識して撮影に臨みましたか?
puras力強い印象を残しながらも、どこかスタイリッシュな雰囲気に仕上げられるように撮影技法を駆使して意識しました。

――具体的には?
puras一番意識した事は「重量感」です。足をおおげさに開いたり、顎を思いっきり引いたりと、どっしりした印象になるようにポージングしました。また撮影画角も下からかなりあおっておりますので、巨大感も加わり一層表現できたかなと感じております。またライフルや各パーツも重力で垂れている感を意識して角度を調整しました。
 “マッシブ”な表現をしたい時、どうしても足を開いて腕を湾曲させる踏ん張ったポージングになりやすいのですが、極端にやりすぎると足や腕と体の間に空間が生まれ、つらそうな印象になってしまいます。なので程よいバランスが大切だと思っております。自分で実際にポージングすると分かりやすいかもですね。

――“マッシブ”な機体を作っているモデラーさんにとてもためになるアドバイスですね。本作制作の際に、一番こだわった点、一番苦労した点をお教えください。
purasこだわったのは「伝えたいメッセージやテーマをしっかりと表現すること」でした。この写真を撮影した当時「簡単に仕上げてもカッコイイ」をテーマに模型作りに取り組んでおり、いかに模型の良さを、写真を通して伝えられるかを模索しておりました。
 一番苦労した点は、「フォロワー様などの評価やご意見への耳を傾けつつ、自分のアイデアもしっかりと貫くこと」でした。このZZの写真を撮影した頃から、写真の雰囲気にさまざまな意見を頂く機会が増えてきまして、その中で自分の信念と融合させて納得のいく写真を完成させることが難しかったです。

――フォロワーさんからの反応も上々でした。
puras作品を公開する度に、さまざまな貴重なご意見や改善点につながる反省点が出てきます。そのたびに、自分のアイデアや作品に自信を持ち、建設的な姿勢で次回の作品へつなげるようにしております。なかでも「アニメで見たあの重量感」「火力まで伝わってくる」とコメントしてくださった方がいて、私の表現したかった部分が伝わりとてもうれしく思いました。

――制作してみて、ガンプラシーンにおける「ZZガンダム」人気の理由はどんなところにあると思いますか?
puras他のガンダムシリーズとは異なるユニークかつマッシブな特徴的なデザインをしており、メカとして魅力的なこと。そして、MG展開されている『Ver.Ka』のプロポーションがとても優れて、撮影にばっちり“映える造形”であることも大きな理由だと感じております。私自身、素組みで仕上げた当時の感動は今でも覚えております。

――それでは最後に、2024年のモデラーとしての目標・野望をお聞かせください。
puras引き続き工作技法の引き出しをたくさん増やしていくと同時に、撮影×ガンプラ の掛け合わせでさまざまな表現・発信が出来ればと思っております。また私の写真をきっかけにプラモデルに興味を持ってもらえるような存在になれるよう、SNSなどを通じて目指していければと思っております。

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