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ダンベルベンチプレスのやり方(正しいフォーム)【プロが教える筋トレ】

ダンベルベンチプレスのやり方【プロが教える筋トレ】

数あるトレーニングの中でも「BIG3」のひとつに挙げられるベンチプレス。(他の2つはスクワットとデッドリフト)男性の憧れである厚い胸板を作るのに有効なトレーニングだが、ダンベルを使う場合とバーベルを使う場合で、少し効果が違う。

この記事では元トレーナーの筆者が、ベンチプレスで鍛えられる筋肉の部位や、ダンベルを使ったベンチプレスの正しいフォームを紹介する。

そして重量設定の仕方や、初心者が気をつけるポイントを解説する。この記事を読めば、初心者でも効果的なダンベル・ベンチプレスのやり方がわかる。

ぜひ厚くかっこいい胸板を作る参考にしていただきたい。
著者・監修者プロフィール

林本直
元アスレティックトレーナー|サプリメントインストラクター保有
了徳寺大学健康科学部卒 元日本体育協会公認アスレティックトレーナー&NSCA-CSCS。大学日本代表選手(ゴルフ、ビーチバレー)のトレーニングコーチや、ラグビーチームのトレーナーを経験。現在はサプリメントインストラクターを取得し、ライターをしながらオンラインでボディメイクを指導している。

ブログ
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https://twitter.com/bodymake_writer(外部サイト)

ベンチプレスの効果・鍛えられる部位

大胸筋(だいきょうきん)
ベンチプレスで最も鍛えられるのは大胸筋だ。大胸筋はいわゆる胸板を形成する筋肉。憧れの厚い胸板を形成するためには、ベンチプレスが最適だ。

大胸筋は肘を身体の後ろ側に引いた状態から、前へ押すときに収縮する。そのため、ベンチプレスのようにダンベルを下げて(肘が引いた状態)、上げる(押す)ことで鍛えられるのだ。

大胸筋は上部・中部・下部に分けられ、一般的なベンチプレスでは中部を中心に鍛えられる。ベンチの角度を変えると上部や下部も鍛えられるのだ。詳しくは後述する。

ベンチプレスはバーベルを使う場合とダンベルを使う場合があるが、その違いは大胸筋のストレッチにある。トレーニングはよりストレッチを効かせたほうが効果的だが、バーベルでベンチプレスを行う場合はバーが胸に当たってしまうため、大胸筋がストレッチしきらない。
一方ダンベルの場合、大胸筋を最大限ストレッチさせられる。バーベルに比べて使える重量は低くなるが、よりストレッチを効かせられるのだ。

大胸筋

上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)
ベンチプレスで補助的に働く筋肉のひとつが上腕三頭筋だ。上腕三頭筋は肘を曲げた状態から伸ばす時に収縮する。

ベンチプレスでもバーベルやダンベルを下げて胸をストレッチする時に、同時に肘が曲がる。持ち上げる時、大胸筋が収縮すると同時に上腕三頭筋も収縮する。

先ほどトレーニング時のストレッチの重要性を解説したが、上腕三頭筋も同様だ。バーベルを使ったベンチプレスだと、肘が曲がりきる前にバーが胸に当たってしまうため、上腕三頭筋のストレッチがあまり効かない。

ダンベルを使ったベンチプレスなら、より肘が曲がるため、上腕三頭筋にもよりストレッチを効かせられる。

上腕三頭筋

三角筋前部(さんかくきん)
ベンチプレスで補助的に働く筋肉のもうひとつが三角筋だ。三角筋は肩の筋肉で、前部・中部・後部に分けられる。

三角筋の前部は、肘を前に持っていく動作で収縮する。ベンチプレスのように前に押したり、肘を下から前にあげたりするときなどだ。

ベンチプレスの時も、大胸筋の収縮と同時に働く。

また、三角筋の前部も大胸筋や上腕三頭筋と同様に、ダンベルを使ったベンチプレスの方がストレッチを効かせられる。

三角筋前部


■ベンチプレスの正しいフォームとやり方、種類
ここではダンベルを使ったベンチプレスの、正しいフォームとやり方を紹介する。すべての種目で、6〜12回で限界がくる重量に設定し、限界まで1セットを行おう。

1セットと複数セットのトレーニングを行った場合の、筋力や筋肥大の違いを比較した研究で、差はないと結論付けられている。*1

中級者以上で「1セットでは追い込みきれない」「物足りなく感じる」などの理由があれば、2セット以上行ってもよいだろう。

・ダンベル・ベンチプレス
・ダンベル・インクラインベンチプレス

ダンベル・ベンチプレス

まずはもっとも基本の「ダンベル・ベンチプレス」を紹介しよう。 大胸筋の中で中部にもっとも効き、補助的に上腕三頭筋や三角筋前部が働く。

1.ダンベルをもってベンチに寝る。
2.ダンベルを胸の横に持ち、肩甲骨を背骨の方に寄せて、胸を張る。

ダンベル・ベンチプレス

3.肘が伸びきるまでまっすぐ上に持ち上げ、大胸筋が伸びきるまでゆっくり下ろす。6〜12回繰り返す。上がらなくなるまで行う。

ダンベル・ベンチプレス

ダンベル・インクラインベンチプレス

続いて「ダンベル・インクラインベンチプレス」を紹介しよう。傾斜をつけた「インクラインベンチ」を使う種目だ。インクラインベンチでは、腰より肩が高い位置にくるため、体幹から見てダンベルを斜め上に押す形になる。
そのため、大胸筋の中でも上部にもっとも効き、補助的に上腕三頭筋や三角筋前部が働く。

1.ダンベルをもってインクラインベンチに寝る。
2.ダンベルを胸の横に持ち、肩甲骨を背骨の方に寄せて、胸を張る。

ダンベル・インクラインベンチプレス

ダンベル・インクラインベンチプレス

3.肘が伸びきるまでまっすぐ上に持ち上げ、大胸筋が伸びきるまでゆっくり下ろす。6〜12回繰り返す。上がらなくなるまで行う。

ダンベル・インクラインベンチプレス

ダンベル・インクラインベンチプレス

ベンチプレスの重量設定

バーベルを使ったベンチプレスの場合、男性は30〜40kg、女性は10〜20kgから始めるのが一般的だ。

バーベルの場合は両手で1本のバーをつかむため、重心が安定しやすく、ダンベルよりも重い重量を扱える。
そのため、ダンベルの場合は、バーベルを使ったベンチプレスよりも扱う重量が落ちる。男性の場合は20〜30kg(片手10〜15kg)、女性の場合は8kg〜16kg(片手4〜8kg)くらいから始めてみよう。

ダンベルベンチの場合、重心を安定させられず、手が左右上下にぶれることがある。まず軽い重量から始めて、正しいフォームを身につけることが重要だ。

ベンチプレス初心者が気をつけること5つ

続いてベンチプレス初心者が気をつける5つのことを解説する。正しいフォームを身につけることで、トレーニングの効果が上がり、怪我の防止にもなる。初心者は重い重量を上げるよりも、正しいフォーム意識しよう。

・肩甲骨を寄せる
・腰を浮かせない
・まっすぐ押す
・手首をまっすぐ
・肩が痛い場合
■肩甲骨を寄せる
ベンチプレスの効果を高めるには、胸を張り大胸筋にストレッチを効かせる必要がある。そのためベンチに寝た時、肩甲骨をしっかり背骨に寄せなければならない。

そしてベンチプレスを行っている間は、ダンベルを上げるときも下ろすときも肩甲骨を寄せた状態をキープし続けよう。胸が張りストレッチが効いて、ベンチプレスの効果がより高まる。
■腰を浮かせない
ベンチプレスをする時に、背中を反らせて腰を浮かせる人がいるが、初心者はやめよう。このフォームは「ブリッジ」と呼ばれる。

腰を浮かせることで胸の位置が上がり、バーベルを持ち上げる距離が短くなるので、より重い重量を上げやすい。そのため、バーベルを使ったベンチプレスの挙上重量を競ったり、記録更新を狙ったりする場合はブリッジが有効だ。

またベンチプレスは肩を痛める場合がある。ブリッジをすればバーベルが下がり切る前に胸にあたり、肩のストレッチが効かないため、肩を痛めるリスクが減る。

しかし初心者の場合、ストレッチが効かない分、トレーニングの効率が落ちてしまう。さらに、ブリッジをすることで、腰を痛めるリスクが上がる。

初心者は腰をベンチにつけたまま、軽い重量でしっかりストレッチを効かせて行おう。
■まっすぐ左右同時に押す
これはダンベルを使ったベンチプレスの時に、特に注意してほしい。バーベルは両手でつかむため安定しやすいが、ダンベルは片手で持ち、片手で押すためとても不安定だ。

ダンベルが左右に揺れたり、片手は上がるのにもう片手が上がらなかったりする場合もある。不安定だと肩を痛めたり、力が逃げてトレーニング効率が落ちたりしてしまう。

この場合は、使用重量を下げよう。しっかり安定させたまま扱える重量にしたほうが、ケガの防止にもなる上、トレーニングの効果も高まる。
■手首をまっすぐ
手首もベンチプレスで痛める場合があるので、注意が必要だ。手首が反っても折れてもいけない。最初から最後まで手首はまっすぐキープしよう。

もし手首をまっすぐキープできない場合は 、使用重量を落とそう。
■肩が痛い場合
肩が痛い場合は、使用重量を落とそう。重量を落としても痛い場合は、ダンベルベンチをやめて軽い重量でのベンチプレスを試してみよう。

ダンベルベンチは、よりダンベルを下げられる分、肩を強くストレッチできるため、肩を痛めるリスクがある。肩関節には靭帯がなく、関節包や細い筋肉で支えられているため、他の関節と比べて不安定だ。

本人が気づかないところで小さな怪我をしている場合もある。トレーニングをして、初めて肩を怪我していることに気づく人もいる。

できるだけ痛めないように軽い重量から始めよう。もし痛めてしまった場合はしっかり休ませつつ、より肩への負担が少ないバーベルでベンチプレスを行うのも有効だ。
■鍛えた後のストレッチ
最後にベンチプレスで鍛えられる大胸筋・上腕三頭筋・三角筋前部のストレッチを解説する。鍛えた筋肉をそのままにしておくと、固くなってしまうため、怪我につながりやすい。しっかりストレッチして柔軟性を高めよう。
1種目20〜30秒行うとよい。

・大胸筋(三角筋前部)
・上腕三頭筋

大胸筋・三角筋前部のストレッチ

大胸筋のストレッチは三角筋前部も同時に伸ばせる。片方ずつ行う。

1.肘を90度曲げ、手首と肘を壁に当てる。
2.身体を反対側に回すと、大胸筋と三角筋前部が伸びる。逆も行う。

大胸筋・三角筋前部のストレッチ

上腕三頭筋のストレッチ

上腕三頭筋のストレッチも片方ずつ行う。

1.胸を張り、肘をまっすぐ上にあげる。手は身体の後ろへ。
2.反対側の手でストレッチする側の手をつかみ、下に引っ張ると上腕三頭筋が伸びる。逆も行う。

上腕三頭筋のストレッチ

上腕三頭筋のストレッチ

まとめ

ベンチプレスでは、大胸筋・上腕三頭筋・三角筋前部が鍛えられる。ダンベルで行う場合はバーベルで行う場合よりも、これらの筋肉にストレッチが効かせられるのだ。

大胸筋は上部・中部・下部に分けられる。基本のダンベル・ベンチプレスは中部、ダンベル・インクラインベンチプレスは上部に効かせられる。

初心者は怪我を防止するためにも、トレーニング効果を高めるためにも、以下の5つに気をつけよう。
・肩甲骨を寄せる
・腰を浮かせない
・まっすぐ押す
・手首をまっすぐ
・肩が痛い場合

適切にダンベル・ベンチプレスを行えば、あなたの胸板は着実に厚くなっていくだろう。
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