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ダンベルカール(アームカール)のやり方【プロが教える筋トレ】

ダンベルカール(アームカール)のやり方【プロが教える筋トレ】

大きな力こぶを作るトレーニングである「ダンベルカール」。男らしい二の腕を作るためのトレーニングとして人気だ。

ただダンベルを持って肘を曲げ伸ばしするだけと思われがちだが、実はとても奥が深いトレーニングでもある。

力こぶを形成する上腕二頭筋は2つに分かれているし、上腕二頭筋の下にある上腕筋や、腕橈骨筋も働く。これらの筋肉は前腕や肩の角度によって効き方が違う。だから正しい知識を持って、狙いを定めないと効率よく鍛えられない。

この記事では元トレーナーの筆者が、ダンベルカールで効率よく二の腕を鍛えて、男らしい力こぶを作る方法を解説する。
著者・監修者プロフィール

林本直
元アスレティックトレーナー|サプリメントインストラクター保有
了徳寺大学健康科学部卒 元日本体育協会公認アスレティックトレーナー&NSCA-CSCS。大学日本代表選手(ゴルフ、ビーチバレー)のトレーニングコーチや、ラグビーチームのトレーナーを経験。現在はサプリメントインストラクターを取得し、ライターをしながらオンラインでボディメイクを指導している。

ブログ
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ダンベルカールで鍛えられる部位

ダンベルカールで鍛えられる部位は「上腕二頭筋」「上腕筋」「腕橈骨筋」だ。上腕二頭筋はよく知られている筋肉だが、上腕筋や腕橈骨筋は知らない人も多いだろう。それぞれ、どんな筋肉なのか解説する。
上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)
上腕二頭筋は、二の腕の前面にあるいわゆる「力こぶ」を形成する筋肉。この筋肉を鍛えることで、男らしくかっこいい二の腕が手に入る。

上腕二頭筋は「二頭筋」と書かれているとおり、「長頭」と「短頭」の2つに別れる。身体の前から見たときに、腕の外側が長頭で、腕の内側が短頭だ。
どちらの筋肉も、肩甲骨から前腕の橈骨につながっており、上腕骨にはつながっていない。肩関節と肘関節の2つの関節をまたぐ「多関節筋」である。

上腕二頭筋は肘を曲げるときと、前腕を回外する時に収縮する。親指を身体の内側に向けている状態が回内で、外側に向いている状態が回外だ。前腕が回内した状態で、自分の上腕二頭筋を触りながら、回外してみてほしい。収縮するのがわかるはずだ。また、前腕が回内位か回外位かによって肘を曲げるときに、主に収縮する筋肉が長頭か短頭かに別れる。
前腕が回外位のまま肘を曲げたり、回外しながら肘を曲げたりするときは、長頭より短頭が収縮する。逆に前腕が回内位したまま肘を曲げる時は短頭より長頭が収縮する。
また、親指が身体の前にある状態を中間位というが、中間位で肘を曲げるときも、短頭よりは長頭が収縮する。

大胸筋

上腕筋(じょうわんきん)
上腕筋も、肘を曲げるときに収縮する。上腕二頭筋の下にあるため、上腕筋を鍛えることで上腕二頭筋を持ち上げる形になり、より力こぶが大きくなる。

上腕筋は上腕と前腕を結ぶ筋肉で「単関節筋」だ。上腕二頭筋のように肩関節をまたがない。また、前腕には「尺骨」「橈骨」という2本の骨があり、上腕筋は尺骨に付着している。

上腕筋は尺骨の肘に近い場所に付着しているため、回内でも回外でもあまり上腕とのポジションが変わらない。そのため、回内や回外などのポジションに関わらず、肘を曲げるときに収縮する。

上腕三頭筋

腕橈骨筋(わんとうこつきん)
腕橈骨筋も、肘を曲げるときに収縮する筋肉だ。上腕と前腕を結ぶ「単関節筋」である。

上腕から前腕の橈骨に付着している。橈骨の真ん中あたりから手首にかけて付着しているため、前腕の回内・回外によって上腕とのポジションが変わる。

そのため、前腕回内位や中間位で肘を曲げるときに強く収縮するが、回外位の時はあまり収縮しない。

三角筋前部


■ダンベルカールの種類
ここでは7種類のダンベルカールを紹介する。前腕や肩の角度によって、効く筋肉が違う。自分が効かせたい筋肉を鍛えられるメニューを探そう。

なお、初心者から中級者は全種目1セットで十分だ。複数セットと1セットを行った場合の筋肥大と筋力の違いを比較した研究で、差はなかったと結論が出ている。*1

特に、ダンベルカールは効かせるのが比較的簡単な種目であるため、複数セット行うとオーバートレーニングになりやすい。中級者以上で、1セットでは物足りなく感じる人は2セット行おう。

6〜12回で限界がくる重量で、1セットだけ限界まで行う。このやり方がもっとも効率がいい。

・ダンベルカール
・ダンベルハンマーカール
・ダンベルコンセントレーションカール
・オルタネイトダンベルカール
・ダンベルサイドカール
・ダンベルインクラインカール
・ダンベルドラッグカール

ダンベルカール

ダンベルカールは前腕回外位で行うため、上腕二頭筋の短頭がメインで働き、補助的に上腕筋が働く。

1.ダンベルを前腕回外位で持って、まっすぐ立つ。

ダンベルカール

2.脇を締めて肘を固定したまま、肘を曲げる。

ダンベルカール

ダンベルカール

3.肘が曲がり切ったところで、ゆっくり下ろす。限界まで1セット行う。(中級者以上は2セットでもよい)

ダンベルカール

【ポイント】
腰や背中を反らすなど反動をつけると、上腕二頭筋への負荷が逃げるためやめよう。

ダンベルハンマーカール

ダンベルハンマーカールは前腕中間位で行うため、上腕二頭筋の長頭がメインで働き、補助的に上腕筋と腕橈骨筋が働く。

1.ダンベルを前腕中間位で持って、まっすぐ立つ。

ダンベルハンマーカール

2.脇を締めて肘を固定したまま、肘を曲げる。

ダンベルハンマーカール

ダンベルハンマーカール

3.肘が曲がり切ったところで、ゆっくり下ろす。限界まで1セット行う。(中級者以上は2セットでもよい)

ダンベルハンマーカール

ダンベルコンセントレーションカール

ダンベルコンセントレーションカールは前腕回外位で行うため、上腕二頭筋の短頭がメインで働き、補助的に上腕筋が働く。片手でダンベルを持って、片方ずつ行う。

1.ダンベルを前腕回外位で持って、ベンチに座り、肘をももに当てる。

ダンベルコンセントレーションカール

2.肘を固定したまま、肘を曲げる。

ダンベルコンセントレーションカール

3.肘が曲がり切ったところで、ゆっくり下ろす。限界まで1セット行う。(中級者以上は2セットでもよい)

ダンベルコンセントレーションカール

オルタネイトダンベルカール

オルタネイトダンベルカールは前腕中間位から回外位に回しながら行うため、上腕二頭筋の短頭がメインで働き、補助的に上腕筋が働く。両手でダンベルを持つが、左右交互に行う。

1.ダンベルを前腕中間位で持って、まっすぐ立つ。

オルタネイトダンベルカール

2.片方の肘を回外しながら曲げる。同時に同じ側の肩を落とす。

オルタネイトダンベルカール

3.肘が曲がり切ったところでゆっくり下ろしながら、もう片方の手で2をやる。2と3を限界まで1セット行う。(中級者以上は2セットでもよい)

オルタネイトダンベルカール

ダンベルサイドカール

ダンベルサイドカールは前腕中間位で行うため、上腕二頭筋の長頭がメインで働き、補助的に上腕筋と腕橈骨筋が働く。片手でダンベルを持って、片方ずつ行う。

1. ダンベルを前腕回内位で持って、まっすぐ立つ。

ダンベルサイドカール

2. 右を鍛える場合、体の前でダンベルを左胸に向かって肘を曲げる。

ダンベルサイドカール

3. 肘が曲がり切ったところで、ゆっくり下ろす。限界まで1セット行う。(中級者以上は2セットでもよい)

ダンベルサイドカール

ダンベルサイドカール

ダンベルサイドカール

ダンベルインクラインカール

ダンベルインクラインカールは前腕回外位で行うため、上腕二頭筋の短頭がメインで働き、補助的に上腕筋が働く。肩のストレッチが効くため、上腕二頭筋短頭にもっとも効く種目といわれる。

インクラインベンチという、背中が斜めになるトレーニングベンチが必要だ。

1. ダンベルを前腕回外位で持って、インクラインベンチに寝て、腕を真下に下ろす。

ダンベルインクラインカール

2.肘を固定したまま、肘を曲げる。

ダンベルインクラインカール

3.肘が曲がり切ったところで、ゆっくり下ろす。限界まで1セット行う。(中級者以上は2セットでもよい)

ダンベルドラッグカール

ダンベルドラッグカールは前腕回外位で行うため、上腕二頭筋の短頭がメインで働き、補助的に上腕筋が働く。また、肘を後ろに引きながら行うため、肩の後ろの筋肉である、三角筋後部も鍛えられる。

1. ダンベルを前腕回外位で持って、まっすぐ立つ。

ダンベルドラッグカール

ダンベルドラッグカール

2.肘を後ろに引きながら、ダンベルがまっすぐ上に上がるように肘を曲げる。

ダンベルドラッグカール

ダンベルドラッグカール

3.肘が曲がり切ったところで、ゆっくり下ろす。限界まで1セット行う。(中級者以上は2セットでもよい)

ダンベルの重量や回数

ダンベルカールは先ほど解説しように、比較的効かせるのが簡単な種目だ。無理に重い重量を使う必要はない。6〜12回で限界がくる重量に設定しよう。

■重量
初心者であれば男性で8kg(両手で16kg)、女性で4kg(両手で8kg)くらいからはじめてみよう。正しいフォームで行えば軽い重量でも十分に効かせられる。運動経験が少ない人は、もっと軽くても大丈夫だ。

■トレーニングの頻度
そしてトレーニング後2〜3日間は、肘を屈曲するトレーニングを避けよう。続けて同じ筋肉をトレーニングすると、オーバートレーニングになって逆効果となってしまう。
トレーニング後48〜72時間は筋肉の合成が続くので、その間は休まなければならない。スクワットやベンチプレスなど、別の筋肉を使う種目は行っても大丈夫だ。

ダンベルカールの注意点やコツ

ダンベルカールは比較的簡単な種目だが、それでもやり方を間違えるとケガのリスクがあるし、効率もおちる。基本を守って効率よく力こぶを作ろう。

・チーティングはできるだけしない
・ダンベルの持ち方
■チーティングはできるだけしない
腰や背中を反らすなど反動をつける方法を「チーティング」と呼ぶが、上腕二頭筋への負荷が逃げるためやめよう。腰や背中を痛める原因にもなる。

ただ、限界が近づいたときにダンベルが上がらなくなり、止まってしまうことがある。このときだけ、チーティングを行うとよい。背中をゆっくり少しだけ反らせて、最後まで曲げきろう。

また、ドラッグカール以外は肘を固定して行う。肘が動くと、負荷が逃げてトレーニングの効率が落ちる。
■ダンベルの持ち方
ダンベルの持ち方には2種類ある。親指をダンベルに巻きつける「サムアラウンドグリップ」と親指をダンベルに巻きつけない「サムレスグリップ」だ。

一般的にイメージされるダンベルを持ち方はサムアラウンドグリップであり、初心者はサムアラウンドグリップにしよう。サムレスグリップは安定感にかけるため、初心者には危険だ。ダンベルカールでサムレスグリップにするメリットはあまりない。

また、ダンベルの中心を握り、手首を曲げたり反らしたりしないことも重要だ。ケガを防ぐためにもバランスを大事にしよう。
  • サムアラウンドグリップ

    サムアラウンドグリップ(初心者向け)

  • サムレスグリップ

    サムレスグリップ(中級者以上)

■鍛えた後のストレッチ
最後に上腕二頭筋と上腕筋、腕橈骨筋のストレッチを紹介する。ストレッチをしてトレーニングで固くなった筋肉をほぐそう。ただ、これらのストレッチはとても難しい。感覚がつかめなくても、少しずつ練習していこう。1種目10〜20秒ほど。

上腕二頭筋のストレッチ

1.まっすぐ立ち、身体の真横に腕を伸ばしたまま上げる。
2.前腕回外位で、肘の曲がる方を上に向ける。
3.肘の曲がる方を上に向けたまま、前腕を回内する。
4.そのまま腕を身体の後ろに運ぶ。

上腕二頭筋のストレッチ

上腕筋のストレッチ

1.壁の横にまっすぐ立つ。
2.肘を伸ばしたまま親指を上にして、壁に手を当てる。
3.身体を反対方向に回す。

上腕筋のストレッチ

腕橈骨筋のストレッチ

1.前腕回外位で右腕を前に伸ばす。
2.左手で右手の親指を握る。
3.親指を引っ張り、肘を伸ばして、手首を反らせる。親指をうちに回すとさらに伸びる。

腕橈骨筋のストレッチ

腕橈骨筋のストレッチ

まとめ

ダンベルカールでは「上腕二頭筋」「上腕筋」「腕橈骨筋」を鍛えられる。さらに上腕二頭筋は長頭と短頭に分かれている。これらの筋肉は肩の角度や前腕の角度で、収縮の仕方が違う。

紹介した7種類のダンベルカールの中からあなたにあうものを選んで行ってほしい。インクラインベンチがあるなら、「ダンベルインクラインカール」が一番のおすすめだ。

6〜12回で限界がくる重量に設定し、1セットで十分に鍛えられる。中級者以上になって、物足りなくなってから2セット行おう。

適切なトレーニングを選択し、適切な重量とセット数を設定すれば、効率よく鍛えられる。この記事に書かれているトレーニングを続ければ、男らしくかっこいい力こぶが手に入るだろう。
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