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(更新: ORICON NEWS

「焼酎の魅力」を徹底解説!種類から産地ならではの飲み方まで

焼酎は日本で古くから愛されてきた蒸留酒だが、その多彩な魅力は意外に知られておらず、とくに2000年代前半の“本格焼酎ブーム”を知らない世代にとっては、焼酎=チューハイ的なイメージしかないことも。
しかし、飲食店でさまざまな焼酎のボトルをみて興味をもった人や焼酎はヘルシーだという情報が気になっている人も多いだろう。この記事では、焼酎の基本からおすすめの飲み方、メリットまで、日本の焼酎について幅広く解説する。

焼酎の魅力を徹底解説!種類から産地ならではの飲み方まで

焼酎とは?

焼酎は、原料を発酵させてつくったアルコール分を含む液体を蒸留してつくられる「蒸留酒」だ。
日本では「焼酎=強い酒」のイメージが定着しているが、市販品の平均アルコール度数は25%前後で、ウィスキー、ブランデー、ラム、ウォッカ、ジンといった他の蒸留酒に比べると低めといえる。

「芋焼酎」「麦焼酎」などがよく知られているため、焼酎の分類は原料によるものと思われがち。しかし、実はそれ以前に「蒸留方法」という重要な区別があることを知っておきたい。

焼酎は日本の酒税法で以下の2種類に分類されている。

○連続式蒸留焼酎(焼酎甲類):連続式蒸留器で蒸留したもので、アルコール分36度未満

○単式蒸留焼酎(焼酎乙類):単式蒸留器で蒸留したもので、アルコール分45度以下

※2006年に正式品目名が「連続式蒸留焼酎」「単式蒸留焼酎」に変更されたが、慣行の呼称として「甲類」「乙類」を用いることも認められている。

このほか、連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎をブレンドしてつくられる「混和焼酎」があるが、酒税法上は、混和の割合で「連続式・単式蒸留焼酎混和」(または「焼酎甲類乙類混和」)、「単式・連続式蒸留焼酎混和」(または「焼酎乙類甲類混和」)と表示される。

連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、混和焼酎それぞれに特徴がある上、各カテゴリーの中で多くの個性的な焼酎がつくられているので、焼酎はとにかくバリエーションが豊富。知れば知るほど楽しみが大きくなる酒といえるだろう。

【参考】
焼酎に関するもの 東京国税局(外部サイト)
焼酎・泡盛の分類 日本酒造組合中央会(外部サイト)

連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)とは

画像著作者:freepik(外部サイト)
連続式蒸留焼酎は、糖蜜などを原料にして連続式蒸留器を用いてつくられた焼酎で、以前は「新式焼酎」や「甲類焼酎」と呼ばれていた。
連続蒸留では高純度のアルコールが生成されるため、加水で36度未満に調整する。また、蒸留過程で原料の持つ風味はほとんどなくなってしまうが、雑味がなくキレのよい味わいに仕上がるのが特徴だ。

クリアな風味の連続式蒸留焼酎は、チューハイのベース、梅酒をはじめとする果実酒づくりにもよく使われる。
柑橘類をはじめとするフルーツの香気や甘さ、茶類、炭酸、リキュール類と相性が良いため「割って飲む」ことが多いが、樽熟成の風味を加えたものなどは、ロックやストレートで楽しむのもおすすめだ。

また、連続式蒸留焼酎の特筆すべきメリットとして、安価なことも挙げられる。2リットル以上の大容量の商品も多く、家飲み用の常備アイテムとして気軽に楽しむことができるだろう。

単式蒸留焼酎(焼酎乙類)とは

単式蒸留焼酎は以前「旧式焼酎」「焼酎乙類」と呼ばれていたもの。単式蒸留器を用いた蒸留酒で、アルコール分45度以下と規定されている。「芋焼酎」「麦焼酎」というように、原料名を冠した名称で呼ばれることも多い。

単式蒸留器は連続式蒸留器よりも古くからあるシステムで、蒸留方法がシンプルなため、完成した焼酎に主原料の風味が感じられる。

2000年代前半にあった本格焼酎ブームでは、ローカル銘柄だった単式蒸留焼酎が一躍全国区となった例も多い。たとえば現在も「3M」と呼ばれて人気が高いプレミアム焼酎「森伊蔵」「魔王」「村尾」はいずれも芋を原料とする単式蒸留焼酎だ。


【ちょっと雑学1】
・常圧蒸留と減圧蒸留
単式蒸留の中には2つの蒸留方法があり、同じ原料を用いても蒸留方法によって風味の異なる焼酎となる。
伝統的な「常圧蒸留」だと、蒸留過程で特有の香気や味わいが生まれて力強くこくのある原酒となり、現在主流の「減圧蒸留」では、もろみの風味が生きた優しく軽やかな味わいになる。
焼酎の銘柄紹介には、「常圧」「減圧」の表記がされていることもあるので確認してみて欲しい。
【ちょっと雑学2】
・本格焼酎の種類
単式蒸留焼酎のうち、特定の原料と麹、水を使ってつくられるものが「本格焼酎」と呼ばれ、以下のような種類がある。基本、その土地の産物を原料にし、風土も味わいに大きく影響するため、熊本の「球磨焼酎」、沖縄の「琉球泡盛」、長崎の「壱岐焼酎」のように地域名を冠して呼ばれているものもある。

○麦焼酎
○芋焼酎
○米焼酎
○黒糖焼酎
○そば焼酎
○泡盛
○その他の本格焼酎
本格焼酎の原料として使用できる「国税庁長官の指定する物品」は以下のとおりで、かなり意外なものもある。
あしたば、あずき、あまちゃづる、アロエ、ウーロン茶、梅の種、えのきたけ、おたねにんじん、かぼちゃ、牛乳、ぎんなん、くず粉、くまざさ、くり、グリーンピース、こならの実、ごま、こんぶ、サフラン、サボテン、しいたけ、しそ、大根、脱脂粉乳、たまねぎ、つのまた、つるつる、とちのきの実、トマト、なつめやしの実、にんじん、ねぎ、のり、ピーマン、ひしの実、ひまわりの種、ふきのとう、べにばな、ホエイパウダー、ほていあおい、またたび、抹茶、まてばしいの実、ゆりね、よもぎ、落花生、緑茶、れんこん、わかめ

【出典】国税庁 焼酎に関するもの(外部サイト) 

焼酎の飲み方&おいしく味わうコツ

焼酎の魅力のひとつが、いろいろな飲み方で楽しめるということ。焼酎をおいしく味わうためのコツとあわせて紹介したい。

ストレート、ロック

原料由来の風味を楽しみたい本格焼酎や、長期熟成したもの、連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)でも樽熟成で風味をつけたものなどは、ストレートやロックで味わうのに向いている。
また、クセが強く飲みにくい焼酎は、氷を加えると飲みやすくなることも。
古酒などは小さめのリキュールグラスで楽しむのもおすすめだ。

湯割り

おいしいと感じる焼酎と湯の割合は、銘柄によって、あるいは個人の好みによって違うので、何度か試して好みの割合をみつけたい。焼酎の分量を示す線がついた焼酎メーカーのグラスを使ってみるのもよいだろう。
また、加える湯の温度が高すぎるとアルコールの刺激が強くなるため注意したい。
湯割りでは本格焼酎特有の風味をより強く感じることができるが、連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)を用いたときなど、アルコールの匂いが立ちすぎたり、舌への刺激が気になる場合は、梅干しやしょうが、スダチやレモンなどを加えるのもおすすめだ。

炭酸割り、ジュース割り、茶割りなど

いわゆるチューハイもこの飲み方。どの焼酎を何で割るのが良いという正解はないが、連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)を用いると、クセがないので、割り材の風味もしっかり味わえる。柑橘類やキュウリなどを加えて爽やかさをプラスするのもいいだろう。
単式蒸留焼酎(焼酎乙類)の場合は、焼酎の原料由来の風味と引き立て合う割り材を探す楽しみもある。

前割り、お燗

芋焼酎の本場・鹿児島では、飲む数日前〜前日に焼酎を好みの割合で水で割っておく「前割り」という飲み方が好まれる。あらかじめ水と混和して常温で保存することで、アルコールのカドがとれて味わいを増した焼酎は、そのまま飲むほか「黒じょか」といわれる焼酎専用の土瓶で温めて飲むのがおすすめだ。

飲む前から楽しい焼酎の選び方

種類が圧倒的に豊富なことは焼酎の魅力だが、焼酎ビギナーは選び方に困ることも。味がわからなくても選べるポイントを挙げてみる。

Point1:主原料で選ぶ
スイーツ好きなら甘い香りが特長の黒糖焼酎や焼き芋を使った芋焼酎、日本酒好きなら吟醸香のある米焼酎といった具合に、そば、紫蘇、栗など自分が好きな食材を原料にした焼酎を選ぶ。

Point2:飲み方で選ぶ
炭酸やジュースで割って気軽に楽しみたいなら、ピュアな味わいの連続式蒸留焼酎をチョイスして好みの濃さに調整を。ストレートやロックでゆっくり味わうなら古酒や度数の高い熟成タイプがおすすめだ。

Point3:合わせる料理で選ぶ
和食にも外国料理にも合わせやすいのは麦焼酎や米焼酎。そばにそば焼酎、沖縄料理に泡盛、
さつまあげに芋焼酎というように、料理と同じ産地の焼酎を合わせるのも楽しみ方のひとつだ。

Point4:見た目で選ぶ
ジャケ買い的に、気になったボトルやラベルのものを選ぶ。好みの味ならラッキー。好みでなかったとしても経験値が上がる。

焼酎にはこんなメリットも!

画像著作者:freepik(外部サイト)
焼酎にはおいしさ以外にもメリットがいくつかある。焼酎で日々の暮らしに彩りを添えることをおすすめしたい。

〇焼酎のメリット
■保管しやすい
基本、常温保管が可能で劣化しにくい。おトクな大容量パックや一升瓶を買っても安心だ。

■リーズナブル
プレミアム焼酎といわれるものなど特別な銘柄を除いては比較的安価なので、気軽にいろいろな種類を楽しめる。

まとめ

焼酎は種類や飲み方のバリエーションが豊富なことから幅広い層が楽しめる酒といえる。また、ローカル銘柄が多いので旅や歴史が好きな人にとっても興味深く、健康への配慮からも焼酎を選ぶメリットは大きいといえそうだ。
いろいろな焼酎を試して、お気に入りをたくさんみつけて欲しい。
著者プロフィール

まつもとようこ
「食」を専門とするライター。農・漁業、食品製造の現場、飲食関連の専門家・店舗などの取材記事執筆のほか、料理研究家としての活動も行う。食品のお取り寄せと直売所めぐり、国内外の蒸留・醸造所訪問は、趣味を通り越してライフワーク。
飲酒は20歳を過ぎてから。飲酒運転は法律で禁止されています。
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