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(更新: ORICON NEWS

「ワインの種類」は大きく4つ!種類と特徴をソムリエが徹底解説!

「ワインの種類は?」と聞かれ、即答できる人はどのくらいいるだろうか。

赤ワインや白ワイン、ロゼワインにスパークリングワインもあるが、これらはワインを語るうえでほんの一部でしかない。それほどワインの世界は多様ともいえるし、深掘りする魅力があるともいえる。

そこで今回は、皆さんにワインの全体像ともいえる「ワインの種類」について、概要や特徴を”これだけは抑えておきたい”というポイントに絞ってご紹介する。

ワインの種類は4つだけ!種類ごとの概要と特徴をソムリエが徹底解説!

ワインは4種類、その違いは「製法」で分けられる

ワインの種類はその製法により、主に4つのタイプに分類される。何やら難しそうな名称が並ぶが、文字通りの意味なのでそれほど難しくはない。

● スティルワイン
● スパークリングワイン
● フォーティファイドワイン
● フレーヴァードワイン

ワインの種類を知り、その概要や特徴を知ることでワインの世界観が広がることは間違いない。製法ごとに分類されるため、仮に原料が同じでも仕上がりの味わいは大きく違う。

これらの基本的な知識を身につけることで、種類ごとの特徴がわかり、さらには自分好みのワインを見つけやすくなるだろう。それでは、各ワインの概要と特徴について見ていこう。

スティルワイン(非発泡性ワイン)

英語の「Stilll(静かな、穏やかな)」から「非発泡性ワイン」という意味合いをもち、
私たちにとって最も身近な赤ワインや白ワイン、ロゼワインは、全てスティルワインというカテゴリーに入る。

そして、他記事ではあまり触れられていないがオレンジワインもスティルワインに分類されることも抑えておこう。

赤ワイン

原料となる黒ブドウを用い、ブドウの果皮や種を果汁と一緒に発酵させてつくられるのが赤ワイン。赤ワイン特有の鮮やかなルビーやガーネット色、口中がしゅうれんするような渋みはブドウの果皮や種に含まれるアントシアニンやタンニンをはじめとしたフェノール類が関係する。
基本的にこのフェノール類が豊富なワインほど長期熟成にも向いているとされる。白ワインより赤ワインの方が長期熟成が可能という通説はこのためだ。

白ワイン

赤ワインの原料は黒ブドウであるのに対し、白ワインは白ブドウを原料とする。そしてつくり方もやや異なる。赤ワインと違って果皮や種は除去して果汁のみを発酵させるため、色は透明感がありながら渋みはなく、フレッシュで軽やかな味わいとなる。しかし、ここで勘のよい方なら二点ほど疑問に思うのではないだろうか。
それが、「1.黒ブドウも果汁だけ発酵させたら白ワインになるのか?」、「2.白ブドウの果皮や種も果汁につけて発酵させたらどうなるのか?」という疑問だ。

1.についての答えはYES。黒ブドウの果汁のみを使用して製造されると「ブラン・ド・ノワール」と呼ばれ、シャンパンづくりのベースとなるワインはこれに該当する。
そして2.の疑問については、後述するオレンジワインが答えとなる。

ロゼワイン

黒ブドウを用いて主に3通りの製法のもとつくられるのがロゼワインだ。なかでも代表的な製法がセニエ法と直接圧搾法である。

●セニエ法
赤ワインをつくるように果汁と果皮をつけ込み、いい具合に色が移った段階で果汁のみを抜き取る。その抜き取った果汁のみをさらに発酵させる方法。色合いが濃くなり、味わいもしっかりとラズベリーやチェリーといった赤系果実が感じられやすい。

●直接圧搾法
黒ブドウをそのまま圧搾し、その果汁だけで発酵させる方法。圧搾の際に若干の色素が果汁に移ることで淡いピンク色を帯びる。白ワインに似た、華やかでフルーティーな味わいになりやすい。


以上の特徴から、ソムリエがロゼワインを評価するときには、どちらの製法でつくられたものなのかを、色合いや風味の強度をヒントに探ることとなる。
ちなみに、赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインをつくる行為は、ほとんどのワイン生産国で禁止されていることも抑えておこう。

オレンジワイン


昨今のワイン市場を牽引して止まないオレンジワイン。オレンジワインとは無論、ワインにオレンジ色の着色料を添加したものでも、オレンジを発酵させてつくったワインでもない。

つくり方は至ってシンプルで、白ブドウを使用して赤ワインの製法でつくる。
混同しやすいロゼワインと比較すると、ロゼワインが黒ブドウを用いて白ワイン同様につくるのに対し、オレンジワインは逆に白ブドウを用いて赤ワイン同様につくるのだ。

白ブドウの果皮や種を果汁と共に発酵させることで、果皮の色素成分や種の渋み成分が果汁へと移り、結果的にワインには鮮やかなオレンジ色と複雑な風味、心地よいテクスチャーがもたらされる。

ちなみに、大人のワイン教養としてぜひ覚えておいてほしいオレンジワインにまつわる豆知識が二つある。
まず一つめが、流行したのはつい最近のことだが、実はワインの発祥となる約8000年前には主流だった歴史深いワインであること。


そしてもう一つが、オレンジワインのフードフレンドリーさだ。
その他のワインでは合わせにくい、香辛料の効いたものやエスニックな料理、さらには魚卵といったワインの天敵とされる食材にも寄り添ってくれる。

スパークリングワイン(発泡性ワイン)

スパークリングワインはその炭酸の刺激が特徴であり、製法によりさまざまなスタイルがある。瓶内二次発酵方式(別名:シャンパーニュ方式)とも呼ばれ、この方法でつくられるワインは、きめ細かで力強い泡立ちと芳醇な風味が特徴だ。ほかにはシャルマ方式やアンセストラル方式、簡易的な炭酸ガス注入方式もあり、それぞれ独自の個性を持っている。

瓶内二次発酵方式(シャンパーニュ方式、トラディショナル方式)

瓶内二次発酵方式は、スティルワインに糖と酵母を加えて再度瓶詰めし、瓶内で再発酵させることにより炭酸ガスを閉じ込める方法だ。この方法でつくられるスパークリングワインは、製法由来の複雑で芳醇な香りのアロマと舌に溶け込むようなキメの細かい泡、ガス圧5〜6(ビールの2倍)にもなる力強い泡が楽しめる。

製品ではフランスの「シャンパーニュ」が有名だが、ほかにもスペインの「カヴァ」、イタリアの「フランチャコルタ」、南アフリカの「キャップクラシック」が代表例だ。
ほかにも、ボトルラベルに「Methode traditionnelle」や「Metodo classico」と記載があれば当製法でつくられているため、ぜひ見かけた際には試してほしい。

シャルマ方式(密閉タンク方式)

シャルマ方式は、スティルワインを密閉して大きなタンク内に移し、その中に糖と酵母を加えて二次発酵させる方法だ。
泡のキメや持続性、酵母由来のトーストを思わせる香ばしいアロマは、1本1本ボトルの中で発酵させる瓶内二次発酵方式よりは劣る。しかし、一度に大量のスパークリングワインをつくりたい場合やコストを抑えたい場合、さらにはブドウ本来のアロマを活かしたスパークリングワインをつくりたい際には重宝する。

スーパーやワインショップでよく見かける「プロセッコ」が代表例だ。
アンセストラル方式(リュラル方式、田舎方式)

一次発酵中のワインをそのまま瓶詰めし、糖分を残したまま瓶内で発酵を継続させる方法。非常に古典的な方法だが、最近再び注目を集めている。”自然派” または ”ナチュール”と呼ばれる昨今トレンドのワインを多く取り扱うワインバーやビストロでよく見かける、弱発泡性で少し濁りのある「ペティヤン」がこれに該当する。

その他の方式

その他にもトランスファー方式という瓶内二次発酵方式を簡易的にしたものや、炭酸ガス注入方式という完成したスティルワインに直接炭酸ガスを注入してつくる方法がある。市場で目にする機会はあまりないため、本記事では割愛する。

【参考】安蔵 光弘,日本ソムリエ協会 教本, 日本ソムリエ協会, 2019 P25 スパークリングワインの製法

フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)

フォーティファイドワインは、ワインを 酒精強化(※)することでアルコール度数を高くし、保存性を高めたワインを指す。アルコール発酵の仕組みとして、発酵中の液体アルコール度数が一定数まで高まると、酵母の活動が抑制されて発酵は止まる。
これにより、発酵前半で添加するとブドウ本来の甘みが残った甘口に仕上がり、反対に発酵後半で添加すると辛口に仕上がるのだ。

今回は、世界三大酒精強化ワインと評されるワインをご紹介する。

※酒精強化とは、醸造工程中にアルコール分40%以上、ときには80%程度のブランデーを添加してワイン全体のアルコール分を15〜22%程度にまで高めることを指す。味わいにコクをもたせ、ワイン自体の保存性を高める目的がある。
【参考】安蔵 光弘,日本ソムリエ協会 教本, 日本ソムリエ協会, 2019 P7 ワインの分類

シェリー

スペイン南部アンダルシア地方で生産されるのがシェリーであり、フォーティファイドワインの中で最もバラエティ豊かといっても過言でない。
なかでも有名なのがフィノ、マンサニーリャ、オロロソの3つで、これだけ抑えておけばスペインバルで大いに楽しむことができる。

● フィノ(辛口・白ワイン):アルコール度数は16度前後とフォーティファイドワインの中で最もライトかつ、味わいもドライなのが特徴。レモンやハーブ、イースト香と呼ばれるパン生地のような独特のニュアンスを持つ。オリーブや生ハム、魚のフライや天ぷらとぜひ合わせていただきたい。

● マンサニーリャ(辛口・白ワイン):独特の局地気候を持つサンルーカル・デ・バラメダにて熟成されたフィノタイプのシェリーを指す。味わいはフィノと酷似するが、こちらの方がカモミールのフローラルさや海の潮感が際立つ。生牡蠣や貝の酒蒸しなど、あらゆる魚介料理と相性抜群だ。

● オロロソ(辛口・白ワイン):酸化熟成によって色調は琥珀色を帯び、味わいに深みやコクを持たせたタイプ。クルミやタバコ、バルサミコのような独特の風味があり、肉料理や煮込み全般と特にマッチする。

ポート

世界遺産の港町ポルトを有するドウロ地方でつくられるのがポートワインだ。日本で1907年にリリースされた「赤玉ポート(現:赤玉スイート)」がポートワインを模してつくられたように、黒ブドウの豊かな甘みが特徴となる。
ちなみに、2024年時点の世界で最も高価なワインベスト10の中で、フォーティファインドワインとして唯一ポートワインだけが8位にランクインされているという豆知識も抑えておこう。

マデイラ

クリスティアーノ・ロナウドの出身地としても知られる、ポルトガルのマデイラ諸島でつくられるのがマデイラだ。酒精強化後に加熱熟成を行う点が最大の特徴とされ、これによりワインはローストしたナッツや焦がしキャラメルの風味を強く持つ。

また、もともと加熱熟成させているため、フォーティファイドワインの中でも特に保存が効き、常温でも半年以上は余裕だ。長く楽しめるマデイラだが、ぜひ味変として試していただきたい飲み方のひとつが「ソーダ割り」だ。ハイボール感覚で唐揚げや餃子と一緒に味わっていただきたい。

フレーヴァードワイン(アロマタイズドワイン/香味付けワイン)

フレーヴァードワインは、スティルワインをベースに薬草、果実、甘味料、スパイスなどを加えてつくられたワインを指す。ベルモット、リレ、レッチーナ、そして次に紹介するサングリアがその代表例だ。
■サングリア
サングリアはスペイン発祥のフレーヴァードワインで、赤ワインまたは白ワインに新鮮な果物、スパイス、砂糖、ときにはブランデーやリキュールを加えてつくられる。「サングリアもワインの一種だなんて」と驚かれた人も多いのではないだろうか。簡単ゆえ、いざ自宅でつくろうと思う方も多いだろうが、日本国内では少し注意が必要だ。(※)

※酒税法において、酒類製造免許がなければ家庭用でも、日本国内でのアルコール度数20%未満のお酒をベースにほかの飲料や材料を加える行為は禁止されている。ただし、飲む直前に原料・香味料を加えることは許されているため、自宅でのサングリアづくりはこの点に留意しなければならない。
【出典】国税庁HP 第43条 みなし製造(外部サイト)

知るだけで奥深いワインの種類

普段は「ワイン」というカテゴリーに一括りされるが、実は製法の違いによって4種類にカテゴライズされる。

また、その4種類の中からさらに種類分けできるのだが、今回ご紹介した内容だけでも抑えておくとソムリエ顔負けのワイン通として申し分ない。

今回ご紹介したワインの種類の全体像をまずは抑えて、興味があるカテゴリーから試してみるのもよし、食事に合わせて選んでみるのもよしだ。

4つあるワインの種類から、ぜひ自分好みの一本を見つけてみよう!
著者プロフィール

田中 純平
大学時代のスペイン留学中にワインの魅力に囚われた飲兵衛ライター。楽天グループでのスペイン語翻訳業務、お酒のwebメディア4サイトでの監修ライターを経て、現在はワインD2Cサービス「Homewine」でワインの相談にお答えするソムリエコンシェルジュに携わる。
資格:JSA. ワインエキスパート、JSA. SAKE DIPLOMA、WSET Level3
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