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(更新: ORICON NEWS

「赤ワインと白ワインの違い」とは?つくりや味の違い、糖質やカロリーなどの違いも解説

赤ワインと白ワインの違い、ズバリそれは「色や味わい!」と思っている人はいるだろう。

ワインの色や味わいの違いが、どのような要因によってもたらされているのか単なる違いだけでなく、その違いの”理由”も知るとよりワインの面白さが増すと思うので、本記事を読めばもう一段深い理解ができると思う。

今回は赤ワインと白ワインの違いをテーマに、つくり、味わい、健康面などについて解説していく。

赤ワインと白ワインの違いとは?3つの観点から解説

赤ワインと白ワインの違いをみていくうえでポイントとなるのは3つある。
うちPoint1と2が赤ワインと白ワインの違い、特に見た目や味わい面にダイレクトに影響を与えているものとなるので、ぜひこの機会に抑えておこう。

Point1 ブドウの種類の違い

赤ワインと白ワインの最も基本的な違いは、使用されるブドウの種類だ。
赤ワインには黒ブドウ、白ワインには白ブドウが用いられる。
黒ブドウとはスーパーで見かける巨峰のような青紫色をしたブドウのことで、白ブドウとはシャインマスカットのような黄緑色や灰色がかった薄ピンク色の果皮をしているブドウのことだ。
また、この黒ブドウ・白ブドウの中にもさまざまな種類(品種)があり、ワインの個性を大きく左右する要素となっている。
【黒ブドウの代表品種】
・カベルネ・ソーヴィニョン
・ピノ・ノワール
・サンジョヴェーゼ
【白ブドウの代表品種】
・シャルドネ
・リースリング
・ソーヴィニョン・ブラン

Point2 醸造法の違い

赤ワインと白ワインでは色調、および味わいが大きく異なるが、その違いをもたらしているのが醸造法だ。

赤ワインでは、黒ブドウの果皮や種を果汁と一緒に発酵させるマセラシオンという工程を経る。
この過程で色素や渋みのもととなるタンニンが果汁に溶け込むことで、赤ワインらしい深い色合いや複雑な味わいが生まれるのだ。

対して白ワインでは通常、白ブドウの果皮や種を取り除いた状態で果汁のみを発酵させる。
これにより、赤ワインとは対照的な透き通ったクリアな色合いとなり、味わいはフレッシュで軽やかとなる。

Point3 味わいの違い

最後に、赤ワインと白ワインの香り・味わいの違いを比較する。

まずは香りからみていくが、赤ワインといえば、赤や黒系のベリーやチェリーを思わせる果実味が特徴的だ。
そこにハーブや花、スパイスといった要素が加わり、樽熟成したものはより複雑な仕上がりとなる。
味わいでは、タンニンに由来する渋みが口中にドライな印象を与え、重厚感や深みといった複雑な余韻を構成する。

一方、白ワインの香りは柑橘類やストーンフルーツ、南国フルーツなどの果実味が特徴的だ。
そこに赤ワイン同様にハーブや花、スパイス、さらには鉱物や石灰、海の潮といった「ミネラル」と表現される要素も加わる。
味わいでは酸味が際立ち、フレッシュでフルーティな味わいが一般的だが、赤ワイン同様に樽熟成したものではヴァニラやナッツ、トーストなど複雑かつ厚みのある風味が醸(かも)される。

赤ワインと白ワインで異なる楽しみ方

赤ワインと白ワイン、それぞれの違いの概要を抑えたうえで、次は両者の楽しみ方にフォーカスして違いを深掘りしていく。

赤ワイン用と白ワイン用のグラスを使い分けて楽しむ

赤ワインや白ワインにかかわらず、すべてのワインにおいてグラスや温度により楽しみ方は大きく変わる。
まずグラスだが、せっかくなら赤ワイン用と白ワイン用で分けて準備するのがおすすめだ。
しかし、赤ワインや白ワインごとに何種類も揃えるという必要はまったくない。
以下のポイントに沿って、それぞれ1脚ずつ用意するだけで十分だ。
<赤ワイン用のグラス>
赤ワイン用のグラスは代表的なものに

・「ボルドーグラス」
・「ブルゴーニュグラス」

があるが、自宅に1脚だけとなるとボルドーグラスがおすすめだ。
ワインの香りが溜まるボウル部分の膨らみが大きく、白ワイン以上に複雑な要素を持つ赤ワインの個性を最大限引き出してくれる。
<白ワイン用のグラス>
白ワイン用のグラスでは

・「リースリンググラス」
・「シャルドネグラス」

が主なタイプとなるが、自宅ではリースリンググラスを準備すれば問題ない。

ボウルから口元にかけてシャープにすぼまったコンパクトな形状は、グラスの温度を低く保ちやすいうえ、白ワインらしいキレのある酸や爽やかなアロマを引き立ててくれる。

赤ワインと白ワインで、飲む温度を変えて楽しむ

ワインの”品質”のみにフォーカスすると、「温度」というのは最も重要なポイントかもしれない。
家で飲んだことのあるワインのはずが、ビストロやレストランで飲むとより美味しく感じた経験はないだろうか。
もちろん雰囲気や料理とのマリアージュということも考えられるが、もう一つの要因として考えられるのが「温度」である。
ソムリエがワインをサービスするときに最も気をつけているポイントが供出温度だからだ。

いまだに赤ワインは常温で、白ワインは冷やして飲むというイメージが根強いが、これには誤解がある。
上記の意味する常温とは、ワインが発展してきた当時のヨーロッパにおける室温の15〜18度を指す。
だが実際、ヨーロッパと比べて日本の常温はいくぶん高い。この常温という言葉が日本では長いこと一人歩きしたことで、大半の人たちが”ぬるい”温度でワインを楽しんでいたことになる。

もちろん好みの温度は人それぞれだが、ソムリエも参考にしている以下に記載のワインの特徴別の温度を目安にぜひ楽しんでみてほしい。
スパークリングワイン: 6〜8℃
スッキリ軽快な白、ロゼ: 8〜10℃
重めの白、オレンジワイン: 10〜12℃
ライトな赤: 13℃前後
ミディアムな赤: 15℃前後
フルボディな赤: 17℃前後

合わせる料理を変えて楽しむ

赤ワインと白ワインに合う料理といえば、よく巷で耳にする「赤ワインは肉、白ワインは魚」というイメージを持っている方も多いのではないだろうか。
すべて否定はしないが、赤ワイン・白ワインそれぞれ多様なスタイルがあるため、考えようでは料理との組み合わせ方は無限だ。
しかし、ワインごとの特徴に合わせて料理を限定するのは、ソムリエであっても至難の業であるため、今回は簡単なポイントに絞って紹介する。
<赤ワインと相性のよい料理>
白ワインと比べて飲み応えがあり、特徴的な渋みや果実味を持つ赤ワインには重たい料理や味付けの濃い料理がやはり合う。
同じお肉でも、淡白な鶏肉よりは脂身のあるサーロインなどがおすすめで、ソースもレモンソースのようなサッパリ系よりデミグラスソースのほうが合う。
また、渋みが控えめなピノ・ノワールやマスカット・ベーリーAなどでは、実はマグロのような赤身と醤油でいただくと非常に合うのである。
さらに、サンジョヴェーゼと焼きサンマのペアリングもおすすめされているなど、赤ワインと魚が合わないという固定観念はもはや通用しない。
<白ワインと相性のよい料理>
白ワイン特有のフレッシュな果実味と酸に合わせるように、料理は淡白な食材や魚介系がよく合う。
そして、赤ワインにも魚が合うように、白ワインでも味わいのスタイルさえ注意すればお肉とも抜群に合うのだ。
まず、スッキリ系の白ワインにはカルパッチョやフルーツサラダ、生春巻きや唐揚げ、天ぷらといった前菜系のものや軽めの揚げ物が好相性となる。
次に、樽熟成したものや品種の特徴でもとから厚みのある味わいのタイプには、ぜひソテーやグリルした鶏肉、ヒレカツなどを合わせてみてほしい。
またこのとき、付け合わせのソースをクリームやバター、チーズをベースにするとよりマッチするのでぜひお試しあれ。

健康にいいワインはどっち?赤ワインと白ワインではどう違う?

巷でよく「ワインは健康によい」「ワインはカロリーが低い」「ワインは果実酒だから太る」なんてさまざまな意見が交じり合っているが、実際はどうなのか。

赤ワインと白ワインの違いの締めくくりとして、案外気になっている人も多いであろう健康面での違いについてご紹介していく。

赤ワインと白ワインでカロリーや糖質は違う?

赤ワインと白ワインは、それぞれカロリーや糖質の量に若干の違いがある。

文部科学省が公表の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によると、赤ワイン100ミリリットルあたりのカロリーはおよそ約68キロカロリーに対し、白ワインでは約75キロカロリーと記されている。

また糖質については、赤ワインでは100ミリリットルあたりの糖質が約1.5グラム、白ワインは2.0グラムと、白ワインのほうがやや高めの結果だ。
これは、白ワインのほうが若干甘さを残したスタイルに仕上げられることが多いためである。
どちらにしろ、赤ワインと白ワインにおけるカロリーと糖質は微々たる違いであることを抑えておこう。

※当データはおよそAlc.11.5%を想定してのデータのため、実際のカロリーや糖質はこの数字よりやや高くなる

【出典】日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 第2章(データ)を参照(外部サイト)

赤ワインと白ワイン、健康によいのはどっち?

ワインにまつわる健康効果については、いまだに議論が絶えない。
両者の健康効果の違いを抑えておくと、普段の飲み方も変わってくるであろう。
<赤ワインの健康効果>
・ポリフェノールの豊富さ

ワインの健康効果について語られる際に、赤ワインが白ワインと比べて多く取り上げられる理由がポリフェノールの豊富さにある。
ポリフェノールと一言でいってもその種類は実に多く、ワインに含まれるタンニンやアントシアニン、緑茶のカテキンなどもポリフェノールの一種だ。
抗酸化作用や老化防止をはじめ、動脈硬化やがんなどの生活習慣病リスクを軽減したりなど、ポリフェノールがもたらす効果が赤ワインの健康論に一役買っている。
ちなみに、白ワインにも赤ワインの半分から数分の1程度のポリフェノールが含まれるが、両者のポリフェノールはその質に違いが見られる。
より分子量が小さい白ワインのポリフェノールのほうが人体に吸収されやすい特徴があるため、実は白ワインのほうが健康効果が高いのではという見解が増えていることもぜひ抑えておこう。
<白ワインの健康効果>
・有機酸による殺菌効果

白ワインには酒石酸やリンゴ酸といった有機酸が豊富に含まれており、これが腸内環境改善や殺菌効果として貢献する。
腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の活動を抑制することで消化を助け、便秘や下痢の予防に役立つのだ。
また、生魚などの生鮮食品とのペアリング機会の多い白ワインにおいて嬉しい効果がその高い殺菌効果であり、特に食中毒を引き起こす菌類全般に効果がある。

よく生牡蠣にはシャブリ(フランスを代表する白ワインの産地)といわれているのも、ワインと食材の相性以前に、こうした殺菌効果によることを経験則的に知っていたのかもしれない。
また、白ワインにはカリウムも含まれており、利尿作用で体内の余分な水分を排出してむくみを軽減するなど、何かと嬉しい効果が多く挙げられているのが白ワインだ。

まとめ

赤ワインと白ワインの大きな違いとなるのが「色や味わい」だ。
この違いを生み出している大きな要因が、ブドウの種類や醸造法である。
まずはこの点を抑えたうえで、次は楽しみ方の違い、さらには健康面にまで注意して考えると普段のワインライフに一層深みが増すに違いない。
それぞれの特性を理解し、シチュエーションや目的ごとに赤ワインと白ワインを使い分けてみてはいかがだろうか。
著者プロフィール

田中 純平
大学時代のスペイン留学中にワインの魅力に囚われた飲兵衛ライター。楽天グループでのスペイン語翻訳業務、お酒のwebメディア4サイトでの監修ライターを経て、現在はワインD2Cサービス「Homewine」でワインの相談にお答えするソムリエコンシェルジュに携わる。
資格:JSA. ワインエキスパート、JSA. SAKE DIPLOMA、WSET Level3
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