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(更新: ORICON NEWS

「スパークリングワインとシャンパンの違い」とは?

スパークリングワインは、巷では「泡」の愛称で親しまれている。

注がれるだけでちょっぴり気分が弾むこのワインは、カジュアルからラグジュアリー、食前酒から食中酒まで、幅広く楽しまれているお酒の一つだ。

そして、スパークリングワインがテーマになると、必ず挙げられるのが「シャンパン」である。

スパークリングワインとシャンパン、今回はこの両者の違いを”ワイン教養”と題して深掘りしていく。

スパークリングワインとは?

スパークリングワイン(発泡性ワイン)はその名の通り、端的にいってしまえば発泡のあるワインを指す。

厳密には、「3気圧以上のガス圧がある発泡性ワイン」をスパークリングワインと呼ぶ。ガス圧が3気圧以下の場合は「弱発泡性ワイン」という類になる。代表的なものに、ペティヤン、フリッツァンテがある。

そんなスパークリングワインの魅力といえば、やはりその多様性だろう。
産地やつくり手、使用するブドウ品種や製法によって仕上がりのスタイルがまったく変わってくる。さらに、赤や白、ロゼ、オレンジのスパークリングワインまで存在するから面白い。
深堀りしがいのあるテーマだが、今回のテーマとなるシャンパンとの違いを検討する場合には、次に紹介するスパークリングワインの「製法」と「種類」が鍵となる。

スパークリングワインの製法

スパークリングワインとシャンパンの違いを解説するうえでの前提知識として、大きく以下の2つの製法は抑えておきたい。

瓶内二次発酵方式(シャンパーニュ方式、トラディショナル方式)

瓶内二次発酵方式は、一度目の発酵を終えたワインに糖と酵母を加えて二度目の発酵を行い仕上げる製法だ。

この製法でつくられるスパークリングワインは泡が強く、きめ細かな泡立ちと特徴的なトーストやローストのアロマがもたらされる。ちなみに、当製法でつくられている銘柄のボトルには「Méthode traditionnelle」や「Metodo classico」と記載があるので見分けるポイントとして抑えておこう。

<この製法でつくられる代表的なスパークリングワイン>()は生産国

・シャンパン(フランス)
・クレマン(フランス)
・カヴァ(スペイン)
・フランチャコルタ(イタリア)
・キャップクラシック(南アフリカ)

シャルマ方式(タンク方式)

シャルマ方式と呼ばれる製法は、瓶内二次発酵方式と比べていたってシンプルだ。まずは通常のワインを密閉された大きなタンクに移し、その中に糖と酵母を加えて二次発酵させる。

一度に大量のスパークリングワインをつくりたい場合に重宝するほか、ブドウ本来の個性(アロマ)を損なわずに表現できる点が特徴となる。

<この製法でつくられる代表的なスパークリングワイン>()は生産国

・プロセッコ(イタリア)
・ランブルスコ(イタリア)※一部のみ

スパークリングワインの種類

スパークリングワインにはさまざまな種類がある。代表的なものに、シャンパン、プロセッコ、カヴァ、クレマンなどが挙げられ、これらは各産地のワイン法に基づき生産されている。

シャンパン

フランスのシャンパーニュ地方にて瓶内二次発酵方式のもとつくられる。スパークリングワインの中で最も高品質かつ高価格となり、味わいは芳醇で酸が強く仕上がるのが特徴だ。

カヴァ

スペインのワイン法で定められた地域にて、シャンパンと同様の製法で生産されるスパークリングワインである。
安いもので700円から、高いものでは1万円以上など最も価格のレンジが広い。シャンパンのようなコクや芳醇さが特徴というよりも、キレのあるドライな味わいが際立つ。

クレマン

フランス各地(シャンパーニュ地方を除く)で瓶内二次発酵方式でつくられるスパークリングワインの総称である。
シャンパンと同じ製法でつくられながら比較的手ごろな価格で楽しめる。シャンパンと比べてガス圧がやや弱めに仕上がるため、優しい飲み口で初心者にもおすすめだ。

プロセッコ

イタリアのヴェネト州でつくられ、スパークリングワインとしては世界一の生産量を誇る。
ブドウ本来のアロマを活かすシャルマ方式にてつくられるため、味わいも軽やかでフルーティーになるのが特徴だ。

シャンパンとは?

シャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方にて厳格なルールのもと生産されるスパークリングワインの名称だ。
代表銘柄といえばキリがないが、特に上記画像のようなドンペリはじめ、ヴーヴクリコ、クリスタル、ベルエポック、アルマンドあたりは普段ワインを飲まない方にもお馴染みの銘柄だろう。

ちなみに、これは筆者の勝手な思いではあるが、夜の世界で楽しまれるシャンパン銘柄=美味しくないという意見をしばしば聞くが、少し残念に思う。一夜にして何十本と簡単に飲まれるドンペリも、実際には素晴らしい味わいであり、8年もの熟成を経たのち出荷される希少なシャンパンだ。
決して夜の世界でもてはやされているという偏見のみで、ワインの味わいを決めつけないでほしいとワインラバーの一人として思う次第だ。

さて、話を戻すがシャンパンには「使用品種」「製法」「熟成期間」を中心に細かな規定が存在し、これらすべてをクリアしなければシャンパンを名乗ることができない。
つまり裏を返せば、粗悪な商品が出回ることの方が難しく、最低限の品質が担保されているという点がほかのスパークリングワインとの大きな違いといえるだろう。
【豆知識】シャンパンとビール、その他炭酸飲料との違い
スパークリングワインとシャンパンの違いについて詳しく見る前に、ここでは豆知識として、シャンパンとビールをはじめとしたほかの炭酸飲料との面白い違いについて紹介したい。
炭酸飲料という点では、炭酸水やビール、コーラも同じだが、シャンパンと比べた際に泡の強さや質が異なる。

まず泡の強さについてだが、シャンパンは炭酸飲料の中でもトップクラスのガス圧を誇る。
シャンパンが約5〜6気圧ほどのガス圧に対し、ビールは約2.5気圧、あの強炭酸で有名なウィルキンソンやコーラが約4気圧とされているため、いかにシャンパンの炭酸が強いかうかがえる。

そして、泡の質についてはビールと比較すると違いがわかりやすい。同じ泡でもよく見ると、シャンパンとビールでは泡の持続性も立ち昇り方も違う。
ビールの場合、ガス圧の弱さから泡がゆっくりと昇る過程で表面積の大きい丈夫な泡を形成するが、シャンパンの場合はその逆でガス圧が強く、泡は丈夫になる間もなく液面へと辿り着く。
またビールの場合、ホップに含まれる苦み成分「ルプリン」が持続性に与える影響も大きいことから、ビールの泡はシャンパンとは性質が大きく異なる。

スパークリングワインとシャンパンの違い

スパークリングワインとシャンパンは同じカテゴリーに属するが、その製造方法、風味、価格、そして選び方においていくつかの重要な違いがある。これらの違いを理解することは、自分に合ったワイン選びにもつながるのでぜひこの機会に抑えておこう。
また、違いを明確にするため、ここでのスパークリングワインはシャンパンを除いたものと仮定する。

香りと味わいの違い

スパークリングワインとシャンパンの最大の違いの一つは、その香りと味わいにある。

シャンパン

シャンパンは通常、複雑で豊かな風味を持ち、特にトーストやナッツ、ブリオッシュのような香ばしいアロマが特徴となる。これは、瓶内二次発酵方式の特徴でもあり、シャンパン特有の長期熟成が理由だ。

スパークリングワイン

一方、スパークリングワインはその生産地や製法によって、軽やかでフルーティな味わいから、複雑で豊かな風味まで幅広い特徴を持つ。

たとえば、イタリアのプロセッコでは青リンゴや白桃を思わせるフルーティーなアロマが特徴となるが、スペインのカヴァやイタリアのフランチャコルタではシャンパンと瓜二つの芳醇なアロマを持つものも少なくない。

筆者のおすすめとしては、一度シャンパンとプロセッコを購入して飲み比べてみるのが、自分好みのスパークリングワインを見つけるうえでは手っ取り早いと思う。まったくキャラクターが異なるため、どちらが好みかは明確に分かれるはずだ。

価格帯の違い

価格面でも、シャンパンとその他のスパークリングワインには顕著な違いがある。

シャンパン

シャンパンは、その厳格な製造基準とコストのかかる工程を踏むことから、基本的に廉価(れんか)に仕上がることはまずない。最低でも価格は3,000円からであり、有名な銘柄になれば昨今のワイン価格高騰も相まって1万円はくだらない。

また、シャンパンといえばラグジュアリーなイメージを持つ方も多いように、一部の人気銘柄には著名人やセレブを用いたプロモーションなどで多額の広告費もかかっている。
こうしたブランドイメージの確立も、シャンパンがスパークリングワインの中でも特別な存在となっているゆえんでもあるだろう。

スパークリングワイン

一方、スパークリングワインはその種類の豊富さから、製造方法や生産地、さらにはつくり手によって価格のレンジが広い。

シャンパンが最低でも3,000円はするところ、スパークリングワインはたったワンコインから楽しめる。
かといって品質は価格と比例するかというとそうでもない。特にコスパの良さで知られるスペインのカヴァは、シャンパンと同様の製法ということもありリーズナブルながら品質は高い。

選び方や楽しみ方の違い

味わいや価格の違いを知ると、スパークリングワインとシャンパンでは選び方や楽しみ方も変わってくる。

シャンパン

その高級感と特別感から、結婚式やクリスマス、大晦日などのイベントにピッタリだ。また、味わいも最低限の品質が担保されているため、特にプレゼントの際などワイン選びに自信のない方はシャンパンを選べばまず外れることはない。

そして、シャンパン特有の芳醇な風味はワイン単体はもちろんのこと、食事と合わせることで真価を発揮する。
シャンパンはその特性上、生魚や魚卵と合わせても生臭さを引き立たせない特徴がある。古くから生牡蠣やキャビアと楽しまれていたうえ、最近ではお寿司とのペアリングが注目を集めているのも納得だ。

スパークリングワイン

シャンパンと比べて、さまざまなシチュエーションで気軽に楽しめる点が一番の魅力ではないだろうか。
家飲みで気軽に楽しみたいシーンではシャンパンはやや高価に感じられるだろうし、シャンパン特有の強い炭酸や酸が苦手で、何杯も飲むには少し疲れるという方も多いだろう。
実際にワインを飲み始めたばかりの方にこうした意見は多く、シャンパンにはないスパークリングワイン特有のフレッシュな果実感や優しい口当たりを好む方は意外と多い。

そして、シャンパンと比べて味わいの多様性があるのも魅力の一つだろう。白とロゼの2種類しかないシャンパンに比べ、スパークリングワインはランブルスコのような赤をはじめ、最近ではオレンジワインのスパークリングも出てきている。
さらにはマーケティングの一環なのか、ラベルにイラストや現代アート的な芸術性あふれるデザインを採用し、シャンパンとは別路線でユニークさをアピールしている。


まとめ

スパークリングワインとシャンパン、よくテーマになる両者の違いについて理解していただけただろうか。
シャンパンはあくまでスパークリングワインの中のカテゴリーの一つでしかなく、スパークリングワインと呼ばれるものの中にも実に多種多様な種類がある。

そして、シャンパンとシャンパンを除くスパークリングワインには、製造方法、風味、価格、そして楽しみ方において多くの違いがあることも忘れないでほしい。

それぞれの特徴を理解し、自分のライフスタイルや好みに合った一本をぜひ見つけてみてはいかがだろうか。
著者プロフィール

田中 純平
大学時代のスペイン留学中にワインの魅力に囚われた飲兵衛ライター。楽天グループでのスペイン語翻訳業務、お酒のwebメディア4サイトでの監修ライターを経て、現在はワインD2Cサービス「Homewine」でワインの相談にお答えするソムリエコンシェルジュに携わる。
資格:JSA. ワインエキスパート、JSA. SAKE DIPLOMA、WSET Level3
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