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映像化されていない『閃光のハサウェイ』のその後をジオラマ化 連邦軍に囚われた『クスィーガンダム』の運命

 ガンダムにまつわるさまざまなトピックスがあった2021年。なかでも、新たな宇宙世紀を紡ぐ「UC NexT 0100」プロジェクト第2弾として6月に映画公開された『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、コロナ禍による度重なる上映延期も相まってファンを喜ばせた。モデラーのyuji.otani(@otani_yuji)さんは、この映画をきっかけに組み立てた『HG 1/144 Ξ(クスィー)ガンダム』を使って、映像化されていない『囚われたΞガンダム』のジオラマを制作した。同氏に、6000いいねを獲得した本作制作の背景を聞いた。

映画で描かれたペーネロペーとの戦闘後+原作小説の設定をイメージ

――映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が話題となりました。ガンダムファンとしてご覧になって、どのように感じましたか?
yuji.otaniもともと『閃光のハサウェイ』の大ファンだったので、映画は公開初週に見ましたし、ネット配信は何度も見ました。全編を通して映像が美しくて、世界観にとても引き込まれました。戦闘シーンは本当にリアリティがあって、まるで自分がガンダムを操縦しているような感覚を覚えました。ストーリーも登場人物も、全てが大好きな映画です。

――そんな大好きな作品で主役級の活躍をする「Ξガンダム」のジオラマを制作しようと思われたのは、どのようなアイデアからですか?
yuji.otani映画を観た後に『HG 1/144 Ξガンダム』を組み立てました。その後そのままにしていたのですが、12月に入って、「『閃光のハサウェイ』の印象的なシーンを再現しよう」と思い立ちました。以前からアニメのシーンをプラモで再現することが好きだったので、どのシーンにしようか考えていたときに、原作小説の終盤にあると聞いた「Ξガンダムが囚われるシーン」を自分なりの発想で作ってみようと考えたのがきっかけです。

――映画で描かれなかった『閃光のハサウェイ』のその後をイメージされたんですね。「Ξガンダム」は圧倒的な戦闘力を誇り、マフティー・ナビーユ・エリンの戦力を大きくけん引する存在でした。そのΞガンダムが、傷つき、捕らえられた背景には、一体どのような戦いがあったとイメージされたのでしょうか?
yuji.otaniペーネロペーとの戦闘後をイメージしました。映画の戦闘シーンではΞガンダムが勝利しましたが、攻撃を受けて被弾しているだろうと思いました。そこに原作小説の「囚われた」という設定を加え、自分なりに再現してみることにしました。

“生け捕り”されたΞガンダムの行く末

――ジオラマを拝見すると、足元に連邦軍と思われる兵士が描かれています。おそらくこのあとに分析が進められると思うのですが、捕らえられたΞガンダムのその後は、どうなるのでしょうか?
yuji.otani解析されて、連邦側の機体として大きな戦力になっていくイメージです。圧倒的な強さを誇るΞガンダムですので、連邦も戦力として計算できる。また秘密裏にΞガンダムを製造、マフティーに引き渡していたアナハイム・エレクトロニクス社とマフティーの関係が明らかになることで、連邦が、アナハイム・エレクトロニクス社へアプローチすることになるだろうな、などと想像していました。実は小説のあらすじは見ましたが、実際に読んではいないのです(笑)。この辺りの詳細なストーリーは、映画の続編を楽しみに待ちたいと考えています。

――Ξガンダムには、ペーネロペーとの戦闘の激しさを物語る痕跡がいくつも残っていますね。本作制作時にこだわったところはどんなところですか?
yuji.otaniありがとうございます。いつもガンプラ作るときは被弾跡のリアルさにこだわっています。以前は、世の中にはすごいモデラーの人たちが多くて、ウェザリングを施した作品の領域にはいけないだろうなと思い、「美しいガンダム」を目指していました。でも『ガンダム00』でキュリオスが最終決戦で「傷つきながら覚醒する」という作品の制作をターニングポイントに積極的に「傷ついたガンダム」を制作するようになりました。

――6000いいねの他にも、多くの賞賛コメントが寄せられました。
yuji.otaniありがたいことに、非常に多くの声をいただきました。「ブライトがガンダムの最後と歴代パイロットの反骨精神について語るシーン、あれが脳内再生されました」というコメントが、特に印象的でした。「連邦に囚われたΞガンダム」のシーンはまだ映像化されていないのですが、作品を見た方が小説とリンクさせてシーンを思い出していただけたことが、とてもうれしかったです。

――本作に限らず、ガンプラを制作するうえで一番大切にしていること、信条はどのようなことですか?
yuji.otani「ガンプラはどんな自由な発想で作ってもいいんだ」という精神のもと、「自分らしさ」「自由に楽しむ」ことを大切にしてやっています。
「ガンプラ」は、現実を忘れさせてくれるオアシス。例え仕事で辛いことがあっても、ガンプラを作っている瞬間はそのことを忘れて没頭できます。モデラーには年齢や性別、国籍など関係なく、みんなで作品を褒め合う文化があり、本当に素晴らしいと思っています。
 ガンプラを始めたことで、多様な方と関わり、学び得るものもすごく多いです。関わっている皆さん、そしてガンプラを生み出しているバンダイさんに本当に感謝しています。

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