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自撮り、SNS全盛の時代に抗う…通巻300号老舗アイドル誌『アップトゥボーイ』が考える“グラビア”の意味と価値

グラビアには本人も知らない輝きを写し出す力がある

 創刊から続いたフィルムの時代からデジタルへと移り、『アップトゥボーイ』で撮影する写真の点数も年間で数百万枚と格段に増えた。しかしアイドルが最も輝いている瞬間を捉えるという編集スタッフの気概は、創刊から今も変わらない。

「テーマやロケ地、衣装をチョイスする段階からこだわり抜いていざ撮影となるわけですが、天候やその場の状況、何より被写体の気分やコンディションなど、スタッフにはなす術がない要素もあります(笑)。ところがそのすべてがプラスに重なって、奇跡の1枚が写し出されることも。予定調和じゃないからこそグラビアは面白いんですよね。グラビア誌が今も健在なのはその空気感、ドキドキ感を読者も感じ取ってくれているからなのでは?と300号まで来てつくづく実感しています」
 近年は誰もが自撮りに慣れており、初めからキメ顔や角度など自分の見せ方が上手なアイドルが増えているという。一方でSNS時代の自意識と言うべきか、「グラビアより自分で撮った方が、加工も手軽にできてかわいく写る」と思い込むアイドルもいるようだ。

「ただ、私たちとしては本人も気づいていないその子の輝きを写し出し、読者と共有したい。またグラビアにはその力があると信じています。ロンググラビアもキレイに撮れた写真を並べるだけではなく、そこに物語が感じられる構成を心掛けています。そうしたグラビアならではの価値を理解してもらえるよう、これからも1枚の写真の重みというものに、しっかり向き合いたいと思います」

 アイドルの自撮り写真がネットに踊り、出版不況も叫ばれて久しいが、一方で40万部を超えるような大ヒット作が生まれるなど『写真集』シーンはまだまだ活況。手軽な写真があふれた反動からか、クオリティの高いグラビアに価値を見いだす人が増えているのだろう。
 何よりアイドルたちはたちまち成長していく。去年までのあの子と今年のあの子は違う顔をしているかもしれない。そんなアイドルたちの成長を追えるのが、グラビア雑誌の醍醐味だ。『アップトゥボーイ』300号の表紙のコピーにあるように、いつの時代もアイドルの「キラキラとドキドキは永遠」なのである。

取材・文/児玉澄子

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