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天才・江口寿史が提示した「美人画」の新たな“基準” 革新は「誰の画風にもない“鼻の穴”のある女の子」
後輩からも影響を受けています。だって僕も同時代で活動するイラストレーターだから
江口最近はSNSで発表しやすくなったからかな、“女性美”をモチーフにイラストを描く方がかつて以上に増えた印象がありますね。僕も美人画に限らず魅力的な絵を描く人は世界中、有名無名問わず片っ端からインスタでフォローしてますよ。盗んでやろうと思って(笑)。
──江口先生が"盗む"? 中村佑介さんが公言しているように、先生から明確に影響を受けた新世代のイラストレーターも多いと思うのですが。
江口それは当然、美術様式というのは系譜として繋がれていくものですから。僕も上の世代からはたくさん影響を受けてきました。中でも女性の描き方では林静一さん。
江口林さんは漫画もめちゃくちゃカッコよくて大ファンです。特に横顔を描くときは、いまだにものすごく意識しますね。意識するというのは、「林さんに似ないように」意識するんです。ものすごく引力のある画風なので、林さんから離れることを常にイメージしてます。それと同時に、新世代と呼ばれる人たちにも同じように影響を受けています。それは僕が彼らと同時代で活動する描き手であるからで、対等ですからね。下の世代に影響与えるだけじゃなく、こっちだっていただくよ、っていうね。まだ負けたくないというか、常に最旬を追い求めていたいという意識があるからなんです。