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【プラモデル】戦艦、航空機、戦車など“神作”まとめ

模型で目一杯遊ぶのが“雑食モデラー”の意地、「10人いれば10通りの答えがある」

作品名:「FATE´S ALLOW」制作:Zi-Zi-pacifico

作品名:「FATE´S ALLOW」制作:Zi-Zi-pacifico

 あんな戦艦やこんな戦闘機があったら…そんな“妄想”を具現化するモデラーたちがいる。今回紹介するのは、「F-14(トムキャット)は戦闘機の完成系」と熱く語るZi-Zi-pacifico氏。模型誌の作例に憧れを抱いた学生時代、そしてサークル仲間との合作で気づいた模型制作の魅力など、模型ライフの楽しみ方を聞いた。

学生時代、模型専門誌の作例を“羨望の眼差し”で読み込んだ

――プラモデルの原体験を教えてください。

【Zi-Zi-】ミニ四駆やガンプラなど幼少期から一通りやってきましたが、“切った貼った”の模型の魅力に目覚めたのは96年の「エヴァブーム」の時です。ガレージキットは高くてまったく手が出ませんでしたので(苦笑)、バンダイから出た1,000円のリミテッドモデルに飛び付きました。ただ可動域に難があったので、関節を自作したりして“躍動感“と“疾走感”のある劇中のエヴァを目指したのを覚えています。

――では、スケールモデルの魅力に目覚めたタイミングは?

【Zi-Zi-】学生時代に模型のサークルに入っていまして、展示会のテーマ「police」に合わせて仲間とパトカーを競作したのがスケールモデルにハマるキッカケでした。先輩にクリアーの厚吹きや「ここは見えんから塗らんでええよ」的な裏技まで、色々と手ほどきしてもらったのが良い思い出です(苦笑)。専用のキットがなかったので、アオシマの回転灯を仲間と大量に仕入れたのを覚えています。

――影響を受けた雑誌やモデラーの方はいますか?

【Zi-Zi-】中学時代に読んだ模型専門誌『月刊ホビージャパン』ですね。当時、「模型にはこんな世界があるのか!」と衝撃を受けたのを覚えています。雑誌に掲載されているライター諸氏の作例を、サッカー少年がプロ選手に向ける様な羨望の眼差しで読み込んでいました。今でもお気に入りの記事はスクラップして置いてあります。通算400記念号なんて神回ですよ!

――どんな点が神回だったのでしょうか。

【Zi-Zi-】『月刊ホビージャパン』400記念号は、おそらく編集部側も気合いを入れて作ったんだと思います。執筆されているライターさんは本業を他に持たれている方が多く登場も不規則なんですが、記念号はオールスターズな顔ぶれで作品を多数掲載していました。大変な衝撃を受け、制作意欲を駆り立てられました。

――スケールモデル以外にはどんな作品を手掛けていますか?

【Zi-Zi-】ガンプラも作ります。直近だと専門誌のコンテストにF-91を出品していて、カーモデルの技法を使って仕上げました。

――どのような技術で仕上げたのでしょうか。

【Zi-Zi-】外装をカウルの様に解釈して、カーボンデカールやスポンサーロゴでデコレーション、足首にダンパーや可動部にチェーンディテール、ライダースーツの意匠も取り込んで…etc。色物キャラですが、雑食モデラーの意地とばかりに精一杯真面目に遊んでみました。

F-14は戦闘機の完成系、普遍的なキャラクター性が愛され続けている

――代表作のF-14(トムキャット)についてお聞きします。このミサイル発射シーンを制作した理由は?

【Zi-Zi-】使用したキットはファインモールド製1/72スケールキットになります。一番カッコ良く見える瞬間で展示したいと思ったので、「ミサイル発射シーン」をテーマに制作を進めました。実はこれが現用機初作品だったりします。

――F-14に持っているメージは?

【Zi-Zi-】もう退役しましたが、現行のF-22や35にはない魅力があります。当時の最先端技術を詰め込んだ先進性とスタイリッシュさを合わせもっている点でしょうか。戦闘機としての“完成系”というか、普遍的なキャラクター性を持ったモチーフとして今後も愛され続けると思います。

――マーキングは何かを参考にされましたか?

【Zi-Zi-】アニメ『超時空要塞マクロス』に登場するエースパイロット、ロイ・フォッカーが統合戦争時にF-14に乗っていたら?という妄想を元にして作りました。もちろん、公式の設定では別の機体なのですが、大好きなF-14にフォッカーを乗せたくなり制作しました。

――反響はいかがでしたか?

【Zi-Zi-】アイデア先行の作品ですが、ベテランのエアモデラーの方々から「良いね」と言って頂けました。何より、4.5年経ってもこの作品を覚えてくれている人がいるのが嬉しいです。

――今後、作ってみたい作品は?

【Zi-Zi-】船ですね。いつも展示会で艦船コーナーに行っては「いつか作っちゃる!」って思っているんですが、このジャンルだけはまだ未体験なんです。艦船はとにかく立体としての“映え”が凄いんです。一筋縄ではいかんでしょうけど目標にしたいです。

――Zi-Zi-さんにとってスケールモデルの魅力とは?

【Zi-Zi-】2年程前、サークルの有志で映画『シン・ゴジラ』のタバ作戦(自衛隊のゴジラ迎撃作戦)のジオラマを合作する機会がありました。そこで10数人が各1両ずつ自衛隊の10式戦車を制作したのですが、もうこれが実に個性的! 同じモチーフ、同じキット、なんなら塗料を分け合ったメンバーも居たのに完成品は見事にバラバラ(笑)。細部を突き詰めた方、電飾までしてきた猛者、アンテナのサイズを間違えた奴(…それは私)、でも1台1台はまごうことなき10式戦車!

――同じ題材でも、人それぞれの“妄想”でまったく違うものになるんですね。

【Zi-Zi-】はい、それでいいんだと思います。10人いれば10通りの答えがあって、「誰が上手」とか「誰の方が正確」とかはあまり関係ないんです。スケールに合わせたディフォルメをしたり、アフターパーツの取捨選択をしたり、“自分の目というフィルター”を通して思い入れのある対象を表現するだけ。だから模型って楽しいし辞められないんですよ。

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