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【ガンプラビフォーアフター】ガンプラ進化を担う外国人&女性モデラーの“感性”「ガンプラに垣根はない」

 来年40周年を迎える『機動戦士ガンダム』シリーズ。世界的にも人気な強力IPだが、その礎のひとつとなったのは1980年代前半のガンプラブームである。そんな「ガンプラ」進化の一翼を担ってきたモデラーの“匠の技術”について、プチッガイを使った可愛らしい作品を多数製作する女性モデラー・タナカ虫さんにインタビューを実施。発想力とそれを具現化出来るガンプラ製作の真髄を聞いた。
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プチッガイのデザインに“カワイさ”を落とし込み、ポップな世界観を表現

――ガンプラ歴を教えてください。
タナカ虫初めてガンプラを買ってからもうすぐ3年になります。これまでガンプラは“兄の部屋に並んでいるもの”という存在で、ガンプラを触った経験が全くありませんでした。

――では、ガンプラをはじめたきっかけを教えてください。
タナカ虫兄が見せてくれた2015年『GBWC(ガンプラビルダーズワールドカップ)』の写真の中で凄く印象に残った作品があって。それが偶然おもちゃ売り場にあって、「私もプラモデルを作ってみたいな」と思ったのがきっかけです。

――ちなみに、そのガンプラとは?
タナカ虫プチッガイ(アッガイをカワイくデフォルメしたキット)で、可愛くてこれなら作りやすそう!と感じた初のガンプラです。

――女性モデラーとして多くの作品を作っていますが、周りに同性の方はいましたか?
タナカ虫はじめた頃は全く居ませんでした。でも女性のモデラーさんと知り合えるきっかけになるかもしれないと思い、展示会やオフ会に参加するようになりました。今では作品を持ち合って定期的に女子会をする仲間や、憧れの女性モデラーさんにも出会えました。

――作品の参考にしている女性モデラーがいれば教えてください。
タナカ虫模型雑誌『月刊ホビージャパン』でライターとしても活躍されている裏花さんです。彼女の作品は本当に綺麗で、いつもうっとりしてしまいます。些細な失敗でも、こんな時、裏花さんならきっとやり直してる…!と思って自分を奮い立たせています。私の憧れであり、目標の人です。

――自身のガンプラで、他の人には負けない“強み”の部分は何ですか?
タナカ虫自分がカワイイと思うものをプチッガイのデザインに落とし込んで、ポップな世界観を表現しています。見てくださった方がハッピーな気持ちになれるような雰囲気を作り出せることが、自分の唯一の強みかなと思います。

――その“強み”の習熟にはどのような努力をされましたか?
タナカ虫発想力に繋がる頭の中の引き出しをいっぱいにしておくために、常に様々な分野にアンテナを張っています。特に流行りの可愛いものには目がないです(笑)。

ガンプラに出会う前の私は、どこにでもいる普通の女性だった

――自分にとって、モデラー人生のターニングポイントとなった作品はなんですか?
タナカ虫RGシナンジュです。それまでは“カワイらしい”イメージの作品ばかり作っていましたが、自分の中の“カッコいい”を表現してみようと思い作った作品です。

――その理由も教えてください。
タナカ虫今までの作品では、女性の方に見てもらえる機会が多かったのですが、RGシナンジュを作ってから、男性のモデラーさんをはじめ、より多くの方に自分の作品に目を止めていただけるようになったと思います。

――ガンプラは海外でも人気です。海外の方の作品を見て、日本との作例の違いを感じますか?
タナカ虫設定に囚われない自由な発想と、より強いストーリー性を感じます。ガンプラの枠を超えた一つの芸術品を見ているようです。こうして外国人にも愛されるガンプラって“垣根”がない素敵な作品だと感じます。

――外国人と女性モデラーが加わることで、ガンプラの世界観が広がっているんですね。自分の感性を表現するうえで、一番必要な技術とは何ですか?
タナカ虫技術と言えるかわかりませんが、根気強さは大切な部分かなと思います。

――一番難しい部分ですね(笑)。根気強さはどうすれば身につきますか?
タナカ虫作業の中にはどうしても苦手な工程や、失敗した箇所のリカバリーなど、手が進みづらいところが出てくるかなと思います。でもその壁を乗り越えた時にこそ、自分の成長が見えてくると思うので、投げ出さずに完成までとにかく全力で取り組むことだと思います。

――次はどんな作品にチャレンジしたいですか?
タナカ虫次は10体以上のプチッガイを使った大きな作品を作って、『ガンプラW杯』に初挑戦してみたいなと思っています。見てくださる人が楽しくなるようなカワイくてハッピーな作品にしたいです。

――自分にとって「ガンプラ」とは?
タナカ虫新しい自分を見つけさせてくれたものです。ガンプラに出会う前の私は、本当にどこにでもいる普通の女性で、足りない塗料を慌てて買いに走る人生が待っているなんて思ってもみませんでした(笑)。ガンプラという自分の表現方法を見つけて、知らなかった自分に出会わせてもらいました。

(C)創通・サンライズ
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