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【ガンプラビフォーアフター】“最弱”のボールを“最強”兵器に魔改造「ガンプラは妄想を具現化できる最高の遊び場」

 1980年代、ちびっ子から大人まで空前の“ムーブメント”を巻き起こした「ガンプラ」。その後、発売から38年間で累計4億5000万個以上を出荷。HG、MG、RG、PGといったカテゴリー分けで試行を繰り返しながら今なお進化を続けている。そこで今回、2014年に開催された『ガンダムビルダーズワールドカップ』(GBWC)の日本大会で3位となった実力派モデラー・ひやむぎさんにインタビューを実施。「ガンプラ」進化の一翼を担ってきたモデラーの匠の技術について、その真髄を聞いた。

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ガンダムの妄想サイドストーリーを具現化「“丸い棺桶”をどう“最強”に見せるかが腕の見せ所」

――ガンプラ歴を教えてください。
ひやむぎ約30年になります。幼少期にSDガンダムがブームで、ガシャポンやカードダスと一緒に自然と始めていたました。
――プラモを制作するうえで、こだわりの造形箇所を教えてください。
ひやむぎ迫力を出しつつも、シルエットのバランスには気を使っています。あと必ずどこかにオリジナルの要素を入れるようにしています。カラーであったりデカールであったり内容はさまざまです。

――作りこまれた“リアルさ”と“妄想”の掛け合わせに匠の技を感じます。
ひやむぎ実は、もともと情景描写(ジオラマ作品)はあまり得意ではないのですが、塗装の剥がれ表現やグラデーション塗装による退色表現などは得意としています。

――確かに、ひやむぎさんの作品からは、モビルスーツの機械の錆や塗装の剥がれ、オイルの匂いのようなものが感じとれます。
ひやむぎあと、様々なガンプラのパーツを組み合わせ自分独自のガンプラを完成させる“ミキシング”も好きですね。特に、2014年の「GBWC」日本大会で3位入賞した、『スティンガーフォトンボール(ボール)』はお気に入りです。テーマは“速くて強くてカッコいい”ボール。ガンダムの世界では弱くて有名なボールですが、これをシューティングゲームの戦闘機のようにカッコよくしたら面白いのではないか、と考えたのが始まりです。

――制作期間とこだわった部分を教えてください。
ひやむぎ制作期間は約3ヵ月、こだわりというかコンセプトは、ガンダムの作中で「丸い棺桶」と呼ばれ、弱い=ボールという意識を持たれている兵器を、いかに強そうな見た目にするかに腐心しました(笑)。

妄想中や制作中、完成時の達成感…、ガンプラはあらゆる時間に楽しさが詰まっている

――ひやむぎさんの作例からは、インスピレーションと強く感じます。モデラーにとって一番必要な技術とは何ですか?
ひやむぎプラモデルは作り方や塗装も含めて自由なものですから、自分が作りたいものによって必要な技術はそれぞれです。あえて技術というのであれば「丁寧に作る技術」ですね。

――「丁寧さ」はどうすれば習熟できますか?
ひやむぎ実は自分もその点に関していえば苦労しています。コツは飽きたらやめることです(笑)。

――緻密な作業ですから、心に余裕がなかったり、モチベーションがない時は丁寧に作れなくなってしまうと。無理して作らないことも大事なんですね。ちなみに、次はどんな作品にチャレンジしたいですか?
ひやむぎPG(パーフェクトグレード)のユニコーンを使って、何か面白いことをしてみたいですね。

――常に、新しいアイデアを盛り込みたいわけですね。ひやむぎさんにとって「ガンプラ」とは?
ひやむぎ妄想中や制作中、完成した時の達成感など、あらゆる時間に楽しさが詰まっている、そんな趣味です。
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