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【ガンプラビフォーアフター】“オラザク大賞”ドムに見る、ガンプラ驚異のメカニズム「原型の取捨選択が命」

 1980年代、ちびっ子から大人まで空前の“ムーブメント”を巻き起こした「ガンプラ」。その後、発売から38年間で累計4億5000万個以上を出荷。HG、MG、RG、PGといったカテゴリー分けで試行を繰り返しながら今なお進化を続けている。そこで、ORICON NEWSでは、「ガンプラ」進化の一翼を担ってきたトップモデラーたちのインタビュー連載を実施。今回は、ホビージャパンが主催する日本最大級のガンプラコンテストの1つである『全日本オラザク選手権』で大賞経験を持つエスタさんに、モデラーの“匠の技術”について、その真髄を聞いた。

【ガンプラビフォーアフター】毎週更新・トップモデラーインタビュー特集→

量産型ズゴックを“シャア専用”に改造、初塗装が“モデラー人生”のきっかけに

――エスタさんのガンプラ歴を教えてください。
エスタ小学校の頃のガンプラブーム以来、かれこれ40年近くになります。
――プラモを制作するうえで、特にこだわる部分は?
エスタパテやプラ板での造形では、左右対称に特に気を配ります。この作業を怠るとズレが積もり積もって結果的に歪みが大きくなるからです。

――『オラザク大賞』を取ったドムなど、緻密な作業が伺えます。ひとつの作品にかける期間を教えてください。
エスタ基本的に1年前後かけて作る作品が多いのですが、そればかりだと気が滅入るので(笑)、軽い改造と塗装で出来る作品を1〜2ヵ月で作る事もあります。

――「ここは他の人に負けない」と思う“匠の技”はなんですか?
エスタプラ板とポリパテを使って、イメージした形を作り出すことです。

――『オラザク大賞』のドムは、オリジナルの良さとエスタさんの独創性がバランスよく配分されているように感じます。エスタさんにとって、モデラー人生のターニングポイントとなった作品はなんですか?
エスタ初代ガンダムに出てくる量産型ズゴックです。当時はガンプラブームの嵐が吹き荒れていたので、シャア専用のモビルスーツが中々買えませんでした。そこで量産型をシャア専用カラーに塗ったのが初の塗装作品です。ロボダッチ以降プラモデルを作っていましたが、小学六年の時に初めて筆塗りで完成させたズゴックが、モデラー人生のターニングポイントになりましたね。

製作期間は2年!? どう自分らしくアレンジするかが「ガンプラの醍醐味」

――これまで作ったガンプラの中で、いちばん好きな作品を教えてください。
エスタ『第17回オラザク選手権』で大賞を受賞したドムです。とにかく全国レベルのコンテストで1番になりたくて『オラザク』に挑戦し続けていたのですが、大賞は中々とれずにいました。でもこの作品で大賞を頂けた時には本当に嬉しかったです。

――いたる箇所に緻密な造形が施されていますが、特にこだわった部分は?
エスタ制作期間は2年かかりました。アレンジ作品はどういった創意工夫を加えるかが難しいのですが、同時に1番面白い所でもあります。元になるデザインの何を残すのかがポイントで、僕の場合はシルエットを残すことが多いです。

――多くのモデラーが、エスタさんの作品を参考にしていると思います。モデラーにとって一番必要な技術とは何ですか?
エスタ基礎だと思います。確実な表面処理とパッキリとした塗装です。

――その技はどうすれば習熟できますか?
エスタ「このぐらいでいいか」とか「まあいいか」といった妥協をしないことです。出来るだけ妥協を減らし、それを繰り返すことで徐々に上達していくと思います。

――エスタさんにとって「ガンプラ」とは?
エスタ“自分にしか出来ないもの”を表現するための素材です。
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