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【ガンプラビフォーアフター】トールギスの“漏れ電”に込めた想い「ガンダム作品を“拡大解釈”して楽しむ」

 1979年にアニメ『機動戦士ガンダム』が放送されてから、今年で40周年を迎える「ガンダム」シリーズ。その人気は今や世界規模に拡大。主力アイテムである「ガンプラ」の年間出荷数のおよそ3割は海外向けなのだという。そんな「ガンプラ」進化の一翼を担ってきたモデラーの“匠の技術”について、2015年『ガンプラW杯』日本大会優勝といった、輝かしい実績を誇るトップモデラー・ロクさんにインタビューを実施。ガンプラ製作の真髄を聞いた。
◆【ガンプラビフォーアフター】毎週更新・トップモデラーインタビュー特集→

“S字立ち”などアニメ的要素をガンプラに注入

――ガンプラを制作するうえで、“自分らしい”造形箇所はどこになりますか?
ロク機体のシルエットを大切にしたいと思っています。そのシルエットも、漫画やアニメで見られる、腰を入れて胸を反らしたポーズ(S字立ち)を意識して製作しています。

――『ガンプラW杯』歴代日本チャンピオンたちが制作したゲスト機体が登場する「公式外伝:ガンダムビルドダイバーズ GIMM&BALL'S WORLD CHALLENGE」の作品も印象的でした。本企画のEpisode-3に登場した、ロクさん製作の「暁のルシファー」について、コンセプトを教えてください。
ロク一見天使の羽根に見えて、実は“悪魔的”なトンデモビーム兵器が付いたウエポンベイや、高機動バーニアまで有した多目的ユニットとして製作しました。

――武装はテンコモリですが、一見したシルエットはスタイリッシュです。
ロクこだわりとして、圧倒的な破壊力を有しながらも、優雅さと神々しさを出したいと苦心した成果かと思います。公式外伝ビルドダイバーズGBWCのストーリーも佳境に近づいているので、ぜひ本誌をチェックして頂ければと思います。

女性モデラーの“感性”は魅力「将来的にガンプラW杯で優勝する可能性も“大”」

――ロクさんにとって『ガンプラW杯』はどんな大会ですか?
ロク仲間同士でガンプ技術を共有化することが良い勉強の場となっています。何より、同じ趣味を持った仲間達との話はとても楽しいですね。そして、2014年大会で準優勝した「ウイングゼロ ディアボルス」は、モデラー人生のターニングポイントとなりました。

――それはなぜでしょうか。
ロク過去、『ガンプラW杯』の作品を見て、「何を求めているのか」「作品レベルの到達点(モールド含む)」「入賞作品と同じモノにしない」を考え、答えを導き出した結果が「ウイングゼロ ディアボルス」でした。自身には無い技術も有り、かなり背伸びをした製作となりました。ただ、その頑張りが自身のガンプラ技術も向上に直結しました。

――毎年注目度が上がる『ガンプラW杯』ですが、その変化をどう感じていますか?
ロク年々女性モデラーが増えていると感じています。技術も高いですし、女性ならではの“感性”で魅力的なガンプラを製作されています。今後、女性モデラーが優勝する可能性も”大”じゃないかと思ってます。

――女性モデラーの活躍は目覚ましいですね。では、ロクさんにとって、ここは他の人に負けない、と思う“匠の技”はなんですか?
ロク匠の技まで程遠いですが、僕自身は“ケレン味”を大切にしています。展示会も含め、来場者の目にパッと飛び込んでくる様な作りが出来ればと。

――女性モデラーの飛躍と同様に、海外モデラーの活躍も目立ちます。海外モデラーの作品を見て、日本との作例の違いを感じますか?
ロク『ガンプラW杯』世界戦の作品で、海外勢と日本勢の違いを痛感しました。海外勢は(全てでは無いですが)、ガンプラをあくまで素材として扱い、自由奔放な世界観で製作されています。一方、日本勢の場合は、“ガンダムの世界観”の中から製作される方が大半ですね。

ガンプラは趣味仲間を繋ぐ「ツール」のひとつ

――これまで製作したガンプラの中で、お気に入りの作品を教えてください。
ロク『ガンプラW杯』日本大会で優勝した「トールギスA(アレス)〜闘神〜」ですね。トールギスを自分流に“拡大解釈”して、スタイリッシュかつ力強い作品に昇華させられました。それと、ガンプラパーツで高機動バーニア等を製作した点もポイントです。現在『ガンプラW杯』でミキシング作品が増えて来た様に思いますが、その先駆けになれたのではないでしょうか。

――電飾へのこだわりも凄いですね。
ロク本作品では、トールギスの装甲から余剰エネルギーが光って見えるオリジナルの「漏れ電」という電飾を腰や膝の部分に施しました。こだわりの腕組みポージングに、「漏れ電」(ブルー光でサシ色にもなってます)が花を添えていると思います。

――ロクさんにとって「ガンプラ」とは?
ロクガンプラを通して、モデラーの仲間たちと楽しく語り合える「ツール」ではないでしょうか。

(C)創通・サンライズ
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