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【プラモデル】戦艦、航空機、戦車など“神作”まとめ
「これ、本物違うん…?」男子の永遠の憧れ“昭和の車両基地”ジオラマが大反響、写真の撮り方がキモ
古き良き時代の鉄道風景、電車を見たときの「わくわくする気持ち」を再現
【あに】店頭でこの電車の完成品サンプルを見て、その素晴らしいディテールとサイズの大きさに一目惚れしました。さらに、「ジオラマにしたら迫力のあるものが出来るのでは?」と思い、このキットを購入しました。
――購入されたキットは?
【あに】アオシマの『電気機関車 EF66 後期型』と『電気機関車 EF66 前期型』です。
――このキットを使って、どのようなテーマで制作されたのでしょうか。
【あに】できるだけ忠実に当時の車両基地を再現しながらも、電車を見たときの「わくわくする気持ち」が伝わるように制作しました。
――車両基地に停車している電車を見るとわくわくした気持ちになります。鉄道や車両への思い出はありますか?
【あに】幼い頃、ブルートレインに乗って家族で旅行をした際、嬉しすぎて一睡も出来ませんでした(笑)。当時の気持ちの高ぶりは忘れられないですし、この原体験が、今回の“情景”を演出する際の原動力になりました。
――制作にあたって何か参考にされた資料や作品はありますか?
【あに】古き良き時代の鉄道風景や、日本各地の鉄道施設をモデラー的な視点で記録したムック本『模「景」を歩く』(ネコ・パブリッシング)で紹介されている、品川運転所の写真を参考にしました。
――本作でこだわったポイントをおしえてください。
【あに】木造の車庫とトタン板、使い込まれた電車と車庫、鉄粉の混じった地面など昭和の車両基地の雰囲気を出す事にこだわりました。
――では、本作で最も苦労した部分は?
【あに】数少ない資料(写真)から図面を作り立体化させるのが一番苦労しました。技術的な事を言えば電車のパンタグラフに触れる電線とガイシの制作。あと制作時間が少なかったのも苦労しました。
ジオラマの合作は、苦手とする部分を補い合うことができる
【あに】毎年浜松で開催される「浜松ジオラマグランプリ」というコンテストがあり、それに参加する作品を、6年前から友人のtaka氏と毎年合作しています。
――合作をすることのメリットは何ですか?
【あに】自分の苦手とする部分を補ってもらえることです。技術的や物量的にも1人で作るジオラマには限界があります。けれど、合作することでそれを越える大作を作ることが出来るのです。でも1番のメリットは、完成や受賞を1人じゃなく、2人で喜べることですね。
――逆に、合作することの難しさはどんな部分でしょうか。
【あに】完成のイメージをどこまで共有出来るかで作品の完成度が決まってきます。そのためにはよく話し合い、資料になりそうなものを集めたり、ときには紙やスタイロフォームなどでラフに作ってみたりします。そしてなにより、良い作品を完成させるぞ!という想い、熱量です。これに差があると完成すら危うくなってきます。
――本作を初めて見た時に実物だと勘違いしたほどです。写真の撮り方など工夫したのでしょうか。
【あに】私は、ジオラマ写真を撮るときはアングルに特にこだわっています。自分がそのジオラマの世界に入ったつもりになることが重要で、その目線から作品を撮るようにしています。そうすることで、実際は数十センチの模型でも“巨大”な造形物としてのリアリティを感じさせることができます。
――アングルだけで“情景”がガラっと変わるのもジオラマの醍醐味ですね。他にも撮影時のポイントがあれば教えてください。
【あに】ジオラマを大きく見せたいときは野外で撮影します。太陽光は室内照明と違って影がくっきり出ます。この影が作品内にあるととてもリアルに見えます。また、人間は大きな物を見るときは視界全体にピントを合わせるので、作品を撮るときも作品全体にピントを合わせるようにします。この2つを守るだけで、とてもリアルなジオラマの写真を撮ることが出来ると思います。
――では、今後作ってみたいジオラマのテーマを教えてください。
【あに】船やバイクのジオラマはいつか作ってみたいと思っています。それと、「こんな場面でも作品になるんだ!?」という誰もやったことのないジオラマにも挑戦したいですね。