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【プラモデル】戦艦、航空機、戦車など“神作”まとめ

“アムロ復活”に心揺さぶられるクワトロ大尉を立体化「繊細さやバブみを見せるシャアの人間くささ」

作品:アウドムラの格納庫/制作:まーてる氏(@warewareha2018)(C)創通・サンライズ

作品:アウドムラの格納庫/制作:まーてる氏(@warewareha2018)(C)創通・サンライズ

 来年40周年を迎える『ガンプラ』の魅力は、妄想ストーリーを具現化できる点にある。そんな「ガンプラは自由」の精神を匠の技術によって体現するトップモデラー・まーてる氏(@warewareha2018)。『ガンダム』の裏主人公とも言うべきシャア・アズナブルの魅力や、ガンプラ制作の悩みから解放された瞬間などを聞いた。

ヒーロー然としていない、人間・シャアの弱さや繊細さを表現

――本作、「アウドムラの格納庫」を制作した理由を教えてください。

【まーてる】TV版『機動戦士Zガンダム』を見返していて、シャア(クワトロ)とアムロを題材にした作品を作ってみたくなったからです。どんなシーンにするか色々と考え、作品のようなイメージとなりました。

――本作でイメージしたストーリーを教えてください。

【まーてる】Zガンダムの次回予告のようなイメージで…「カラバで戦う事で己を取り戻しゆくアムロと、その姿に心揺さぶられるシャア。いまだに迷いを捨てきれない男は、かつてのライバル・アムロが駆る機体をサングラス越しに見つめるのだった。次回、機動戦士Zガンダム『ダカールの日・前日』君は刻の涙を見る…、こんなシチュエーションでしょうか(笑)。

――なるほど。幽閉から解放されたアムロが刻々とかつての姿を取り戻していく中、いまだに“キャスバルとしての役割”を果たすことをためらっているシャア。そんな1コマをジオラマ化したわけですね。本作でこだわった部分は?

【まーてる】戦闘シーンの派手な『動き』ではなく、『静』の中に刻の動きを感じる…そんな作品になるよう心がけました。格納庫や待機ルームの小物などは、Zガンダム放送当時のニュアンスを感じられるように作っています。

――シャアがディジェを背景に物思いにふける姿が印象的です。

【まーてる】シャアといえば凛々しい立ち姿をイメージする方が多いと思いますが、肩の力を抜いて何かの思いにふける…『素』の人間くさいシャアを表現しました。

――『ガンダム』の世界において、シャアが愛される理由は何だと思いますか?

【まーてる】Zガンダムの時代は彼にとって迷いと悩みの時間でした。パイロットとしての描写はとてもカッコいいのですが、若いカミーユに噛みつかれたりすると、不意に人間・シャアの人としての弱さや繊細さも感じさせたり…。

――カミーユに殴られ涙するシーンも印象的ですし、『逆襲のシャア』では「ララァ・スンは私の母になってくれたかもしれなかった女性だ!」とぶっちゃけたり、一般的なヒーロー像とはかけ離れたキャラですよね。

【まーてる】シャアのララァへの想いは“バブみ”(年下の女性へ求める母性)と表現され、彼の人間性を象徴する言葉となっていますね。ヒーロー然としていない人間くさい部分を感じられる所が、シャアの魅力だと思います。

ある時、周囲の評価や目を気にし過ぎてのびのびと作品を作れなくなった

――ジオラマを作る際、いちばんこだわる部分はどこですか?

【まーてる】私の作品は小スケールなものが多いのですが、「いつ」「どこで」「なにを」を一目でしっかり伝える事ができるよう心がけています。これは基本であると同時に真髄でもあると思います。そこさえ意識すれば、技術や手法は後からついてくると感じています。あと、作品の中に『隠し物語』をちりばめることで、作品をじっと覗きこんでもらえるような工夫をしています。

――これまでジオラマを制作されてきて、いちばん悩んだ時期はいつですか?

【まーてる】某コンテストの本戦に出た時、超絶級のモデラーさん達の作品に囲まれてとても嬉しかったと同時に、自分の作品ではとても敵わないクオリティやこだわり等、全てにおいて次元の違いを痛感し落ち込んだりしました。その後は変に萎縮してしまい、思うように情景模型が作れなくなった時期がありました。

――その悩みを突破できた要因はなんですか?

【まーてる】ある時、周囲の評価や目を気にし過ぎてのびのびと作品を作れなくなっていた事に気がつきました。ガンプラは「ガンダム」が好きだからこそできる素敵な「趣味」なのだから、本来他人の目は気にしなくても良いわけです。そのことに自然と気付けてからは、人前に出したりする時はもちろん、SNSに投稿する時も肩に力を入れず『自分のために楽しんで作った作品』を見てもらえればいい。そう思えるようになりました。すると、以前より制作が楽しくなり、再びアイデアもふつふつと浮かんでくるようになりました。その結果、この「アウドムラの格納庫」の制作へと繋がりました。

――ガンプラとは、自分にとってどんな存在ですか?

【まーてる】物を作る事の楽しさと大切さを学べ、今の自分に育ててくれたかけがえのない存在です。ガンプラさえあれば、爺様になっても、模型仲間とガンダムの世界やモビルスーツの設定などを茶を飲みながら元気に語り合う…そんな晩年を迎えられる気がします(笑)。

(C)創通・サンライズ

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