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筋トレ時に押さえるべき正しい呼吸法とその効果【プロが教える筋トレ】
著者・監修者プロフィール
和田 拓巳
プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療サポートの経験も豊富で、ケガの知識を活かしリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・トレーニングに関する講演会などの講師を務めること多数。テレビや雑誌にて出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆・監修を行い、フィットネスに関する情報を発信している。
Official site:https://wada0129.wixsite.com/takumiwada(外部サイト)
Facebook:https://www.facebook.com/pt.wada(外部サイト)
和田 拓巳
プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療サポートの経験も豊富で、ケガの知識を活かしリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・トレーニングに関する講演会などの講師を務めること多数。テレビや雑誌にて出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆・監修を行い、フィットネスに関する情報を発信している。
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筋トレと呼吸法の関係
トレーニング時における呼吸の役割
筋トレ後も睡眠同様に成長ホルモンが多く分泌されるため、寝る前に筋トレを行うことで、長時間にわたり成長ホルモンの分泌がおこり、筋肉の成長を効率よく促すことにつながる。
急激な血圧の上昇を防ぐ
呼吸をすることで、急激な血圧の上昇を防ぎ、疾患リスクを抑えることができる。
体幹部を固定する
集中力を高める
筋トレで使われる2つの呼吸法:胸式呼吸と腹式呼吸
胸式呼吸とは
通常、無意識で行う呼吸の多くは胸式呼吸であるが、緊張時などストレスや緊張を感じているときは、胸式呼吸が特に優位になり、呼吸が浅く、速くなる傾向がある。
胸式呼吸のメリット
胸式呼吸のデメリット
腹式呼吸とは
腹式呼吸のメリット
腹式呼吸のデメリット
スポーツ・トレーニング時における呼吸の違い
筋トレ中は、意識して大きく深い腹式呼吸をすることが難しい。そのため、エクササイズの動作中は、基本的に胸式呼吸となるだろう。エクササイズに入る前であれば、体勢を整えたり、集中するために意識を高めるために腹式呼吸を行うのも良いだろう。
逆にストレッチやヨガなどのエクササイズの場合は、深い呼吸が適しているため腹式呼吸が基本となる。このように行う内容によって呼吸を意識して使い分けるのがいいだろう。
筋トレ種目ごとの呼吸タイミングの重要性
筋トレ中の基本的な呼吸のタイミング
もちろんどのエクササイズでも呼吸は必要だが、特にフリーウエイトでは姿勢が安定しにくいため、姿勢の安定を図るためにも呼吸を意識して行う必要があるだろう。
動作中、呼吸がおろそかになってしまうのが心配な人は、まずはマシントレーニングで呼吸を習得してから、フリーウエイトに挑戦するというのでもよいだろう。
種目別の呼吸タイミング
プッシュアップ
息を吸う → 体を下ろしていく(肘を曲げていく)時
プッシュアップの場合、体を持ち上げるときに、筋肉が縮まりながら力を発揮していく。瞬発的に持ち上げるのであれば「フッ」と軽い呼吸で吐き、じっくり持ち上げていくなら「フー」と動作全体を通じて息を吐きながら持ち上げるとよいだろう。体を下ろしていくときは、息を吸いながらゆっくり下していくと効果的だ。
ベンチプレス
息を吸う → バーベルを下ろしていく(肘を曲げていく)時
ベンチプレスの場合、バーベルを持ち上げるときに、筋肉が縮まりながら力を発揮していく。高重量を扱う場合、バーベルを持ち上げるときに息が止まりやすい。最大筋力を発揮するために意図的に息を止めるのではない限り、バーベルが上がるか上がらないかギリギリのところでは、意識して息を吐くようにするとよいだろう。
チンニング
息を吸う → 体を下ろしていく(肘を伸ばしていく)時
チンニングの場合、体を持ち上げるときに、筋肉が縮まりながら力を発揮していく。プッシュアップ同様、瞬発的に持ち上げるのであれば「フッ」と軽い呼吸で、じっくり持ち上げていくなら「フー」と動作全体を通じて息を吐きながら持ち上げるとよい。
ショルダープレス
息を吸う → バーベルやダンベルを下ろしていく(肘を曲げていく)時
ショルダープレスの場合、バーベルやダンベルを持ち上げるときに、筋肉が縮まりながら力を発揮していく。バーベルやダンベルを頭上に持ち上げることで、体勢が崩れやすいエクササイズだ。立った姿勢で行う場合は、体をしっかり安定させて動作するためにも、呼吸を意識する必要があるだろう。
アームカール
息を吸う → ダンベルを下ろしていく(肘を伸ばしていく)時
アームカールの場合、ダンベルを持ち上げるときに、筋肉が縮まりながら力を発揮していく。高重量を扱う際、腰を反らせながら反動を使って持ち上げてしまうことがある。その際は持ち上げるときに、息を吸っていることが多い。ダンベルを持ち上げる際に息を意識して吐いておけば、反動を使いにくくなり、効果的に上腕二頭筋を鍛えることができるだろう。
スクワット
息を吸う → 体を下ろしていく(膝を曲げていく)時
スクワットの場合、体を持ち上げるときに、筋肉が縮まりながら力を発揮していく。ベンチプレス同様、高重量を扱う際は息を止めやすい。動作中の姿勢を安定させるためにも、限界が近くなってきたら、意識して息を吐くようにしよう。
ランジ
息を吸う → 体を下ろしていく(膝を曲げていく)時
ランジの場合、体を持ち上げるときに、筋肉が縮まりながら力を発揮していく。バランスをとりにくいランジ動作中は、呼吸のタイミングが崩れがちだ。呼吸を意識することで、姿勢を安定させることができる。バランスが崩れやすい人は、息を吐くタイミングだけ意識してみるとやりやすいだろう。
クランチ
息を吸う → 体を下ろしていく(お腹を伸ばしていく)時
クランチの場合、体を持ち上げるときに、筋肉が縮まりながら力を発揮していく。クランチは特に息を吐くことによって、腹筋の収縮を強くさせ強度を高めることにつながる。体を持ち上げた際に、息を吐き切るまで腹筋に力を入れるようにするとよいだろう。
呼吸法を正しく行うことによる安全性向上のメリット
筋トレ中、特に高重量を扱う際は、全力を発揮するために息を止めて行う場合もある。それは「バルサルバ法」という呼吸法だ。大きく息を吸って力を発揮する際に息を止めることで、体幹の圧力を高め、重いものを安定して持ち上げやすくする方法として使われる。しかし、息を止めることで血圧が一時的に急上昇するため、心血管系に負担がかかり、心臓や血圧に問題が起こるリスクが高まるため注意が必要だ。
ウエイトリフティングのように、一瞬で最大の筋力を発揮する競技や、限界ギリギリの重要で追い込むようなトレーニングなど、短時間で終わるのであればよいだろうが、そうでない場合は、呼吸をしっかり行うようにしよう。
呼吸を意識することで得られる長期的な効果
トレーニングの質の向上
無意識的に呼吸するよりも、呼吸を意識することで、発揮する力が増え、限界近くまで追い込むことができるようになる。長期的に続けることで、成果は大きく変わってくることだろう。
ケガの防止
息を止めないための意識づけ方
呼吸を意識的にコントロール
インストラクターや仲間の助けを借りる
鏡でフォームと呼吸を確認
まとめ
今回紹介したエクササイズ以外でも、基本的に呼吸のポイントは同じだ。「力を発揮するタイミングで息を吐く」、「力を抜くタイミングで息を吸う」ということを頭に入れ、色々なエクササイズで呼吸を意識してもらいたい。