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筋トレを行う時間と効果的な時間帯(朝・昼・夜)【プロが教える筋トレ】

筋トレを行う時間と効果的な時間帯(朝・昼・夜)【プロが教える筋トレ】

著者・監修者プロフィール

林本直
元アスレティックトレーナー|サプリメントインストラクター保有
了徳寺大学健康科学部卒 元日本体育協会公認アスレティックトレーナー&NSCA-CSCS。大学日本代表選手(ゴルフ、ビーチバレー)のトレーニングコーチや、ラグビーチームのトレーナーを経験。現在はサプリメントインストラクターを取得し、ライターをしながらオンラインでボディメイクを指導している。

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筋トレの効果を効率よく得るためには、トレーニングにかける時間や頻度の設定がとても重要だ。筋肥大が目的でもダイエットが目的でも、筋トレのしすぎも休みすぎもよくない。

適度なトレーニング量と、適度な休憩によって、筋トレの効果を効率よく得られる。

この記事では元トレーナーの筆者が、自宅で行える筋トレメニュー・スケジュールの組み方を、初心者と中級者に分けて解説する。

正しいスケジュールの元で筋トレを習慣化できれば、確実に筋トレの効果が高まる

筋トレの所要時間を決める4つの要素

効果的な筋トレの所要時間を決めるために必要な要素は、以下の4つだ。
・回数
・セット数
・インターバル
・休養

回数・セット数・インターバルの時間が増えれば、必然的にトレーニングの時間は長くなる。どれも、増やしすぎても、減らしすぎてもいけない。
■回数
回数はおよそ6〜12回ほどで限界がくる回数に設定しよう。
筋肉を肥大させるのにもっとも効率的な回数は6〜12回と言われている。ダイエットが目的の場合も、まず筋肉を肥大させることで代謝が増え「太りにくく痩せやすい身体」になるうえに、身体がより引き締まって見えるようになる。
■セット数
セット数は初心者と中級者で異なる。
初心者は1セットでじゅうぶんだ。筋肉を発達させるためには、筋肉に負荷をかけなければならない。その人が持つ能力が100としたら、101の負荷をかける。120とか130など、持つ能力を大きく上回る負荷をかけても効果に大きな差はない。

今まで筋トレをしてこなかった初心者が2〜3セットなど行うのは負荷が高すぎる。筋肉痛の回復に1週間近くかかってしまい次のトレーニングができなかったり、辛すぎてトレーニングを辞めたりする可能性も高まる。

一方で中級者以上になったら、2〜3セット行っても構わない。総負荷量を上げることで、より筋肥大の効果は高まる。1セットのトレーニングで80%得られる筋肥大の効果を、2〜3セット行うことで、さらに90%→100%と高めていくようなイメージだ。

そこまでの筋肥大を望まない場合は、1セットだけのトレーニングでもじわじわと筋肥大していく。
■インターバル
セット間のインターバルは1〜2分が最適だ。だが、違う筋肉を鍛える場合、インターバルは不要

例えば、プッシュアップで大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋を鍛えたあと、クランチで腹直筋を鍛えるとする。このように違う筋肉を鍛える場合は、インターバルが不要だ。

一方でプッシュアップを2セット行う場合は、セット間に1〜2分のインターバルを入れて筋肉に多少のエネルギーを補給させる。そうすることで、2セット目もしっかりと追い込める。

全種目1セットで行う場合は、インターバルなしで一気に全種目をこなせる。インターバルがない分、トレーニング時間も短時間で済む。さらに、ずっと心拍数が高い状態を維持できるため、脂肪燃焼効果も高い。とても効率よく効果を得られる方法だ。
■休養
トレーニングをした筋肉は2〜3日休ませなければならない。筋トレ後48時間前後は、筋合成の高い状態が続く。この時に同じ筋肉をトレーニングしても、トレーニング効果が得られないばかりか、オーバートレーニングになって逆効果になる可能性もある。

一方違う筋肉であれば、連日トレーニングをしても構わない。例えば月曜に腕・肩を鍛えて、火曜に腹筋・胸・背中を鍛えて、水曜日に下半身を鍛えるなどだ。このようにトレーニングすべてを休む必要はなく、それぞれの筋肉を休ませられたらOKだ。

効果的な筋トレを行う場合どのくらい時間をかければいい?

■初心者
初心者が自宅で筋トレを行う場合、上半身と下半身の2つに分けたメニューをおすすめする。種目も最小限に絞り、インターバルをとらないことで、1日のトレーニングは2〜3分で終わる。

全種目6〜12回程度で限界がくる負荷に設定しよう。クランチなどの負荷が変えづらい種目は、12回以上になってもいい。どちらにせよ、1セットだけ限界まで全力で行う。1つの種目が終わったら、すぐに次の種目を始める。

この2〜3分間は心拍数が高まるため脂肪燃焼効果も高く、トレーニングによる筋肥大で代謝の向上も見込める。さらに筋肉を回復するため、しばらくエネルギーを消費し続ける。

そのため短時間で効率よく、脂肪燃焼効果も筋肥大効果も得られる方法だ。

トレーニング器具は、チューブがあればじゅうぶんだ。2,000円程度で、さまざまな負荷のチューブセットが購入できる。ぜひ用意してほしい。

上半身のメニューは以下の5種目。
膝つきプッシュアップ(外部サイト)(鍛えられる筋肉:大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋)
クランチ(外部サイト)(鍛えられる筋肉:腹直筋)
・チューブローイング(鍛えられる筋肉:広背筋・三角筋後部・上腕二頭筋)
ツイストレッグレイズ(外部サイト)(鍛えられる筋肉:腹斜筋)
・アップライトロウ(鍛えられる筋肉:僧帽筋・三角筋中部)

下半身のメニューは以下の4種目。
ワイドスクワット(外部サイト)(鍛えられる筋肉:大殿筋・大腿四頭筋・ハムストリングス・内転筋)
カーフレイズ(外部サイト)(鍛えられる筋肉:下腿三頭筋)
ルーマニアンデッドリフト(外部サイト)(鍛えられる筋肉:大殿筋・ハムストリングス・脊柱起立筋)
・レッグアブダクション(鍛えられる筋肉:中殿筋)

1週間のスケジュールは以下のとおりだ。
■初心者向けのトレーニングスケジュール
1日目:上半身
2日目:下半身
3日目:休養
4日目:上半身
5日目:下半身
6日目:休養
7日目:休養
■中級者
中級者の場合、セット数を増やしたり種目を増やしたりして負荷を上げよう。先ほどのメニューを2〜3セット行うのもいいだろうし、違う種目を増やすのもいいだろう。

2セット以上行う場合、同じ種目を続けて行うのではなく、すべての種目を1セット行ってから2セット目に入る。1セット3分のトレーニングなら2セットで6分間行うことになり、より心拍数が高い状態が続いて脂肪燃焼効果も高まる。(なおプッシュアップは、膝をつかないで行えるようになりたい)

もし種目を増やしたい場合はジムに入会し、バーベル・ダンベルやマシンを用いた多様なメニューをこなすといい。もしくは自宅で、ベンチや懸垂スタンド、ダンベルなどの器具をそろえることでメニューを増やせる。

また、メニューを増やしたい場合は、腕・肩、腹・胸・背中、下半身など、3日に分けてもいいだろう。他にも、「押す系の種目」「引く系の種目」などさまざまな分け方がある。中級者以上を目指すなら、自分に合った方法を深く勉強することも重要だ。
■中級者向けの3日に分けた場合のスケジュール
1日目:腕・肩
2日目:下半身
3日目:腹・胸・背中
4日目:休養
5日目:腕・肩
6日目:下半身
7日目:腹・胸・背中


効果的な筋トレをするのに最適な時間帯はある?

筋トレの効果が高まる時間帯はあまりない。どの時間帯に行うのもメリット・デメリットがあり、自分に合った時間に行うのが重要だ。
ここではいくつか考えられるメリット・デメリットを上げるが、あくまで参考としていただき、自分の生活リズムや考え方に合わせてトレーニングを行ってよいと思う。
■朝行うメリット・デメリット
朝に筋トレを行うメリットは、以下の2つだ。

【メリット1 】習慣化しやすい
人間は、眠りから覚めた朝に意志力が高く、1日の疲れが溜まった夜は意志力が低い傾向にある。夜に筋トレをしようとしても、疲労感を理由にサボってしまいがち。朝なら疲労感も少ないため、筋トレも頑張りやすいだろう。

サボらずに続けることで習慣化すれば、筋トレをするのがどんどん楽になる。


【メリット2】血流がよくなり、脳の働きが高まる
朝に筋トレをすることで、全身の血流が活発に。脳の血流もよくなり、頭が冴える。また、ドーパミンという脳内ホルモンが分泌されるため、気持ちもすっきりしモチベーションも高まる。

午前中にあまり頭が回らないという人は、朝に筋トレをすることで、午前中からよりよい状態で仕事に打ち込めるだろう。

一方で、朝に筋トレを行うデメリットもある。

【デメリット】眠気・疲れを感じるのが早い
筋トレをした直後は、血流の改善やドーパミンによっていい気分が続き、どんどん活動できる。だが、昼食を食べ終わったころには、眠気や疲労を感じ始めるだろう。

朝に体力を使う分、体力が減るのも早く、1日の後半に眠気や疲労感が出て活動が鈍りやすい。
■昼行うメリット・デメリット
昼行うメリット・デメリットはそれぞれ1つずつ。

【メリット】午後の活動が冴える
朝に筋トレするメリットとして解説した、血流の増加やドーパミンの分泌により、眠気を感じやすい午後の活動が冴える。そして夜寝る頃に、ちょうどいい疲労感や眠気がきて寝付きもよくなるだろう。

【デメリット】時間の確保が難しい
多くの人によって昼は仕事の時間であり、昼休みは1時間程度だろう。そうなると、筋トレの時間を確保するのは難しい。1時間以内にジムや自宅に移動し、着替えて、筋トレして、シャワーを浴びて、また着替えて、昼食をとって……というのは困難だ。

2〜3時間の自由時間がある人ならいいが、それ以外の人にとって昼の筋トレを習慣化するのは難しい。
■夜行うメリット・デメリット
夜行うメリット・デメリットもそれぞれ1つずつだ。

【メリット】夕食のカロリーが脂肪になりにくい
トレーニング前後にとったカロリーは、筋肉のエネルギーに素早く変えられるため、脂肪にはなりにくい。夜に高カロリーな食事を摂る人が多いかと思うが、そういう人は夜に筋トレをすることで、脂肪化を防ぎやすい。

【デメリット】サボりやすく習慣化が難しい
夜は1日の最後で疲労が溜まっている。疲労を感じている状態で、さらに疲れる筋トレをするのは、なかなか気分がのらないだろう。そのため夜はサボりやすく、習慣化が難しい。

効率よく筋肉をつけたい場合はどうすればよいか

効率よく筋肉をつけるにはこれまで解説してきたように、適切な回数・セット数・インターバル・休養の筋トレに加えて、栄養が不可欠だ。

筋トレをしている人は、体重1kgあたり1日1.5〜2g以上のたんぱく質を摂りたい。体重70kgなら、105g〜140g以上のたんぱく質になる。

鶏むね肉なら500gでおよそ115gのたんぱく質が摂れるが、毎日これだけの肉を食べるのは困難だろう。そこで、プロテインを活用しよう。プロテインにもさまざまな種類があるが、筋肉をつけるには「ホエイプロテイン」が最適だ。

120ccのホエイプロテインで、30g前後のたんぱく質が含まれる。他にも納豆や卵にもたんぱく質が豊富に含まれるので、これらの食品を使ってしっかりたんぱく質を補給しよう。


まとめ

効果的な筋トレの時間を決めるためには、回数・セット数・インターバル・休養を適切に決めなければいけない。

6〜12回で限界がくる回数が最適だ。セット数は初心者なら1セット、中級者以上になったら2セット以上をこなして総負荷量を上げよう。インターバルは、同じ筋肉を連続で鍛える場合は1〜2分、違う筋肉を鍛える場合は不要だ。

筋トレ後48時間前後は、筋合成の高い状態が続くため、2〜3日は同じ筋肉を鍛えてはいけない。違う筋肉を鍛える場合は、連日行っても構わない。月曜日に上半身、火曜日に下半身という形だ。

また、筋トレの効果が高まる時間帯はあまりない。朝は習慣化しやすいが、午後に疲れがきやすい。昼は午後の活動を活性化できるが、時間の確保が難しい。夜は夕食のカロリーが脂肪になりにくいが、疲れているためさぼりやすい。

そして筋肉をつけるためには、体重1kgあたり1日1.5〜2g以上のたんぱく質を摂取したい。プロテインを活用し、卵や肉などの高たんぱくな食事を摂ろう。

自分に最適なやり方をみつけて、筋トレを習慣化してほしい。正しいスケジュールのもと、習慣化できれば筋トレの効果が高まるだろう。
⇒【プロが教える筋トレの基礎知識・コツ】TOPページ

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