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「暮らしの息遣いを表現したい」ミニチュアモデラーが“焼き鮭のり弁当”に施した壮大な仕掛けとは?

“小さなよろこびの循環”ができる商店街を舞台に

――現実では、郊外の大型店に押され、シャッター街になってしまった商店街が多いですが、なぜ、商店街を表現しようと思ったのですか?
しろくまパン一言でいうと、「商店街=小さなよろこびの循環場所」として、設定・制作しました。私が昔よく行っていたお店の話なのですが、ある商店街のお魚屋さんに行くと、お年を召したおばあさんが出てきて、「今日の献立は?」と聞いてくれます。「何か焼き魚用の物を探していて」と答えると、「今日はこれとこれがおすすめですよ」と教えてくれます。
 そして、買うものを決め、おばあさんがお魚を包んでくれていると、奥からおもむろにおじいさんがよっこらしょ、と出てきて、「あと、もうちょっと季節がくると、〇〇がずいぶんとおいしくなるからね。それも焼き魚におすすめだよ。来月ごろから入ると思うよ。」と、プチお魚講座を開いてくれます。
――郊外の大型店ではなかなか見かけないコミュニケーションですね。
しろくまパン品物を包み終わったおばあさんが、「そう言えば今日は、●●屋で大根が安いから、おろし用にみてみるといいかもしれませんよ」と言ってくれます。その心遣いに感謝しつつ、帰りにそのお店に寄り、確かに安い大根を買って、おろしを作ります。
 家人がかえってきたらできたての焼き魚を出しながら、「今日はこのお魚がおすすめだったよ。で、来月は〇〇が焼き魚にぴったりなんだって。」と、おじいさんから仕入れてきた豆知識を披露しつつ、箸をつけます。そして、こんがりと焼きあがった焼き魚を一口食べると、そのおいしさに思わず頬がほころびます。そうすると、家人の方から「これ、おいしいね。来月は〇〇も、ぜひ食べてみたいね」と。
――現代では珍しくなりましたが、昔ながらの光景ですね。
しろくまパンこういった「小さなよろこびの循環」ができるのは、長年たくさんのお家の食卓を支えてきた商店街の方の目利きと経験値、心配りがあってのことだと思います。ですが、「シャッター通り」と言われるくらい商店街が活気をなくしている昨今、このシーンをリアルに体験できることはなかなか少なくなったように感じます。なので、この言葉にはなかなかしがたい温かさをなんとかミニチュアで表現したく、今回「星が丘駅前商店街」を作りました。
――素敵な思いが詰まっているんですね。この「星が丘市」のミニチュア作品は最終的にはどのような形になるのでしょうか?
しろくまパン「1つの町そのものをミニチュアで再現し、その暮らしの息遣いを写真で絵本のようにつづる」というところを制作のゴールに据えています。現在作っているお家を完成させたのちは、商店街のお店をどんどん作り、星が丘の町の一部、たとえば川べりや小さな公園であったり、古い図書館の一角であったりなども可能な限り再現していきたいと思っております。なので、今のところの完成度はまだ1割程度、といったところでしょうか。まだまだ先は長いですね(笑)。

――緻密な作業の積み重ねという、長い道のりを乗り切れるモチベーションは?
しろくまパン作品を見て、少しでもわくわくしたり、たのしい気持ちになっていただければ、これ以上うれしいことはないな、と思っております。特に、昨今のコロナ禍で暗いニュースが多く、気づかないうちに気持ちがどんよりしてしまうことがあるので、そういった時にこの作品たちがいくばくかでも気持ちをなごませる一助となれればと思っています。

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