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【プラモデル】戦艦、航空機、戦車など“神作”まとめ

プラモの世界観を“拡張する”フィギュアの重要性「ザクも戦車も、フィギュアを足すことで“物語”が生まれる」

 1958年に国産プラモデルが誕生してから60余年。今なお多くの模型ファンの心を掴み続けている。今回紹介するモデラーは、1917年に起きた「ロシア革命」の戦場をイメージした作品『革命時代』を制作した大塩氏(@0040shio)。スケールモデルにおけるフィギュアの重要性と、“物語を生み出す”その効用を聞いた。

“表現したい物語”に合わせて、いちからフィギュアを作るのが醍醐味

――スケールモデル作品を制作するうえで「フィギュア」の重要性に気づいたタイミングは?

【大塩】フィギュアの重要性に気が付いたのは、自分の作ったジオラマを家族や友人に見せはじめてからです。戦車などのスケールモデルに興味を示さなかった人が、フィギュアを加える事でそこにさまざまな物語を見出し、興味を示してくれることが嬉しくなりました。

――なるほど、当初はあまりフィギュアを重視していなかったんですね。

【大塩】もともと1/800の「城郭模型」を作っていた事もあり、フィギュアはあまり重視していなかったように思います。1/35の「戦車模型」を作り始めてからはフィギュアを重視するようになりました。1/35くらいのサイズだと、フィギュアで“芝居”ができるようになるんですよね。

――スケールモデルにおいて、芝居や物語の演出を加えるようになったと。

【大塩】はい。既存のフィギュアありきでジオラマを作るのではなく、作りたいジオラマやそこで“表現したい物語”にフィギュアを合わせるという事にはこだわりを持っています。魅力的なジオラマには物語の要素が大切であると考えているので、求めているフィギュアが無ければいちから制作しています。

――フィギュア制作を突き詰めていくうえで、どんな苦労がありましたか?

【大塩】構想に合致するフィギュアを探し、なければ改造する。あるいはいちから塑像するという思い切りが一番の難関だと思います。

――フィギュア制作において、自身の成長を感じたターニングポイントトなった作品を教えてください。

【大塩】最も成長を感じたのは、「ロシア革命」での戦闘をイメージして制作した『革命時代』という作品で、主要なフィギュアをいちから制作しました。というのも作品の舞台は1920年代のロシア。マイナーなこの時代のフィギュアは既存の製品がなく、自分で作るしかなく苦労しました。

見た人の想像力を刺激するフィギュアをいちから造形したい

――フィギュア制作で参考にしている資料や作品、雑誌などがあれば教えてください。

【大塩】参考にしているのはモデラー・吉岡和哉さんのジオラマ制作マニュアル本『ダイオラマパーフェクション』、片桐裕司さんの人体造形・彫刻のテクニックブック『アナトミー・スカルプティング』です。

――その資料が、模型制作にどんな影響を与えていますか?

【大塩】『ダイオラマパーフェクション』からは1/35フィギュアに関する基本を学べました。『アナトミー・スカルプティング』からは骨格の基本的な構造に関して影響を受けています。

――フィギュアでオリジナリティを出すことは可能なのでしょうか。

【大塩】もちろんフィギュアでオリジナリティを出すことは可能です。既製品のフィギュアだとしても配置や塗装、周囲に置く小物や構造物によってさまざまな表現ができます。例えば無精ひげや傷を塗装で表現できれば、厳しい戦いに身を置く兵士を表現できます。つまりフィギュアによって制作者だけの物語を表現することができます。

――フィギュア制作において、大塩さんの代表作を教えてください。

【大塩】試行錯誤の日々ですし、まだまだ拙い作品ばかりなので自信をもって代表作と言うのは憚られますが、ザクのジオラマに登場する兵士と現地住民が交流している様子はフィギュアでうまく形に出来たのではないかなと思います。

――本作品で苦労した部分は?

【大塩】もう少しザクと兵士を絡ませてあげたかったですね。普段は戦車のジオラマを制作しているので、ザクと人間との感覚をうまく掴めず、扱いにとても悩みました。

――今後、どんなフィギュアを制作することが理想ですか?

【大塩】私はジオラマに登場するフィギュアを通じて物語を表現する事に魅力を感じ、今まで制作してきました。なので、物語を表現できるような魅力的なフィギュアを作り、ジオラマに登場させる事が今後の目標です。また、フィギュアで表現する物語を通して、多くの人にジオラマに関心を持ってもらえると嬉しいですね。

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