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(更新: ORICON NEWS

【1/700 スケールモデル】これがプラモ?旧日本海軍航空戦艦「伊勢」を超絶技巧で再現、目指すは“創造の限界突破”

 老若男女、そして国籍を問わず愛され続ける「プラモデル」。1958年12月に産声をあげた国産プラモデルの歴史は60周年を迎えたが、黎明期から現在に至るまで、その歴史を支えてきたのは軍艦・航空機・戦車などの『スケールモデル』(※縮尺に基づいて忠実に再現した模型)である。今回、1/700 スケールモデルを卓越した技巧と想像力で再現するトップモデラー・R工廠氏にインタビューを実施。スケールモデルを極めんとするため、あえて“険しい道”を選ぶという同氏に、プラモデル製作への想いを聞いた。

現存しない艦を当時の「資料」と「創造力」のみで再現

――スケールモデルに目覚めたきっかけを教えてください。

R工廠小学生のころから祖父の影響で日本海軍に興味を持ち、プラモデルでニチモ30センチシリーズの「戦艦大和」を作ってお風呂で遊んでいたのがきっかけです。

――スケールモデルの浪漫とは一体何でしょうか?

R工廠基本、私は日本海軍の艦艇しか製作しません。艦艇模型でいえば現存しない艦を当時の「資料」と「創造力」のみで再現させることでしょうか。

――R工廠さんは1/700スケールをメインに製作されているとのことですが、その魅力とは?

R工廠まず各種艦艇のキットがほぼ揃っていること。そして、大和のような大型艦でも全長30センチ程度に収まるため、数を揃えてコレクションできる点だと思います。近年、『艦これ(艦隊これくしょん)』ブームのおかげで超マイナーだった艦もキット化されたり、汎用エッチングパーツなどのアフターパーツが充実し、今まで以上に細部まで精密に再現できるようになったことも魅力です。

――ちなみに、1/700スケールで最初に製作した艦艇は何でしょうか。

R工廠高校進学と同時にプラモデルは辞めていました。約9年前に転勤のない現在の会社に転職したのをきっかけに再開し、現在に至ります。子どものころに初めて製作したのはニチモ30センチシリーズの大和だったと思います。復帰第一号は航空母艦「龍驤」です。理由としては、小型の航空母艦である「龍驤」の飛行甲板が、使用してみたかったアフターパーツのエッチングパーツで製品化されていたからです。

――では、これまで製作した中で一番気に入っている作品は?

R工廠一番気に入っている作品というのは難しいですね。というのも、それぞれ“1艦入魂”で製作しているので、どの作品にも思い入れがあるためです。強いてあげるなら、最近『月刊モデルグラフィックス』(大日本絵画/2019年4月号)に掲載された日本海軍の重巡洋艦「青葉」でしょうか。この作品は映画『この世界の片隅に』の片渕監督監修で、劇中に登場する青葉の大破着底直前を再現したものです。難しい技を考案・駆使して再現しました。

プラモ製作の分岐点では、“なるべく苦労する道”を選ぶ

――4月24日、R工廠さんが製作した作品を集めた艦艇模型集『R工廠 超巧造艦ワークス』が発売されますが、どんな魅力が詰まった本なのでしょうか。

R工廠今月発売する単行本は、艦艇模型専門誌『ネイビーヤード』、総合模型雑誌『月刊モデルグラフィックス』に掲載された、1/700「島風」、1/700「秋津洲」、1/700「青葉」など、直近に製作した4隻に絞って紹介しています。できる限り艦艇の細部まで拡大し詳細が確認できるようにしたのと、各艦艇の製作工程を今まで以上に細かく解説しています。
――写真を見ても分かる通り圧巻のクオリティですが、艦艇を製作するなかでカタルシスを感じる瞬間はどのタイミングですか?

R工廠難しい質問ですね(苦笑)。強いてあげれば、各作品を製作してる最中に「こうしたらカッコよくなるかも?」と思いつき、それを試し、試行錯誤の結果に想像通り、もしくはそれ以上の効果が出たときのうれしさと快感は何とも言えないものがあります。

――“創造の限界突破”はモデラー冥利に尽きる瞬間ということですね。こうした技術を身につけることができた、自身の長所を教えてください。

R工廠コツコツ、ダラダラと細かい作業を積み上げていく地道な工程が苦にならない点でしょうか(笑)。良い作品というものは簡単には造れないと思っているので、製作時に簡単に済ますか、それともより手を入れるか? この分岐点に差し掛かった時はなるべく苦労する方を選ぶようにしています。

――“簡単な道を選ばない”のが、モデラー・R工廠さんの真骨頂なんですね。

R工廠はい。技術は試行錯誤していくうちに自然と身についてきたことが多いです。個人的には、技術ももちろん大切ですが、模型の作り方に対してのアプローチの方法や考え方の方が大事なような気がします。それが各モデラーさんの“作風”に表れるような気が最近はしています。

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