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“バズる”ガンプラとは？ ヒロイックなガンダム・バルバトスに賞賛の声、人気モデラーが明かす秘訣
アニメ観て印象が激変「細身な印象が屈強で野性的な印象に変わり大興奮」
purasアニメ『鉄血のオルフェンズ』を観ていた時、相手を圧倒する悪魔的なバルバトスの姿を見て「ヒロイックな印象もバルバトスに似合うのではないか？」と思ったことがきっかけでした。同機は、アニメ放映の前後で印象が大きく変わった機体でした。シリンダーが大胆に露出した腰など、内部フレームが分かりやすく見えている機体ですので、アニメ放映前は細身な印象を持っておりましたが、アニメ第1話にて地中から力強く登場するバルバトスを見て屈強で野性的な印象に変わったと共に、あまりのカッコよさに大興奮したことを今でも覚えております。
――いい意味で印象が変わったのですね。お話のなかで「ヒロイックな印象も似合う」とおっしゃっていましたが、どのような方向性で制作されたんですか？
purasバルバトスの拡張パーツを使用し、塗装とシルエット調整はなるべく手間をかけない仕上げを意識して制作しようと考えておりました。配色は青・白・黄のトリコロールを意識し、元の印象より落ち着いた雰囲気に出来たかなと思っております。
――実際に制作をしてみて、特にこだわったところ、苦労したところは？
puras一番のこだわりはVアンテナの形状です。私自身まだまだパーツを原形から加工することに慣れておらず、不安ながらも思い切ってカットし形にしました。Vアンテナ以外の胸部、フロントスカート、膝の黄色パーツはガンメタ色にして重量感を強調しております。薄くウェザリングもしているのですが、汚しが目立ちすぎない様、自然な雰囲気で仕上げることが特に時間が掛かり苦労した点となります。
――制作時にイメージした、本機の背景にある物語を教えてください。
puras最終決戦を終え、次なる改修を迎えるバルバトスをアニメ主人公「三日月」以外の青年がわけ合って操縦することとなったが、機体のシルエットで恐れられることを懸念し自分だけで頑張って見た目を変えた。拡張装備もまだ戦闘で運用できそうなパーツをとりあえず付けた、というイメージしました。周りの視線を懸念している割には拡張装備モリモリとなっております（笑）。
SNSでバズる秘訣「作品のディティールだけではなく、撮影にこだわりを」
puras氏作品
制作・画像提供／puras氏 （C）創通・サンライズpuras氏作品
制作・画像提供／puras氏 （C）創通・サンライズpuras氏作品
制作・画像提供／puras氏 （C）創通・サンライズ
puras私が制作したこの作品や、撮影した写真に対してお褒めの言葉を頂き、ガンプラはこんなにもたくさんの人を魅了するコンテンツなんだと改めて感じました。と同時に、私のプラモデル制作の大きな励みにもなりました。SNSにて「獣や悪魔みたいな荒々しさが薄くなり、騎士みたいな正統派の雰囲気になった」とコメントをしてくれた方がいて、私の表現したかったことに気付いてくれたとうれしくなりました。
――本作をはじめpurasさんの作品は、SNSでたびたびバズっています。圧倒的クオリティが根底にあると思うのですが、それ以外にどんなことがあるとご自身で分析されていますか？
purasそうですね、撮影での立体表現かなと、感じております。素組みした作品の撮影写真に対しても、うれしいことにたくさんの反応を頂くことがあります。それは撮影した写真の仕上がりも要因の一つだと私は思っております。ガンプラという被写体に陰影を大胆に付け、写真でありながらも立体感を感じられる作品になるような撮影技法を勉強してきましたので、それが日々評価頂けていることを大変うれしく思っております。
――以前取材させていただいた際、「ガンプラをどれだけカッコよく、劇中のような活き活きした雰囲気をどれだけ表現できるか、という思いで日々技術を勉強して、この作風となりました」とおっしゃっていました。あれから数ヶ月が経過していますが、ご自身の作品のいいところ、まだまだだと思うところはどんなところでしょうか？
purasそうですね、いいと思っているところはライティングですね。こだわりを持って日々撮影をしております。陰影は実際にガンダムのアニメを参考にしており、「どのようにハイライトがあたって陰影が付いているのか」という視点で勉強も含めて鑑賞しております。ガンダムシリーズによって陰影の付き方に特徴があって面白いんですよ（笑）。逆に、課題は簡単フィニッシュが故に細部の仕上げがまだまだ甘いこと、だと思っております。「簡単」からかけ離れていく仕上げにはなってきますが、制作技術をより向上させてじっくり1つのキットを制作することを目指していきたいと思っております。
――今後はどのようなモデラーになっていきたいと思いますか？
puras今後は制作・撮影技術の向上はもちろん目標としてありますが、SNSや展示会で作品を見て頂ける機会を通じて、ガンプラを楽しむ輪を広げていけるようなモデラーになれればと思っております。