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量産型の“やられメカ”を大胆改修 ランバ・ラル、黒い三連星ら“エース”搭乗で歴史が変わる? 「全てはガンダムを倒すため」

写真右/ランバ・ラル専用ゾゴック 写真左/HGUCゾゴック・黒い三連星仕様 オルテガ機 制作・画像提供/K1氏 (C)創通・サンライズ

写真左/ランバ・ラル専用ゾゴック 写真右/HGUCゾゴック・黒い三連星仕様 オルテガ機 制作・画像提供/K1氏 (C)創通・サンライズ

 もしあのモビルスーツ(MS)にあのパイロットが搭乗していたら、歴史は変わったかも…。ガンダムに詳しい人ほど、そんな世界線を想像しては盛り上がった経験があるだろう。もちろん、“ガンダム史”に「たられば」はタブーだが、“ガンプラ”は自由。ツイッターフォロワー1.3万人を誇る人気モデラーのK1さん(@K1h0923)は、さまざまなMS、特に“ジオン水泳部”と呼ぶ水陸両用機を、ジオン軍のエース級パイロットの専用機としてカスタム。作品のクオリティーの高さや設定から賞賛を受けている。自身のライフワークにもなっている“専用機”カスタムはどのように生まれたのか?

“水陸両用機愛”の源流は幼少期「水族館に連れて行ってもらった楽しい思い出が影響」

 根っからの「ジオン軍派」を公言するK1さんだが、その作風の源流をたどると、ジオン軍のMSのある特徴に惹かれているようだ。

「ガンダムと敵対するジオンのMSって、“やられメカ”として描かれていて思っていたほど活躍していないんですよ。なので、せめて想像のなかだけでもガンダムを打ち負かすくらいの活躍をして欲しくて。一般機のエースパイロット専用化を進めていくという、今の作風に落ち着きました。ジオンのMS、特に水陸両用機体に搭乗させる『ジオン水泳部』に対しての愛情が強くて、アイデアが突然頭の中に降ってくるんですよ(笑)」

 “ジオン水泳部”への愛情については、「水中という特異な環境での戦闘…まるで海底を強く生き抜く海洋生物を思わせるユニークなデザインに強い魅力を感じています。子どものころ、両親に動物園や水族館に連れて行ってもらった楽しい思い出が影響しているかもしれませんね」と、幼少期の原体験が元となっているほどの筋金入り。ジオン軍のエースパイロット“専用機”にすることで、「打倒ガンダム」への思いをより強くしている。

「ジオンの量産機は打倒連邦軍なのですが、専用機はあくまで打倒ガンダムなんです! そんなガンダムを打ち負かすくらいの力強さや、カッコよさを兼ね備えた夢のMSと思って、いつも制作しています」

考証は細かく、信条は「何よりも自分が楽しむこと」

 そんな同氏の作品を見てみると、『シン・マツナガ専用ズゴック』『ランバ・ラル専用ゾゴック』『高機動型ゴッグ/黒い三連星・マッシュ機』『ゾゴック・黒い三連星仕様 オルテガ機』など、どれも高いクオリティーの作品ばかり。多くのフォロワーたちからの支持を集めている理由はそれだけではなく、そのMSが誕生した背景や、なぜこのパイロットにこのMSだったのか、という設定まで細かくされているから。例えば、『シン・マツナガ専用ズゴック』では、こんな背景をイメージしたという。

「ドズル・ザビが、地上で戦死した弟・ガルマの弔いとしてランバ・ラルに続いて、シン・マツナガを地上に派遣したら、という妄想から発想しました。(ズゴックを選んだ理由は)戦死したガルマを守りきれず、罷免されたシャアが搭乗している機体で地上戦でのラスボス的な機体でもあることから、シャアへの当てつけとして同じ機体にしました」

 また、赤いボディが印象的なゾゴックを“ラルブルー”に塗装した『ランバ・ラル専用ゾゴック』は、『ランバ・ラル専用ズゴック』を作っていた友人モデラーに感化され制作を決意。一方で「ただ、『ズゴックの派生機体で格闘戦に特化したゾゴックのほうがランバ・ラルの性格や戦術に合っているのでは?』と思う気持ちが強くなりました。多くの水陸両用機に見られる大きく鋭い爪や発光、発火系兵器を持たずに格闘戦に特化したシンプルな機体は、“ゲリラ屋”を本分とするラルのスタイルに合っていると思い、制作に至りました」と、ランバ・ラルの人間性や戦術を、自身で解析・考証し、ズゴックではなく、ゾゴックを選ぶなどこだわりを見せている。

 そんな同氏が、モデラーとして大切にしていることは「何より自分自身が楽しむこと」。SNSの発達によって、賛否さまざまな意見が寄せられるようになったが、自分自身の思いを大切にすることを挙げた。

「作品には必ず思いが反映されますので。私は、幼い頃に再放送で観たガンダムの、それまでにないロボットアニメのストーリーに魅了され、自身で登場するモビルスーツを作ってみたいと言う思いにかられました。同時に社会的現象にもなったガンプラブームの影響もあり、すっかりハマりました。その後しばらく置いて、2、3年前から再び作り出すようになり、コロナ禍で一気に加速しました。今は制作している時はもちろんですが、制作に至るまでの過程全てが楽しくて仕方ないんです。ガンプラが『憩い』になっています」

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