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まさか「木彫りのガンプラ?」 アクシズのお土産屋に売ってそう…衝撃の『木ベレイ』爆誕

 『機動戦士Zガンダム』で初めて登場。それまでのモビルスーツ(MS)とはどこか異なる曲線美を備えた独創的なデザインで異彩を放つキュベレイは、ガンプラモデラーのなかでも人気が高く、さまざまなカスタム機が創造されている。モデラーのTake35さん(@takerunomin)が発表した近作も、そんなキュベレイをモチーフに、“木目”を配したオリジナリティあふれるもの。まるで、“アクシズのお土産屋に売っている木工芸品”のような見事な仕上がりとなっている。なぜ、このような方向性のカスタムを施したのか、同氏に話を聞いた。

ベースキットは限定品「木製風にしたので、限定感が台無しになっています(笑)」

――木目を施した“木ベレイ”がSNSで話題となっています。この反響をどのように受け止めていらっしゃいますか?
Take35真面目に自分が「カッコいい」と思って作った作品よりも、ネタ的な作品の方がウケるということにちょっと複雑な心境です(笑)。でも「すごい」とか「木にしかみえない」など、お褒めのコメントが多くいただき、なかには次回作を期待していただけるようなコメントもあり、とてもうれしかったです。こんな期待されることもそうそうないので、「近いうちにまた作りたい」と思えるかもしれません…。

――複雑なモデラー心理ですね。そもそも、なぜこのような仕様のキュベレイを作ろうと思われたのですか?
Take35以前にも、奇抜なものとしてセラミック風とか大理石風とかいろいろな塗装を試したことがあり、漠然と「次は木目だな」と考えていました。木目塗装は塗装法としては確立されているもので、案外有名なもの。ですので、いちモデラーとして一度は取り組んでみたい課題でした。作るからには高級感漂う「木製プラモ」を目標としていました。
 ちなみに、使用したキットは、プレバン限定の『HGUC 1/144 キュベレイMk-II(エルピー・プル専用機)』。すべて木製風にしたので、限定感が台無しになっています(笑)。

――高級感ある「木製プラモ」を目指されたとのことですが、ご自身はキュベレイになにか特別な思い入れがあるのですか? また、MSとしてキュベレイにはどんな印象を抱いていましたか?
Take35キュベレイに特別な思い入れがあるわけではなく、実はキュベレイのキット自体今回が初めての作成でした。ガンプラを嗜む上でキュベレイの存在は、他のキットとは別格感があり、おいそれと手をだして良いキットではないという“畏れ”がありました。そんな別格なキットだからこそ何かしたいという想いで斜め上の仕様にしてしまいました。
 MSとしての印象は、キュベレイ以上に女性型なモビルスーツはないように思います。パイロットのハマーン様の“女王様感”が体現されている素晴らしいデザインだと思います。だからこそ、お尻らへんからビットが射出されるのはちょっと解せません(笑)。

木材をモビルスーツの装甲にするメリットデメリットも想像「最後は悲劇的な結末に」

――ガンダム本編の世界線において、この“木ベレイ”はどのような理由から生まれたと考えられますか? ご自身が制作時にイメージされた物語を教えてください。
Take35木材をMSの装甲に使用することによるメリットは、以下の通りです。

1つ目→[軽量性]木材は一般的に金属よりも軽量です。軽量な装甲は、モビルスーツの運動性や機動性を向上させることが期待できます。
2つ目→[耐衝撃性]木材は柔軟な性質を持っており、衝撃を吸収する能力があります。これにより、木材の装甲がある程度の攻撃を吸収し、パイロットや機体を保護することが期待できます。
3つ目→[熱絶縁性]木材は熱を比較的に良く絶縁する特性があります。宇宙空間では、高温や低温の環境にさらされることがありますので、木材の使用は熱の伝導を防ぎ、パイロットや機体を保護する効果が期待できます。

 一方で、デメリットとして、耐久性や防弾性に圧倒的に弱いため攻撃に当たると即大破という厳しい条件となります。このデメリットを鑑みても、「当たらなければどうということはない」と言う通りニュータイプ専用機として運用すれば、3倍ではなく、10倍は速く動けるピーキーな機体として運用が可能になるのではないかと思います。
 ただし、このMSの最期は、自機が打ったビーム・ガンの威力に耐えきれず自壊という、悲劇的な結末を想像しています。

――それは、切ない最期ですね…。素人質問で恐縮なのですが、“木目”をガンプラに施す際、どのような工程が必要なのでしょうか?
Take35工程は、大きく分けて3段階あります。1つの工程は下地。ラッカー塗料で木目のベースとなる木の色を全体に塗装します。好みの木の色をイメージしていただくので良いですが、薄茶っぽい色がおすすめかと思います。2つ目の工程は、木目塗装です。こちらでは私はウェザリングカラーのステインブラウンを使用しました。筆でひたすら木目っぽくなるように線を引いていきます。3つ目の工程は、重厚感を出すためのクリアーを吹くのですが、私は高級感を出したくてクリアーオレンジを吹きました。ただのクリアーを吹くとニスを塗っていない木っぽくなると思います。結構簡単なので、やってみるとすぐできると思います。

――なるほど。意外と簡単にできるのですね。本作においてTake35さんがこだわったところはどんなところですか?
Take352点あり、1点目は全体をくまなく木目塗装すること。実は隠れて見えないところまで丁寧にやっています(笑)。2点目は、パーツによって木目の濃淡、木目の流れを変えることです。これをやることで全体に奥行きが出ます。

――細かなところまでこだわっているんですね。本作も含め、ご自身がガンプラを作る上で大切にしている信条を教えてください。
Take35私にとって、ガンプラ制作は、誇れる趣味です。なので、時間や誰かの意思などにあまり制約を受けないようにしています。誰かのために作るのではなく、自分のためだけに作って、飾って、眺めて、満足して完結。これで十分。なので、模型サークルとか、コンペとかはほぼ無縁ですね、スケジュールに追われるのは仕事だけで十分です…。

――もともとご自身の満足のために制作した作品が、SNSを介して、多くの方々とつながるツールになっているのですから、より素晴らしいですね。それでは最後に、モデラーとしてのご自身の今後の目標を教えてください。
Take35積みプラをなくすことです。積みプラは、すべからく全て作りたいお気に入りのキットなので、これらを完成度高く全て作りきることですね。

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