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クレアチンの効果、飲み方、飲むタイミング【プロが教えるアミノ酸】

クレアチンの効果、飲み方、飲むタイミング【プロが教えるアミノ酸】

著者・監修者プロフィール

林本直
元アスレティックトレーナー|サプリメントインストラクター保有
了徳寺大学健康科学部卒 元日本体育協会公認アスレティックトレーナー&NSCA-CSCS。大学日本代表選手(ゴルフ、ビーチバレー)のトレーニングコーチや、ラグビーチームのトレーナーを経験。現在はサプリメントインストラクターを取得し、ライターをしながらオンラインでボディメイクを指導している。

・ブログ
https://www.bodymake-writer-nao.site/(外部サイト)

・Twitter
https://twitter.com/bodymake_writer(外部サイト)
トレーニングを行う多くの人におすすめしたいサプリメントがクレアチンだ。クレアチンは、エネルギー源であるATPを再合成するために必要な成分。筋力向上や高強度運動の持久力の向上など、さまざまな作用が実験で報告されている。

この記事では、サプリメントインストラクターがクレアチンの働きを解説し、実験で報告されている効果を紹介する。そしておすすめの飲み方や、サプリメントの選び方も解説する。

高強度の運動・トレーニングを行う人は、ぜひ日々のサプリメンテーションにクレアチンを取り入れていただきたい。

クレアチンとは

クレアチンの大半は筋肉内に貯蔵されており、エネルギーの再合成を助ける。筋肥大・筋力向上・持久力の向上・回復促進などの作用が報告されている。

人間のエネルギー源はATP(アデノシン三リン酸)だ。ATPには3つのリン酸がついており、1つのリン酸が外れてADP(アデノシン二リン酸)になる時、エネルギーが発生する。エネルギー源であるATPを作る経路は大きく分けて3つある。

1つ目は、クレアチンとリン酸からATPを再合成するATP-CP系だ。ATP-CP系は最も早いものの、長時間は続かないため、数秒程度の高強度運動に最も働く。
2つ目は糖質からATPを作る解糖系
3つ目は主に脂質からATPを作る有酸素系だ。

ATP合成の速度は

有酸素系 < 解糖系 < ATP-CP系

逆にATPを長時間供給してくれるのは

ATP-CP系 < 解糖系 < 有酸素系

の順である。

ATP-CP系が働く時、クレアチンの働きが重要だ。ADPが再合成してATPになる時、クレアチンが働く。1つのリン酸がクレアチンと結合してクレアチンリン酸になり、クレアチンリン酸がADPと結合することでATPに再合成される。

リン酸は体内で大量に合成されるため、サプリメントを用いて体内のクレアチンレベルを高めよう。クレアチンは体内で合成できる上に、赤身肉などの多く含まれているため、通常の食生活で不足することはまずない。

ただ、高強度運動を行う人は消費量が多いため、サプリメントからの摂取をおすすめする。体内のクレアチンレベルを高めることで、ATP-CP系によって再合成されるATPが増えるなど、さまざまな作用があると実験で報告されているのだ。

クレアチンの効果

トレーニング時のクレアチンの摂取によって、実験で報告されている作用は除脂肪体重の増加や筋力向上、持久力の向上や回復の促進だ。

■除脂肪体重の増加
筋肥大と体内水分量の増加により、除脂肪体重の増加が報告されている。31名のトレーニーを対象にした実験を紹介しよう。*1
31名を「プロテインのみ摂取するグループ」「プロテインと炭水化物を摂取するグループ」「プロテインと炭水化物とクレアチンを摂取するグループ」の3つに分けて10週間のトレーニングを行った。

除脂肪体重は、

「プロテインのみ摂取するグループ」が 平均4.9kg増加
「プロテインと炭水化物を摂取するグループ」が 平均4.1kg増加
「プロテインと炭水化物とクレアチンを摂取するグループ」が平均 6.9kg増加

という結果となった。
筋肥大や除脂肪体重の増加のためには、トレーニングの上でプロテインと炭水化物の摂取が重要。その上でクレアチンを摂れば、さらに効果を高められるだろう。

■筋力向上
筋力向上も先ほどの実験で報告されている。
ベンチプレスの挙上重量が

「プロテインのみ摂取するグループ」が 平均11.3kg増加
「プロテインと炭水化物を摂取するグループ」が 平均9.0kg増加
「プロテインと炭水化物とクレアチンを摂取するグループ」が 平均22.4kg増加*1

という結果となった。
筋肥大によって、筋力も向上すると考えられる。また、次に解説する持久力の向上と回復の促進によるトレーニング量の増加によって、さらに筋肥大や筋力向上作用を得やすくなるだろう。

■持久力の向上
クレアチンの体内レベルを高めておくことで、ATP-CP系によるATPの再合成が活性化する。ATP-CP系で供給されるATPが増えるということは、高強度運動の持久力が高まるのだ。

実際にベンチプレスで8回しか上がらなかった重量が、クレアチン摂取によって10回上がるようになったなどの体感を得る人は多い。筆者も長年摂取しているが、トレーニング時や激しい運動時の持久力が高まったように体感している。

■回復促進
クレアチン摂取により、トレーニング後の回復も早まると報告されている。

14人の男性を「炭水化物のみ摂取するグループ」と「炭水化物とクレアチンを摂取するグループ」に分けた実験では、「炭水化物とクレアチンを摂取するグループ」の方が、トレーニング後の筋力回復が早かった。*2

クレアチン摂取によってトレーニング時の持久力が向上して回復も早まるため、トレーニング量が増加させられる。さらに除脂肪体重と筋力向上が狙えるだろう。


クレアチンの飲み方

クレアチンのサプリメントは粉末やタブレットなどがある。
粉末タイプでもあまり味はしないため、とても飲みやすい。粉末が苦手な人はタブレットを選ぶといいだろう。

また、クレアチンは細胞外の水分を細胞内に引き込む作用がある。よって、クレアチン摂取時はいつもより水分を多めに摂ろう。水分が不足すると、肉離れや筋痙攣(筋肉がつる)のリスクが高まる。



クレアチンの摂取量

クレアチンを摂取して、体内のクレアチンレベルを高めることをクレアチンローディングと呼ぶ。トレーニングをしない人なら毎日3gずつ摂取することで、28日後に体内のクレアチンレベルが最大になると報告されている。*3

トレーニングをする人は、クレアチンの消費量も多いので、多めに毎日5g〜8g摂取するといいだろう。

少しでも早く体内のクレアチンレベルを最大にしたい人は、最初の1週間は1日5g×4回=20gを摂取し、その後は毎日5gを摂取する方法がおすすめだ。*3

クレアチンレベルが低いうちは多く吸収されるが、クレアチンレベルが高まると、必要以上に摂取しても排出されてしまう。

クレアチンを飲む最適なタイミング

消化吸収が活発な食後と、クレアチンを消費するトレーニング中〜後がおすすめだ。
毎食後とトレーニング中〜後に1g〜2gほど摂取すれば、1日の合計が4g〜8gほどになる。

クレアチンの選び方

クレアチンにはさまざまな種類があるが、おすすめはモノハイドレードだ。
他にもさまざまな種類があるが、市販されているものの大半はモノハイドレートであり、他の種類の方が効果が高いというエビデンスはない。
クレアチン・モノハイドレートを選択すれば間違いないだろう。

また、予算に余裕がある人は、HMBと一緒に摂取するといい。HMBとクレアチンを一緒に摂取することで、除脂肪体重も筋力も向上したと報告されている。*4

まとめ

クレアチンは、ATP-CP系によるATPの再合成に必要だ。クレアチンの体内レベルが高まると、ATP-CP系によって供給されるATPが増えるため、高強度運動時の持久力が高まる。

他にも、除脂肪体重の増加や筋力向上、トレーニング後の回復促進などの効果が実験によって報告されている。

クレアチンを選ぶ時はモノハイドレートを選ぼう。粉末やタブレットが売られており、飲みやすい方で構わない。クレアチンは細胞内に水分を引き込む作用があるので、多めに水分を摂るのを忘れないようにしよう。

普通の人が毎日3gずつ摂取することで、28日後には体内のクレアチンレベルが最大になったと報告されている。トレーニングを行う人は、消費量も増えるので、1日5gなど多めに摂取しよう。

HMBを一緒に摂取すると、さらに効果が高まると報告されているので、予算に余裕がある人は検討してほしい。

高強度の運動・トレーニングを行う人は日々のサプリメンテーションに、ぜひクレアチンを
加えていただきたい。
【参考文献】
・サプリメントA to C ー 山本義徳 業績集
*1)(外部サイト)A creatine-protein-carbohydrate supplement enhances responses to resistance training ー Med Sci Sports Exerc. 2007 Nov;39(11):1960-8. doi:10.1249/mss.0b013e31814fb52a.(外部サイト)
*2)Creatine supplementation enhances muscle force recovery after eccentrically-induced muscle damage in healthy individuals ー J Int Soc Sports Nutr. 2009 Jun 2;6:13. doi: 10.1186/1550-2783-6-13.(外部サイト)
*3)(外部サイト)Muscle creatine loading in men J Appl Physiol (1985). 1996 Jul;81(1):232-7. doi: 10.1152/jappl.1996.81.1.232.(外部サイト)
*4)(外部サイト)Creatine and beta-hydroxy-beta-methylbutyrate (HMB) additively increase lean body mass and muscle strength during a weight-training program Nutrition.2001JulAug;17(78):55866.(外部サイト)
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