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話題の“冷凍ギョーザ”、昭和の東京五輪から半世紀紡いだ進化の証「50年間積み上げてきたものが間違っていなかった」
時代に合わせて“永久改良”、「50年間積み上げてきたものが間違っていなかった」
「我々は“永久改良”という言葉をモットーに、商品開発に取り組んでいます。たとえば、老舗の味は100年変わらない良さがあるのかもしれません。ですが調理加工冷凍食品のギョーザは、味や焼き方を含め、時代に合わせて常にベストなものを追い求め、どんどん改良していく。それを今回、こういう形で評価していただけたのは、我々が50年間積み上げてきたものが間違っていなかったと自信になりました」
一部報道では、「五輪のスポンサー企業だから選手が褒めたのでは」といううがった意見も見られた。
「選手村に食品を提供できるのは、協賛メーカーだからということはありませんが、純粋に海外からの選手がおいしいと評価してくださってはじめて、こうした形になったのだと思っています。さらに言うと、選手に提供されるギョーザは調理されたもので、パッケージは付いていません。そのため、どこのギョーザなのか、選手にはわからないんですよね。動画や写真を見て『これは味の素のギョーザでは?』と気づいてくださったから、ここまで反響をいただけたのだと思います。もちろん、選手たちが食べたギョーザと、一般に流通しているギョーザはまったく同じ商品なので、ぜひ皆さんにもこれを機会に味わっていただきたいです」
今回選手が食べたギョーザは、日本で販売されている商品だったが、北米やヨーロッパでも冷凍ギョーザは販売されているという。
「それぞれの国や地域ならではの食文化がありますので、海外で販売している商品は、その地域向けの味です。今回の反響を考えれば、もしかしたら国内で製造されている“日本の味”のギョーザが、よりおいしいと思ってもらえることもあるかもしれません。今後、いろいろな可能性が見えてくると思います」
開催が危惧される中で行われた東京五輪だったが、日本勢の活躍もあり、大きな注目を集める結果となった。そんな中でも冷凍ギョーザの大活躍は、国民をほっこりさせつつ、日本の食文化が世界に認められたと誇らしい気分にもさせてくれた。
「選手たちが満足してくださることが一番ですが、そのうえこうして大きな反響をいただけたことは、とてもありがたかったです。今後もより満足していただける商品を提供できるように、努めていきたいと思います」
(文:磯部正和)