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ORICON NEWS
「なんであの人が適応障害?」深田恭子の報道で注目、経験者が明かす「生きることを諦める前に」すべきこと
報道後にアクセス増加、適応障害経験者が警鐘「発信源はしっかり見極めるべき」
乃樹愛さん やっぱり特殊な世界なのでストレスはあるのかなとは思います。でも、ストレスを感じやすいということは悪いことではないんですよね。繊細な人は、感受性が豊かな人。人の気持ちに寄り添い過ぎてしまう人は決して悪い人ではないんです。世の中はいろんな人がいるから成り立つものなので。
――有名人、著名人が病気を公表することで、多くの人がその病気について知ることになるのは悪いことではないですよね。
乃樹愛さん そうですね。私もブログをやっているのですが、適応障害関連の記事のアクセスは、この報道があったことで顕著に増えています。SNSでも、適応障害について書かれている人が増えていますよね。でも一方で、情報が増えると、なかには間違ったものも出てくるので、発信源はしっかりと見極めた方がいいと思います。私は実際に適応障害の元患者なので、自分の経験、本やカウンセリングで得た知識を発信しています。
――乃樹愛さんはもともと、大手の教育系の会社へ就職後に適応障害を発症したそうですね。
乃樹愛さん はい。入社後すぐ、会社のシステムが自分に合っていないなと感じました。様子がおかしいなと思ったのは、電車の中で過呼吸になってしまい通勤ができなかったとき。これは普通じゃないぞって思いました。
「社会に適応できない自分を認めたくない」、葛藤で受診が遅れる人も
乃樹愛さん 私は比較的早めに受診できましたが、そうでない人も多いと聞きます。やっぱり「環境に慣れていないだけかも」とか「自分は社会人として甘えているのか」とか、「社会に適応できない自分を認めたくない」という思いとか。つい、結局もう少し頑張ってみようって思ってしまうんだと思います。
――適応障害に陥りやすい性格というのはあるのでしょうか?
乃樹愛さん それはないと思います。誰でもストレスは感じるし、どんな人にも症状が出る危険性がある。例えば、合わない上司とずっと一緒に仕事をしなければならないという緊張感がずっと続くと、最初は緊張に抗おうと頑張るのですが、ずっとは続かない。だんだん体に支障をきたしてくるのです。早く気づければいいですが、ギリギリまで我慢すると、症状がどんどん悪化してしまいます。
――コロナ禍というのも、大きなストレス要因になりますか?
乃樹愛さん そうですね。コロナ禍で適応障害と診断される方も増えていると聞きます。以前は対面で人と話すことで、ストレスを発散したり、悩みを共有したりすることができたのですが、コロナ禍で人と接する機会が遮断されてしまった。気持ちを溜め込みやすい人には、つらい状況だと思います。
――「おかしいな」と感じたら、どうすればいいのでしょうか?
乃樹愛さん とにかく専門の病院に相談してください。心療内科や精神科には行きづらいと感じる人が多いかもしれませんが、なんでもなければそれでいい。普通、体調が悪くなれば病院にいくと思うのですが、心の病気って自分でなんとかできるって思いがちなんですよね。でも、心だって病気になります。しっかり受診して、専門家やカウンセラーに相談してください。話を聞いてもらうだけで認知の仕方が変わったり、悪い状況をプラスに感じられるようにしてもらえることもあるんです。