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“希少”じゃないことに価値がある… 配布開始から55年、永谷園「名画カード」に込めた想い

 1952年の誕生以来、高度経済成長期から現代まで日本の食卓に彩りを添えてきた永谷園のお茶漬け。このパッケージを開けると入っている「東西名画選カード」は、1965年から配布を開始され、途中、配布を中断していた時期もあるが、配布開始から55年を迎えた。一般的にこれだけの歴史を持つカードは、その希少性から高値で取引されるコレクションの対象となるが、この「東西名画選カード」は現存数が多いこともあって、そこまで高騰していない。そこには、永谷園の「文化継承」への確かな思いがあった。

検印紙の有効活用が「名画カード」の始まり

  • 永谷園ホールディングス 広報部長 小川美朋氏

    永谷園ホールディングス 広報部長 小川美朋氏

 現在、永谷園のお茶づけ主要商品の中に入っている「東海道五拾三次カード」。歌川広重による浮世絵木版画を印刷したもので、全55種類のうち、いずれか1枚が入っているという趣向だ。この企画は1965年にスタート。きっかけは、今もロングヒットを続ける永谷園の看板商品「お茶づけ海苔」に封入する「検印紙」の有効利用だった。

「当時は手作業で検査を行っていたのですが、確認を終えた商品に入れる検印紙の裏が真っ白だったので、何かお客様に楽しんでいただけるような利用ができないかと考えたのが始まりでした。せっかく入れるのであれば、『お茶づけ海苔』のイメージに合った和のもので、みなさまに日本文化に興味をもってもらう一助になるようなものをという思いだったと聞いています」(永谷園ホールディングス 広報部長 小川美朋氏/以下同)
 永谷園のお茶づけといえば、歌舞伎の定式幕と高札、江戸文字をモチーフにしたパッケージで知られているが、そのイメージ通り、「お茶づけ海苔」の発売当初の名前は「江戸風味お茶づけ海苔」。開発者の永谷嘉男氏が、江戸時代に煎茶の製法を発明し、その普及に大きな功績を残したといわれる永谷宗円の子孫だったことから、同社には江戸文化を大切に継承したいという思いがあったのだ。

 当時、商品に封入されたカードは大変人気となり、その後「喜多川歌麿」「東洲斎写楽」、葛飾北斎の「富嶽三十六景」を追加。次いで「ルノワール」「ゴッホ、ゴーギャン」「マネ、セザンヌ、ドガ、スーラ」の西洋画、写真物の「シルクロード」、日本画の「竹久夢二」、最後の「日本の祭」まで、「東西名画選」と題して、全10シリーズというバリエーションに拡大(各40〜50枚)された。

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