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“希少”じゃないことに価値がある… 配布開始から55年、永谷園「名画カード」に込めた想い

“レアカード”が存在しない理由とは?

 驚くのは、初期はカードの隅に付いている応募券20枚を集めて送ると、全員に希望するカードのフルセットがプレゼントされていたことだ。応募数が増えすぎたために、その後、抽選(応募券15枚)となったのだが、それでも毎週2,400名に当たるという大盤振る舞い。
 こうしたカードには、メーカー側が意図的に封入数を少なくし、希少価値が高い“レアカード”を存在させることでユーザーの購買意欲を高めることが一般的。だが、この「名画カード」は、ある想いから、その手法を取らなかった。

「“レアカード”については、『1枚だけ入れた方がいいんじゃないか』など、いろんな意見があり、いろいろ考え議論しました。ただ、カードのコレクション性よりも、『名画をもっと見てほしい』という思いがあったし、もっと言えば『文化の普及』の一助になれればと。レアカードを入れてしまうと、目的が変わってきちゃいますからね」
 97年に「永谷園のブランド認知も進み、一定の役割を果たしたと判断」し、企画を休止するまで、累計数500万口以上の応募を記録した。
 この人気企画を復活させたのが2016年。休止以来、復活要望の声が多数届いていたことに加え、和食のユネスコ無形文化遺産登録やクールジャパン戦略、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催決定など、国内外で日本文化への注目が高まっていることが引き金となった。

「お客様から復活を望む声を本当に多数いただきました。中には、学校の先生から『東海道五十三次カード』のフルセットを授業で使いたいという声もありました。カードサイズが手ごろでちょうどよかったのかもしれませんね」

 復刻版はその「東海道五十三次」だけに限定された。

「『東西名画選』シリーズの中で一番人気があったこと、そして、日本の観光名所の魅力が詰まっていること、出発点の日本橋と到着地の京都三条大橋を入れて全55枚を集める楽しみが味わえることがポイントでした」
 もちろん、フルセットが当たる抽選も同時に開催。パッケージに付いている応募マーク3枚で1口応募でき、毎月1,000人にプレゼントしている。
 19年ぶりの復活を受けて、ネット上では「懐かしい」「昔集めていた!」など歓声が多数あがったが、かつてのコレクターたちの一部で話題になったのは、復刻版の色合いだ。

「復刻版は、以前と異なり、東京都江戸博物館所蔵の作品を使用させていただいています。版画は摺師の手によって色の違いが生じるので、以前のカードをお持ちの方は、新旧比較していただくのもおもしろいかもしれません」

 ちなみに、名称も「東海道五十三次カード」から「東海道五拾三次カード」に表記を変更。プレゼントのフルセットカードの裏の解説文も現代に合わせて読みやすいようリライトされている(商品に封入されたカードの裏面はフルセットカードの応募方法が記載)。

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