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二の腕痩せを意識した筋トレ(上腕部の裏側を鍛える方法)

二の腕痩せを意識した筋トレ(上腕部の裏側を鍛える方法)

著者・監修者プロフィール

和田 拓巳
プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療サポートの経験も豊富で、ケガの知識を活かしリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・トレーニングに関する講演会などの講師を務めること多数。テレビや雑誌にて出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆・監修を行い、フィットネスに関する情報を発信している。

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これからの暑い時期、Tシャツやノースリーブを着る機会も増えていく。そんな時、気になるのが「二の腕」ではないだろうか。

二の腕がたるんでいると、太っている印象を与えることも多い。かっこいいボディラインを作るには、引き締めておきたい部位の一つだろう。

今回は、二の腕、特に上腕部の裏側を引き締めるためのポイントを紹介していく。

二の腕の痩せには上腕三頭筋への刺激が必要

二の腕痩せを目指すために鍛えたい筋肉が「上腕三頭筋」だ。まずは上腕三頭筋について解説していこう。

上腕三頭筋とは

上腕三頭筋は、二の腕の部分である上腕部の裏側に付着している筋肉だ。名称のとおり、上腕三頭筋には、3つの頭(付着部)がある。
●長頭:上腕三頭筋の中で最も長い “長頭”。肩甲骨から尺骨に付着し、唯一肩関節と肘関節をまたいでいる。

●内側頭:一番深層にある“内側頭”は、上腕骨と尺骨に付着し、肘関節をまたいでいる。

●外側頭:外側に位置している “外側頭” は、内側等同様、肘関節だけをまたいでいる。内側頭と外側頭を合わせて“短頭”と呼ぶ場合もある。
上腕三頭筋は、主に肘を伸ばす動作において働く筋肉だ。重いものを押したり、頭上に荷物を持ち上げる時などに使われる。
スポーツ競技では、格闘技のパンチや野球の投動作など、肘を瞬間的に伸ばす動作の筋力を向上させ、腕の振りを速くしたり、直接競技動作に関係がないサッカーやラグビーなどにおいても、相手選手とのフィジカルコンタクトの強化のために効果的だ。アスリートであれば、上腕三頭筋は鍛えておく必要があるだろう。

二の腕が太る・垂れる原因

二の腕は、ほかの部分に比べて、垂れて見えやすい。実際に脂肪が蓄積しやすい部位でもあるのだ。これには原因がある。

腕の裏側は表側に比べ、日常動作で使われる頻度が多くないうえ、体の中心に近く、動かすことが少ないので脂肪が蓄積しやすい。
また、使ったり動かす機会がないため、日常生活だけでは筋肉がつくこともない。

これが悪循環となり、脂肪が増えていき、太ったり垂れてしまうのだ。

二の腕痩せにはこれ! 自重筋トレ3選

二の腕痩せのために取り組みたい、上腕三頭筋を刺激するエクササイズを紹介する。まずは、自重でできるエクササイズから紹介していこう。

腕立て伏せ(プッシュアップ)

1.腕立て伏せの姿勢になる。この時、手幅は肩幅よりも拳2個分外側に広げて床についておこう。
2.肘を曲げて体を下していく。
3.下せるところまでいったら、肘を伸ばして体を持ち上げ、元の姿勢に戻る。
4.この動作を繰り返し行う。

腕立て伏せは、胸の筋肉を主に鍛えるエクササイズだが、上腕三頭筋も刺激できる。
より上腕三頭筋を刺激したい場合は、床に手をつく幅を狭くした、ナロープッシュアップがおすすめだ。
腕立て伏せ(プッシュアップ)のやり方はこちら →

【バリエーション】ナロープッシュアップ

1.腕立て伏せの姿勢になる。手が三角形を作るように手幅を狭め、床につく。
2.肘を曲げて体を下していく。この時、しっかりと脇を締めたまま肘を曲げていき、胸が手にくっつくくらい下すと効果的。
3.下せるところまでいったら、肘を伸ばして体を持ち上げ、元の姿勢に戻る。
4.この動作を繰り返し行う。
動作中は、体を一直線に保ったまま動作を行うようにしよう。

ナロープッシュアップは、プッシュアップよりも強度が高まるので注意が必要だ。肘を曲げる角度が浅くなり可動域が狭くなってしまうなど動作がしっかりできない場合は、膝をついて行うと、強度が下がる。
体力に合わせて調整してみよう。
ナロープッシュアップのやり方はこちら →

逆腕立て伏せ(リバース・プッシュアップ)

1.イスに座り、両手をお尻の横につき、体を支えよう。
2.手でしっかり体を支えたまま、お尻を浮かせる。足を遠くにつき、肘をまっすぐ伸ばしておく。
3.お尻をイスから外し、肘を曲げて体を下していく。
4.下せるところまでいったら、肘を伸ばし、元の姿勢に戻る。
5.この動作を繰り返し行う。
体を下す時、前ではなく真下に下すこと。前に下ろしてしまうと、上腕三頭筋への刺激が逃げてしまうからだ。肘が深く曲げられない場合は、膝を軽く曲げ、足のつく位置を手前にすると強度が下がる。逆に、動作に慣れてきたら、膝を伸ばし、足を遠くにつくと強度が高まる。

動作は足の力を使わず、上腕三頭筋で押すようにしよう。
リバースプッシュアップのやり方はこちら →

リバースプランク

1.床に脚を伸ばして座り、両手を体の後ろにつく。
2.両手とカカトで体を支えるように、腰を持ち上げ、体を持ち上げていく。頭・肩・腰・膝・カカトが一直線になるところまで持ち上げるとよい。
3.体の一直線を保ったまま10秒間キープする。
このエクササイズは、上腕三頭筋自体の動きはないが、動作中、体を支えるために常に力を発揮している。
ポイントは、正しい姿勢だ。頭からカカトまでの一直線をしっかり保つことで、刺激が入りやすくなる。腰を反り過ぎたり、下がってしまわないように気をつけよう。

上腕三頭筋が楽に感じるようであれば、動作をつけてみるもの良いだろう。
リバースプランクのやり方はこちら →
バリエーション
1.床に脚を伸ばして座り、両手を体の後ろにつく。
2.両手とカカトで体を支えるように、腰を持ち上げる。床から少し腰を持ち上げたところがスタート姿勢になる。
3.スタート姿勢から、腰を持ち上げていき、頭・肩・腰・膝・カカトが一直線になるところまで持ち上げる。
4.体が一直線になるところまで持ち上げたら、ゆっくりと腰を下ろしていき、スタート姿勢に戻る。
5.この動作を繰り返し行う。

腰の上げ下げ動作を加えることで、上腕三頭筋が意識しやすくなり、様々な角度で刺激が入る。体力に合わせて取り入れてみよう。

二の腕痩せにはこれ! ダンベル筋トレ2選

次に、ダンベルを使ったエクササイズを紹介する。ダンベルがなくてもペットボトルなどで代用できる。家でもエクササイズに取り組もう。

フレンチプレス

1.両手で1つのダンベルを持ち、肘を伸ばしたまま両腕を頭上に伸ばす。ダンベルはバーを握らず、プレートの部分を両手で支えるようにすると持ちやすい。
2.肘の位置を固定しつつ、ゆっくりと肘を曲げてダンベルを下ろしていく。
3.下ろせるところまで肘を曲げたら、肘を伸ばしていき元の姿勢に戻る。
4.この動作を繰り返し行う。

動作中は、肘が前後に動かないように注意すること。また、肘が開かないようにも注意しよう。肘が動いてしまう場合は片腕ずつ動作を行い、反対の手で肘を動かないように固定するとやりやすい。
フレンチプレスのやり方はこちら →

キックバック

1.ベンチなどに右手と右膝をのせ、カラダを前傾させた姿勢を作り、左手でダンベルを持つ。
2.左腕を垂らしたところから、肘を持ち上げ、肘を脇腹に固定する。この時、肘が90度になる位置で固定すること。
3.肘の位置を動かさないようにして、曲げた肘を伸ばしていく。
4.伸ばしきったらゆっくりと肘を曲げていき、元の姿勢に戻る。
5.この動作を繰り返し行う。反対側も同様に。

しっかり肘を伸ばし切ることが刺激を入れるポイントだ。ダンベルが重すぎると、肘をしっかり伸ばせず反動などを使って挙げてしまう。反動を使うことで刺激が逃げてしまうので、肘はしっかりと固定し反動を使わずに持ち上げられる重量を使用すること。

二の腕痩せでシルエットをすっきりと!

二の腕は、ボディライン全体を引き締めて見せるためにも重要な部位だ。しかし、かっこよく引き締まった二の腕を作るためにはどうすればよいのだろうか。このパートでは引き締めるための必要なことについていくつか解説する。

1.筋肉量を増やすことで引き締める

引き締まった腕を作るためには、筋トレが欠かせない。筋トレを行うことで筋肉量を増やすことで、メリハリのある上腕三頭筋を作ることができるのだ。

腕を太くしたい男性は、上腕三頭筋を積極的に鍛えることをおすすめしたい。腕を太くするために、力こぶの筋肉である上腕二頭筋を積極的に鍛えている人も多いだろう。だが、実は、上腕二頭筋よりも上腕三頭筋を鍛えたほうが、腕は太くなりやすい。なぜなら、上腕三頭筋は上腕二頭筋よりも筋肉が大きいからだ。そのため、太い腕を作りたい人は、上腕三頭筋を優先的に鍛えると効率よく腕が太くなるのだ。

腕が太くなりたくないという女性にとっても、筋トレは必須である。筋肉がつかないと細くなってもたるんで見えたり、キレイな腕の筋肉の線が出ずに引き締まって見えない。女性は筋肉が太くなりにくいので、太くなる心配はない。積極的に上腕三頭筋のエクササイズに取り組もう。

2.基礎代謝を向上させるために筋トレをする

上腕三頭筋は、体全体から見ても大きい筋肉の部類に入る。そのため、筋肥大させ筋肉量を増やすことで基礎代謝量が向上にも役立つ。

基礎代謝量の向上は、短期的には効果を実感することはないかもしれないが、長期的にみれば、差は徐々に広がってくる。太りにくく痩せやすい体になるのだ。

3.部分痩せはできない

二の腕を細くしようと、二の腕ばかりトレーニングをして、部分痩せを目指している人もいるかもしれない。しかし、部分痩せは難しいということをしっかり頭に入れておいた方がいいだろう。

二の腕についた脂肪だけを減らすのは不可能だ。体全体の脂肪が減ることによって、二の腕の脂肪も減っていく。そのため、二の腕のエクササイズだけを頑張っても効率が悪い。

体全体の脂肪を減らすためには、二の腕以外の筋トレや有酸素運動を取り入れる必要がある。
体全体の体脂肪を減らしながら、二の腕の筋トレで筋肉をつけることで、健康的に引き締まった二の腕を作ることができるのだ。

上腕三頭筋の筋トレ効果を高めるポイント

最後に、上腕三頭筋の筋トレをするにあたって、効果を高めるポイントを紹介していこう。

トレーニング頻度とメニューの組み方

上腕三頭筋のエクササイズは、週1~2回くらいが目安となる。全身の筋トレをしている場合、胸や肩のトレーニングの時にも上腕三頭筋が使われる。そのため、あまり高頻度で行うと疲労が抜けず、オーバーワークになってしまい、ケガのリスクが高まる。

メニューの組み方としては、胸や肩のトレーニングの日に、上腕三頭筋のトレーニングを組み込むのが効率的だ。
【例1】

曜日

筋トレ部位

月:

胸+上腕三頭筋

火:

背中+上腕二頭筋

水:

OFF

木:

肩+上腕三頭筋

金:

下半身+上腕二頭筋

土:

OFF

日:

OFF

【例2】

曜日

筋トレ部位

月:

上半身+上腕三頭筋

火:

下半身+上腕二頭筋

水:

OFF

木:

OFF

金:

上半身+上腕三頭筋

土:

下半身+上腕二頭筋

日:

OFF

また、トレーニングメニューの順番にも気をつけよう。

胸や肩のトレーニングの時に、上腕三頭筋を先に鍛えてしまい上腕三頭筋が疲労していたり筋肉痛の状態であると、胸や肩のエクササイズを高強度で行うことができない。そのため、上腕三頭筋のトレーニングはトレーニングの後半に持ってくるといいだろう。

長頭と短頭のエクササイズを組み合わせる

カッコいい二の腕をつくるなら、上腕三頭筋の3つの付着部に応じたエクササイズをそれぞれ選んで、バランスよく上腕三頭筋を鍛えるようにしよう。
それぞれをターゲットにした場合、

●長頭をターゲット:頭上にダンベルを持ち上げて行うエクササイズ

●内側頭をターゲット:肘を絞って(脇を閉めて)行うエクササイズ

●外側頭をターゲット:肘を開いて(脇を広めて)行うエクササイズ

と覚えておくとわかりやすい。
上腕三頭筋のエクササイズを複数行う場合、どこの部分を鍛えているかにしっかり理解しておくようにしよう。

まとめ

上腕三頭筋は大きいので、鍛えれば太くなりやすく、効果は目に見えやすい。効果が現れやすいので、トレーニングに対するモチベーションも維持しやすいだろう。

逆に、サボってしまえば脂肪がつきやすい部分でもあるため注意が必要だ。
定期的な筋トレを習慣づけ、カッコいい二の腕を作りあげよう!
⇒【プロが教える筋トレの基礎知識・コツ】TOPページ

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