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筋トレの適切な頻度と効果的なトレーニング時間【プロが教える筋トレ】
著者・監修者プロフィール
和田 拓巳
プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療サポートの経験も豊富で、ケガの知識を活かしリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・トレーニングに関する講演会などの講師を務めること多数。テレビや雑誌にて出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆・監修を行い、フィットネスに関する情報を発信している。
Official site:https://wada0129.wixsite.com/takumiwada(外部サイト)
Facebook:https://www.facebook.com/pt.wada(外部サイト)
和田 拓巳
プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療サポートの経験も豊富で、ケガの知識を活かしリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・トレーニングに関する講演会などの講師を務めること多数。テレビや雑誌にて出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆・監修を行い、フィットネスに関する情報を発信している。
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はじめに
今回は、「頻度」と「時間」など、効果が出るためのトレーニング量について解説していこう。
理想的な筋トレの頻度
運動不足解消のためなら、週に2回程度の筋トレで良いだろう。高頻度で行うのは、トレーニングが習慣づいていない人にとって、ハードルが高すぎるからだ。
筋トレに慣れていない場合は、1つのエクササイズで複数の筋肉を鍛えることができるコンパウンド種目を中心に行うとよい。
コンパウンド種目には、プッシュアップ、スクワット、ショルダープレス、シーテッドロウなどがある。
毎回全身を鍛えるのでもよいが、週に2回できるのであれば、上半身の日と下半身の日に分けて行うと負担も少なく効率的だ。
本格的に筋肉をつけて、見た目を良くしていきたいなら、週に3〜4回の筋トレが欠かせない。週2回程度では、現状維持のままで、筋肉が大きくなっていくのを実感しづらいからだ。目で見える筋肥大までに時間がかかると、モチベーションが低下してしまい、挫折しやすくなる。
筋トレは、コンパウンド種目とアイソレート種目を組み合わせて取り組もう。
アイソレート種目は、1つの関節しか動かさないエクササイズで、ターゲットとしている筋肉だけを集中して刺激することができる。ダンベルフライ、サイドレイズ、シュラッグ、レッグエクステンションなどがアイソレート種目にあたる。
コンパウンド種目を高重量で行った後に、アイソレート種目でターゲットの筋肉を追い込むのだ。
頻度が多いので、1回のトレーニングは部位を分けて行うのが基本だ。胸・背中・肩・下半身・腕・腹などをうまく組み合わせて、メニューを組んでいこう。
本格的に鍛えたい人は、週4回以上、適切な休息をとっていれば毎日筋トレをしても良いだろう。
ダイエットしたい人は、最低でも週3回はトレーニングを行おう。脂肪燃焼は頻度が多いほど効果が出やすい。
ダイエットしたい人は、有酸素運動だけ行えばいいと思っていないだろうか。たしかに、体重を落とすだけなら、筋トレは必要ないだろう。有酸素運動と食事コントロールで対応できる。
しかし、体重を落とした後の体をかっこよく見せたいなら、筋トレは欠かせない。筋肉が増えれば、リバウンド対策にもなる。
筋トレは筋肉をつける人向けと同じメニューでいいだろう。ただ、有酸素運動をメニューに組み込む必要がある。筋トレの頻度を若干少なくし、その分、有酸素運動だけを行う日も作ると効率が良いだろう。
理想的な筋トレの頻度 まとめ
・運動不足な人向け:週2回
コンパウンド種目(※1)を中心に始めた方がよい
・筋肉をつけたい人向け:週3回〜週4回
コンパウンド種目とアイソレート種目(※2)を組み合わせるとよい
・ダイエットしたい人向け:週3回以上
※1.コンパウンド種目:1つのエクササイズで複数の筋肉を鍛えることができる種目。
例)プッシュアップ スクワット ショルダープレス シーテッドロウ など
⇒筋トレにまだ慣れていない人向けの種目
※2.アイソレート種目:1つの関節しか動かさないエクササイズ。ターゲットとしている筋肉だけを集中して刺激することができる種目。
例)ダンベルフライ サイドレイズ シュラッグ レッグエクステンション など
・運動不足な人向け:週2回
コンパウンド種目(※1)を中心に始めた方がよい
・筋肉をつけたい人向け:週3回〜週4回
コンパウンド種目とアイソレート種目(※2)を組み合わせるとよい
・ダイエットしたい人向け:週3回以上
※1.コンパウンド種目:1つのエクササイズで複数の筋肉を鍛えることができる種目。
例)プッシュアップ スクワット ショルダープレス シーテッドロウ など
⇒筋トレにまだ慣れていない人向けの種目
※2.アイソレート種目:1つの関節しか動かさないエクササイズ。ターゲットとしている筋肉だけを集中して刺激することができる種目。
例)ダンベルフライ サイドレイズ シュラッグ レッグエクステンション など
筋肉の回復時間について
筋肉は、一般的に48〜72時間程度(2〜3日)で回復するといわれている。そのため、高頻度で行うメニューの場合、部位を分け、それ以上の休息を設けてメニューを組むことが適切だ。
大きな筋肉である「大胸筋」「広背筋」「大臀筋」「大腿四頭筋」などは、負荷が多くかかる傾向にあるため、回復に時間がかかる。一方、小さな筋肉である「上腕二頭筋」や「上腕二頭筋」などは、大きな筋肉よりも回復が早い。特に「腹直筋」や「下腿三頭筋」は、毎日鍛えても良いくらいだ。
しかし、これらはあくまでも目安。トレーニングの負荷や種類、慣れなど様々な要因によって筋肉への刺激量は異なる。筋肉痛の有無や違和感などがないかチェックし、しっかり筋肉が回復してから取り組むようにしよう。
1回あたりのトレーニング時間について
運動不足解消のためには、まずは「運動習慣を身につける」ことからはじめたい。
運動不足解消を目指す人にとって、筋肥大やダイエットのように、目で見える数値で結果を確認するのが難しい。そのためモチベーションも続きにくいだろう。そんな人が1回のトレーニングに1時間も費やすことができるだろうか。
まずは、1回あたり30分くらいの短い時間から始めてみよう。「たったこれだけでいいの!?」と思うくらいがちょうどいい。それを継続させていくのだ。
筋トレのメニューとしては、ベーシックな10回×3セットで設定しよう。これはもちろんだが、10回くらいで限界を迎える位の負荷にする必要がある。
1回あたりの負荷や時間は気にせず、まずはジムへ行く、もしくは自宅でエクササイズに取り組むという時間を作ることが大切だ。運動習慣が身についてくれば、自然と運動時間は増えていくはずだ。
筋肥大を目指す人は、1時間程度は必要だろう。筋肥大をさせるためには、複数のエクササイズを組み合わせてターゲットとする筋肉を追い込む必要があるからだ。
筋肥大のための筋トレは、8~12回で限界を迎える負荷設定×3セットで行おう。
本格的に鍛えている人は1回2時間以上費やす人もいる。競技として体づくりを目指すのであればそれくらい必要だろうが、適度に筋肉をつけるくらいなら1時間程度で目的の筋肉をしっかり追い込むことが可能だ。
ダイエットを目的とする人は、筋トレだけでなく有酸素運動も行う必要があるため、どうしても1回あたりのトレーニング時間は長くなってしまう。
また、筋トレも12〜20回で限界を迎える負荷設定×3セットで行おう。この時、筋トレ中のインターバルを30秒程度と少なくすると、脂肪燃焼に効果的だ。
有酸素運動は、始めた時点から脂肪は燃焼されている。1日20分以上行わなければいけないというのはウソなのだ。とはいえ、体脂肪を減らすための効率を考えるのなら20〜30分は行いたいところ。
まずは、筋トレ30分+有酸素運動30分をベースにはじめてみよう。
筋肉痛が残っている時の筋トレはよいのか
結論からいえば、筋肉痛が残っている部位の筋トレは避けたほうがいい。
筋トレの痛みを我慢して筋トレを行っても良いことはないのだ。筋肉痛が出ている時はしっかり休むか、筋肉痛が出てない部位のトレーニングにし、筋肉痛が出ている筋肉を休ませることが大切だ。
筋肉痛と筋トレに関しては、過去記事「筋肉痛の時の筋トレの効果は?筋トレは筋肉痛にならなければ意味がない?【プロが教える筋トレ】」を参考にしてみてほしい。
筋トレと有酸素運動を組み合わせると効果的なのか
筋トレと有酸素運動を組み合わせるなら、順番は「筋トレが先」「有酸素運動が後」が絶対だ。これは実際の研究でも明らかになっている。
筋トレによって分泌が活発になるのが「成長ホルモン」。成長ホルモンは体脂肪の分解を促し、脂肪燃焼にも効果がある。体脂肪は、中性脂肪として細胞に蓄積している。成長ホルモンが中性脂肪を分解し、燃焼されやすい「遊離脂肪酸」という形に変化させるのだ。
体脂肪が燃えやすい状態になった後、有酸素運動を行うことが、効率よく体脂肪を燃焼させるメカニズムなのだ。逆に、有酸素運動→筋トレという順番にしてしまうと、お互いのメリットを打ち消してしまうことになる。
せっかく同じ時間を費やすなら、絶対に筋トレ後に有酸素運動なのだ。
まず、目的のパーソナルジムに返金保証があるかどうかを確認してみよう。どんなに良いジムでも、自分に合わなかったり、イメージと違ったということもある。安い値段ではないので、返金保証があるかどうかをしっかり事前に確認することで、安心して通うことができる。
ただ、返金保証にもジムによっていろいろな条件がある。細かい部分までしっかりチェックしておこう。
脂肪燃焼ではなく筋肥大を目指すなら、筋トレと有酸素運動の組み合わせには気をつけよう。筋トレの後にハードな有酸素運動を行ってしまうと、筋トレの効果が低くなってしまうからだ。
筋肉量を増やすなら、筋トレ後のハードな有酸素運動を避けたり、有酸素運動を別日に設定しよう。
筋トレを行う上で大切なこと
行き当たりばったりのトレーニングでは、なかなか効果は現れない。最初に個々のライフスタイルに合わせたトレーニングメニューを作ることが大切だろう。
まずは体を鍛える「目的」を決め、それに適した「頻度」を決める。それから頻度にあわせて鍛える部位を分割し、個々のエクササイズを決めていくという形だ。
当日に行うエクササイズの種類などの細かい部分は当日変更させてもよい。体調やジムの混み具合によって臨機応変に対応することが可能だ。
筋トレは楽ではない。なぜなら筋肉は筋トレなどのストレスをかけられることによって、ストレスに耐えられるように力が強くなったり筋肉が太くなるからだ。これは、体の防衛反応といえるだろう。
逆にストレスに耐えられるくらいの負荷では、筋肉は強く太くならない。これは筋トレにも当てはまる。いつまでも同じ負荷では、筋肉の成長につれて刺激が弱くなっていき効果が出なくなっていく。そのため徐々に負荷を増やしていく必要があるのだ。これをトレーニングの原則の一つ「漸進性(ぜんしんせい)の原則」という。
漸進性の原則の起源は、古代ギリシャの子牛を毎日担いで体を鍛えた話がもとになっている。担ぐ子牛は、成長によって体重(負荷)が徐々に重くなる。同時に体にかかる負荷が徐々に増えていき、効率よく鍛えることができるという話だ。
効果を引き出すためには、筋トレはいつになってもキツいものだというのを頭に入れておこう。
筋トレの効果の現れ方は様々だ。
筋力向上の場合は、比較的すぐに効果が現れる。これは筋肉が増えたというよりも、筋肉を動かす神経系の発達によるものだ。
逆に、見た目の変化を実感するには、少なくても3か月は必要だということを覚えておこう。もし、3か月続けても、体が一向に変わっていないのであれば、トレーニング内容に問題があるか、食事内容や休息状況などに問題がある可能性があるといえるだろう。
どんなに適切にトレーニングを行っても、食事がおろそかであれば体は変わらない。体は食事からできているのだ。
当然ながら体づくりには筋肉の元となる「たんぱく質」が欠かせない。筋肥大を目的とするなら、最低でも体重×2倍を目安にしたいところだ。60kgの人は60×2=120g(1日あたり)ということだ。
たんぱく質量の確保は、食事だけでは難しい場合もある。そんな時はプロテインを活用しよう。
また、筋肉の回復を促すBCAAやEAA、グルタミンなどのアミノ酸は、トレーニング中の筋肉の分解を防ぎ、筋肥大効果を高めるのに役立つ。
もちろん、炭水化物や脂質などもバランスよく摂取することで、健康的に体を変えることができる。いきなり糖質制限をはじめるなど、最初からストイックになりすぎず、たんぱく質摂取量の増加から始めてみよう。
運動・栄養と同じくらい休養は筋肉づくりに大切だ。休養がなければ筋肉も回復せず成長も起こらない。
意外とおろそかにされがちなのが睡眠だ。
睡眠中は、筋肉を回復・発達させる成長ホルモンが多く分泌されるタイミングの一つ。睡眠をしっかりとることは、筋肉をつけるうえで重要だ。
トレーニングや食事同様、睡眠時間の管理も心がけよう。
まとめ
まずは無理のない「頻度」「時間」で、トレーニングメニューを設定しよう。筋トレに慣れてきたら、徐々に頻度や時間を増やしていけばいいのだ。今回紹介した内容を参考にして、自分に合ったトレーニングメニューを作ってみてほしい。