ORICON NEWS
バリバリの“走り好き”だった女性が、生涯の愛車として「300万円軽バン」を選んだ理由
過去の愛車はスポーツカーばかり「景色を見るなら路面を見ろ!って感じでした(笑)」
「もともと、モータースポーツが好きだったんですよね。排気量が大きくて走れるバイクを高回転で回して、アゲアゲで走ることが好きで。伊豆スカイラインとかよく行ってましたね。ホント、『景色を見るなら路面を見ろ』って感じでした(笑)」
そんな本田さんだからこそ、車選びにおいても走りは必須。これまでの愛車遍歴を聞いても『トヨタセリカ』『スバルBRZ』などスポーツカーの名前が次々と飛び出してくる。
「愛車選びにおける条件は、アクセルガンガン踏みこめる車が良かったので『高回転で回せる』こと。あとはナビや3連メーターを取り付けたり、自分でいじるのが好きなので『交換パーツがたくさんある』こと。そして『車体価格が庶民に手が届く』こと。さすがに『日産GT-R』など高価なスポーツカーには手が出ないので(笑)。とにかく、車というのは『楽しく速く走るもの』だという認識でした」
つい先日まで乗っていた愛車も『スズキスイフトスポーツ』という、コンパクトながら専用チューニングを施した1.6リッターのパワートレインと6速マニュアルを積んだ、走り好きの本田さん好みの1台。自身を含め、この車を購入した2016年には、誰もこの車のあとに“軽バン”を選ぶとは思っていなかった。
そんな本田さんの価値観が大きく変化したのは、コロナ禍。仕事柄、車移動での出張が多く、これまでもスポーツカーで走りを楽しんでいたというが、その気持ちに徐々に変化が生まれたという。
「出張中、待ち合わせまで時間があったりすると、その調整でお店に入って時間をつぶしていました。食事も外でとることが多かった。でもコロナ禍になって、店に入れないことが増えて、車で過ごす時間が多くなったんですね。『走ることが好きならドライブすれば』と思われるんですけど、楽しく走ると集中力使うから疲れるんですよね。車のなかで過ごす時間を走るのではなく、くつろいだり、時には寝られたら楽じゃんって思ったんです。車内を部屋みたいにして、出張の待ち時間も楽しい時間に変えられたらと」
コロナ禍経て“走り”一辺倒から心境変化『景色を見る時間も大切にしようって」
「『あっ、かわいい、これ』みたいな感じでした。ひとめぼれでしたね。サイズ感もちょうどいいし、(内装の)木のぬくもりとか、素朴なつくりがすごく好きで。動画見てわりとすぐ、取り扱い店舗の近くに出張があって。仕事を早めに終わらせて、見に行きました。店で見たときは、自分の中で答え合わせに行く感じで、『ボディカラー2色のうち、どちらにしようか』という感じでしたね(笑)」
一方で、この車の車体価格は319万円から。発売当初、世間から「軽バンに300万円は高すぎる」というような声も上がったこの車だが、購入のハードルは高くなかったのだろうか?
「いろいろ(オプションを)付けていたので見積もりの段階で『400万円か〜』とか思ったんですけど、やっぱり他にはない世界観を持つこの車が良かった。それにこの車なら、出張で遠くに行ってもひとりの時間を楽しめる。主人も『ひとりの時間は大切にしよう』と言ってくれているので。今までみたいに“走り”に特化するんじゃなくて、出かけることをトータルで楽しめると思ったんですね。『景色を見るなら路面を見ろ』だったのが、『路面だけじゃなくて、景色を見よう』と(笑)。あと、『スイフトスポーツ』の下取りを頑張っていただいたという追い風もあって、決めました」
購入後、自らナビを取り付けたり、レースのカーテンを仕込むなど、カスタムは順調な様子。着々と部屋化が進み、“走り”の部分を加えても大満足だという。
「維持費の部分で、今までハイオク仕様だったのでガソリン代は安くなっていますし、自動車税や車検も安くなるのかなと。走りの部分では、高速で追い越しの時にすごく頑張っている感が出るのでパワーダウンは否めないですね。ただ“走り”の部分はある程度わかっていましたし、求めているのは“走り”ではないところにシフトしているので、大満足です」
本田さんの夢は、この車で日本を縦断し、鹿児島からフェリーで沖縄の離島を巡ること。今は仕事もあり、まとまった休みがとれないため「まだまだ先になりそう」だが、「この夢があるから仕事を頑張ろうと思えます(笑)」とのこと。
「今までの車は2回くらい車検を通して乗り換えようかくらいの感覚だったんですけど、この車は(夢もあるので)動かなくなるまで乗り続けようかなと思っています。車で旅をすることが好きな人にとって、自分のいつもの部屋を連れていけるというのは、旅の楽しさが2倍、3倍にもなります。300万円以上という価格に高すぎるという声もありますが、実際に使ってみて判断してみては、と思います」