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『水星の魔女』主役機・エアリアル“らしさ”を残した、実力派モデラー渾身の“改修”「スタイリッシュなデザインを変えたくなかった」

 ニューガンダムにクスィーアーマーを装備させるなど、独自の解釈に基づいた細かなモビルスーツ(MS)設定と、それを確かなクオリティー実現する技術を持つモデラーのル・クルーゼさん(@le_creuset3)。その近作は、昨秋満を持して始まり、この4月からは第2期がスタートする『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(以下/水星の魔女)の主役機・ガンダムエアリアルを“改修”。劇中では、装備の刷新のため“別物”に改修されたガンダムエアリアルを、なぜ“らしさ”を残して改修したのか?

放送開始前、好みではなかったエアリアル「ガンビット駆使の戦闘シーンに心を奪われた」

――近作は、昨秋に始まった『水星の魔女』の主役機ですが、アニメ自体ご覧になってどんな感想を持ちましたか?
ル・クルーゼ正直に言うと、放送開始前はメカデザイン、キャラクターがあまり好みではありませんでした。「ガンダムなのに学園もののストーリー!? 宇宙世紀ファンとしてはあまり期待が出来ないな〜」という印象でした。ところがいざ放送が始まってみると、躍動するエアリアルや敵MS、魅力的なキャラクターたちを見て、すぐにハマってしまいました(笑)。

――180度手のひらを返しましたね(笑)。実際アニメ放送後、続々と発売される劇中登場機を見て作りたいと思われた?
ル・クルーゼそうですね。モデラーさんたちも、続々と『水星の魔女』登場機体をカスタムして発表しており、しかもどれもカッコよくて早く自分も作りたいと焦っていました。しかしなかなかキットが手に入らず、やっとエアリアルが完成したら第1期が終わってしまいました(泣)。

――入手に苦労されたのですね。さまざまな機体があるなかで、ガンダムエアリアルを選ばれたのはどんな理由からですか?
ル・クルーゼやはり主役機は作っておきたいという思いでした。先ほど話したように当初、エアリアルのデザインはあまり好みではありませんでした。ところが、劇中でのガンビットを駆使した戦闘シーンに心を奪われ、一転して大好きになりました。
 HGエアリアルのキットはスタイルがあまり良くないな〜という印象でしたが、雑誌やSNSで見た胴と脚の付け根の延長などお手軽スタイル改修方法をマネしてみたらとてもスタイリッシュなデザインとなり、あらためてカッコいい機体だなと思いました。

――本作は<改修型>と銘打たれていますが、背景にどのような物語をイメージして制作されたのですか?
ル・クルーゼグラスレー寮との決闘で負ったダメージを修繕したガンダムエアリアル改修型のデザインが発表されたとき、「0083のフルバーニアンみたいでカッコいい!」と思いました。しかしよく見ると各所パーツのデザインがほとんど変更されており改修型というよりまったく別物だな…という印象を受けました。
 話の流れから株式会社ガンダムに統合されたペイル社と共同で修復を行い、その際に弱点であった空間機動性の向上のためにガンダムファラクトのブラストブースターを流用させた…というifストーリーで、自分の思い描いたエアリアル改修型にしようと決めました。

改修でパワーアップも終わりゆく運命「ライバル機と相打ちのイメージ」

――「ガンダムエアリアル」はスマートかつ、俊敏なイメージですが、本作はそこに重厚さも加わっていますね。
ル・クルーゼありがとうございます。本体のエアリアルのスタイリッシュなデザインは変えたくなかったので、元通りに補修されたイメージです。しかし機動性を最大限に上げるためファラクトのブラストブースターとニカ姉のフライトユニットを装備したことにより背面にボリュームを持たせたシルエットにしてみました。イメージは同じく宇宙用に換装されたガンダムフルバーニアンです。またファラクトのブラストブースター4枚に増やしたことによりペイル社のロゴマークのように翼を纏ったようなシルエットになるようにしてみました。ブラストブースターをガンビットとして飛ばしてオールレンジ攻撃が可能という設定にしてみました。そのガンビットにはエランの魂が宿っておりスレッタを守る…という展開も面白いのではと考えました。

――制作の際、特に苦労したところ、こだわったところはどこですか?
ル・クルーゼファラクトのブースターはそのままだと両肩を覆うようなデザインでした。しかしフルバーニアン的なシルエットを目指していたので、背面に翼のような取り付けるために向きを逆にしてみたり、バランスに苦労しました。ニカ姉のフライトユニットのデザインも好きで取り入れたかったので、本家の改修型のデザインを参考に取り付け位置を変更して装備させました。カラーリングは本家改修型をイメージしてブルーを主体のカラーにしました。

――よりパワーアップしている感じがしますが、本機は上記物語のなかで、最終的にどのような運命をたどっていくのでしょうか?
ル・クルーゼそうですね。このエアリアルはあくまでも改修型なので、これまでのガンダム作品のように新しい主役機乗り換えのイベントが発生すると思っています。なので地球の魔女たち、もしくはエラン5号などライバル機との決闘の末、相討ちで大破する運命を想像します。

――凄惨な最期ですね。本作は非常にSNSで好評を博しましたが、この反応をどのように受け止めていますか?
ル・クルーゼ有名モデラーさんたちが作られたカッコいいエアリアルに比べたら、あまり自信がなかったのですが、想像していたよりたくさんの反応があり大変うれしかったです。特に「こっちの改修型の方が好き」「劇中に出てほしい」というコメントはうれしかったですね。

――すっかり『水星の魔女』にハマっているようですが、次はどのMSを“改修”しますか?
ル・クルーゼ次に作りたいのは「ディランザ」ですね。今作で一番好きなキャラクターはグエル先輩なので、『グエル専用ディランザ オリジナルカスタム』を作ってみたいです。それに乗って学園で最強のホルダーに返り咲いてほしい。でも第1期で登場した他のMSも魅力的で早く作りたいのですが第2期で登場予定のMSたちもカッコいいので、正直次にどれを作るか悩み中です。

――楽しみですね。モデラーとして今年の目標・野望はいかがですか?
ル・クルーゼ『水星の魔女』が面白すぎるので、当分はこの機体を作り続けると思います。ただ大好きなグスタフ・カールのミキシング構想もいくつかあるので、それをはさみながら作っていこうと思います。昨年は遠方の展示会にも参加させてもらいたくさんの刺激をもらいました。今年も積極的に展示会に参加して多くのモデラーさんたちと交流していきたいと思います。またもっと腕を上げて各種コンテストにも出品して賞が取れるような完成度の高い作品を作りたいです。

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