ORICON NEWS
【サウナ】“サウナはおじさんの場所”イメージ払拭…プロレスラー勝俣瞬馬、“熱波師”としての仕事を語る「一過性のブームに懸念」
熱波師のパフォーマンスにプロレスを初めて観たときと同じ衝撃を受けた
勝俣瞬馬 本格的にハマったのはプロレスラーになってからです。2019年9月の熊本大会のときに、同じDDTの竹下幸之介選手から西の聖地と呼ばれる『サウナと天然温泉 湯らっくす』に誘われました。ちょうどその頃、ドラマ『サ道』(テレビ東京系)を観てサウナのちゃんとした入り方を知ったこともありました。熱波師のアウフグースを初体験して、セルフロウリュや水風呂、休憩の仕方を竹下選手から教わり、それからハマりました。
勝俣瞬馬 初めて熱波師のパフォーマンスを見たときに、小学校5年生の頃に最初にプロレスを生で観たときと同じ衝撃を受けました。この人たちカッコいい、自分もこの仕事をしたいなって思いました。すぐに調べて、2020年2月に「熱波師検定B」の資格を取り、その後Aを取得しました。そこからTwitterでいろいろな熱波師をフォローしていくなかで、アウフグース・プロフェッショナルチーム『Sylph(シルフ)風の妖精』の熱波師・スター諸星さんとつながって一緒にやらせていただくことになり、東京・上野の『サウナ&カプセルホテル北欧』でデビューしました。いまは、『SeaSaunaShack』で総支配人兼熱波師として活動しています。
――プロレスラーも熱波師も身体を張る仕事です。それぞれ伝えるものは違いますが、勝俣さんが惹かれる共通点があったのでしょうか?
勝俣瞬馬 サウナ室という熱い部屋のなかで、華麗にタオルをさばいていたんです。そのパフォーマンスの美しさや、自分が過酷な状況のなか人を楽しませようとする気持ちが、プロレスと通づるところがありました。プレイヤー目線ですごくカッコいいと感じて惹かれました。
熱波師には、アドレナリンがあふれるプロレスの試合に通づる感覚がある
勝俣瞬馬 熱波師としてデビューしたときに、プロレスの試合と同じくらいアドレナリンが出ました。プロレスも試合中に心が折れてギブアップしてしまうときもあります。でも、やられてもやられても立ち上がる姿がカッコいい。熱波師もロウリュを送るたびに、部屋がどんどん熱くなって体はキツくなります。それでもお客さまが気持ちよさそうにしていると、さらにがんばってやろうと思える。プロレスの試合と同じような感覚になりました。
勝俣瞬馬 熱波師は、それぞれ独自のパフォーマンスがあります。僕はお客さまにリラックスをしてほしいので、音楽をかけずにシンプルに汗を流してもらうことを心がけています。1セット目は、ロウリュをかけてタオルを回し攪拌(かくはん)後、お客さまをそれぞれ3回ずつぐらい直接あおぎます。2セット目もロウリュして攪拌し、1セット目よりちょっと強めの風を3回ずつ送ります。それで6分くらいです。ここまで2セットやってけっこう熱くなるので、氷水を頭にかけて少し休憩します。
それから1度換気して、最後の3セット目は「SSS(Sea Sauna Shack)の滝」と言って、ストーブの真ん中にサウナストーンで囲まれた煙突があるのですが、そこに滝のように水をかけて蒸気が一気に沸き上がったところであまり攪拌せず、その熱い蒸気が漂うまま弱・中・強から1つ選んでいただいて、5回ずつあおいで終わるのが僕のスタイルです。やっている間は、サウナの楽しみ方をいろいろ説明したりしています。
勝俣瞬馬 「さすがプロレスラーですね」とよく言われます(笑)。でも、プロレスラーなのに風が優しいといったギャップを意識しています。「強い風がくると思ったら優しいんかい!」とツッコませるくらいな感じでやりたいと思っています。