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「不細工なせいでいじめられ…」自分の顔が嫌いだった女装男子、葛藤乗り越え見つけたもの「本当に好きな姿はこれだと気づけた」
「少しの間だけ元の自分を忘れられる」、女装に傾倒した理由
unknownちゃん 学生のころは、不細工であることをイジられたり、それが原因でいじめられたことも多かったので、自分の素顔が嫌いでした。女装はメイクで顔が大きく変わるので、少しの間だけ元の自分を忘れられる…というところが魅力で。そこに惹かれて、どんどん傾倒していった感じです。
――女装とコスプレ、最初に興味を持たれたのはどちらですか?
unknownちゃん 最初は女装でした。中学生のころに“男の娘”というジャンルがあることを知って。「女の子にしか見えないのに、じつは男性」というギャップが新鮮で興味を惹かれたんです。そのときは、実際に会うことはないだろうな…くらいの気持ちでいたんですけど、いざ大人になって、世の中に出てみると、そういった活動をしている人は大勢いることがわかってきて。「自分もやってみたい!」と思い、女装に挑戦するようになりました。
――女装するようになって、容姿だけでなく内面的にも変化はありましたか?
unknownちゃん メイクや女装を通して、素の自分を出せるようになったといいますか。本当に好きな姿はこれだ…ということに気づけたのが大きな変化ですね。それに合わせて、これまでぜんぜん触れてこなかったファッションにも興味が湧いてきて。子どものころから容姿には自信がなくて、人前に出るのも苦手だったんですけど、いまはそうした苦手意識もなくなり、女の子の格好をしたままでも、堂々と人前に出られるようになりました。
――恋愛対象は男性/女性のどちらになりますか?
unknownちゃん どちらも対象になりますが、誰でもいいというわけではありません(笑)。とはいえ、自分自身はぜんぜんモテないので、他の方から告白されたりなどは…ほとんどないですね(泣)。
女装とコスプレを家族にカミングアウト、意外すぎる母親の反応は?
unknownちゃん いつもというわけではないんですけど、休みの日にお出かけするときは、メイクをして外出することが多いですね。そのときは明確な女装ではなく、中性っぽさを意識したメイクをしています。
――女装やコスプレで、影響を受けた人はいますか?
unknownちゃん 女装の練習をしているときに、「めるもも女装男子さん」という方のTikTokを拝見したんですけど、これが衝撃的で…。なかでも「男性の姿からアニメの女の子キャラに変身する」という動画がおもしろくて、見ているうちに僕自身もコスプレに興味が湧いてきて。気づいたら女装のノウハウを生かして、女の子キャラのコスプレにも取り組むようになり、今に至ります。
――つい最近、ご家族にもコスプレ&女装活動をカミングアウトされた…ということをSNSにアップされていましたが、どういった経緯でそのような状況になったのでしょう?
unknownちゃん じつは母も元コスプレイヤーでして…。バレるのが恥ずかしくて、これまでずっと隠して活動していたんです。でも、コスプレ歴も2年になるので、そろそろ明かしてもいいかなと思って。それとカミングアウトすることで、コスプレイヤーとしての成長にも繋がるといいなという思いもあり、直接話してみたんです。
――反応はいかがでしたか?
unknownちゃん すんなり受け入れてくれました。母が使っていたコスメや、メイクの本なども譲ってもらえたので、これならもっと早く話しておけばよかったですね。
――ご家族に公表されたことで、日々の活動や精神面においても変化したところはありますか?
unknownちゃん 母からコスプレに関する、いろんな経験談を聞かせてもらえたんですけど、これがすごく勉強になって。今後の活動にも生かしたいですね。それと、新しいコスプレに挑戦して感じたことや、コスプレイベントに参加した際にあった出来事などを、気軽に話せる相手ができたというのも初めての経験で…。コスプレをすることが以前よりさらに楽しくなりました。
一歩踏み出せない人に伝えたい、「迷っているその瞬間が、いちばん動くべきとき!」
unknownちゃん 一概にどちらがいいとは言えないですね。僕の場合、たまたま母がコスプレや女装に対して理解のある人でしたが、そうしたジェンダーに関わる問題について、理解してもらえない家庭もまだまだ多いと思うので。もちろん家族だけでなく、友だちなら相談しやすい…というケースもあるので、誰にも言えずにモヤモヤするようなら、悩み続けるよりも、勇気をもって信頼できる相手に打ち明けてみたほうがいいかもしれません。
――ビジュアルも含め、自身のやりたいことを貫くunknownちゃんさんの生き方には、共感する人も多いと思います。最後に、そうした「やりたいこと」がありながらも、なかなか一歩踏み出せない人、迷っている人に、ひと言お願いします。
unknownちゃん 迷っているその瞬間が、いちばん動くべきとき! やらずに後悔するよりも、恐れずに挑戦することが大切だと思います。「自分とは住む世界が違う」と感じるあの子も、その子も、最初はみんな、その道の初心者だったわけですから。勇気をもって、やりたい道に踏み出しましょう。
(文:ソムタム田井)
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