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ジムを駆逐した“歴戦の勇士”ハイゴッグを労うパイロット・ミーシャ… 新型MS乗り換え間近の「戦士の休息」

――新型MSに乗り換えるミーシャの「今までよくやった」というセリフが聴こえてきそうです。ハイゴッグも、ウェザリング(サビ加工)が施され、見事なまでに“歴戦の勇士”感を醸し出しています。
斎藤雅英いくら宇宙での使用が想定されていない機体であっても、宇宙世紀のMSがサビる材質で作られているとは思っていません。ただ、手入れが十分でないと本体ではなく応急修理した個所に鉄粉が混じったり、塗装が弱かったりでサビが発生(付着)するのではないかと考えました。1年戦争末期の時代設定ですから、困窮したジオンの地球残党部隊では人員・物資共に不足していて、修理やリペイントが万全でないことは容易に想像できました。

――素晴らしい考察ですね。実際どのようにして、それらを具現化していったのですか?
斎藤雅英サビの発生原因と現れ方を、「塗装面にキズが入り、本体と塗装面との間に海水が浸入し、塗装の下からサビが浮き上がってきた」「構造上、海水が溜まりやすい箇所にサビがこびりついた」と設定しました。また、実際にはサビてはいないんですが、サビ止め塗装のオキサイドレッド色もトータルのサビ表現として取り込んでいます。
 サーフェイサーの上にサビ止め塗装としてオキサイドレッドを調色して下地色としました。次にシリコンバリアを要所要所に吹き付け、米空軍迷彩グレーで基本塗装はいったんフィニッシュ。接触して塗装が剥げそうな個所、海水の通り道や溜まりそうな箇所を楊枝などで、けがいて塗装剥がしを行いました。剥がした箇所の中でサビが出そうなところや、塗装は剥げていないけれどサビが付着して汚れそうな箇所を中心に、4種類のエナメル系塗料でウェザリングを施しました。
 シリコンバリアは初めて使ったので加減がわからず、想定より広く剥げてしまったのですが、オーバーめな表現になったのがかえってよかったのかもしれません。
――SNSなどで多くのモデラーさんから「プラスチックには見えない」「異次元」などの声が挙がるのも納得です。ガンダム制作陣へのリスペクトが感じられる素晴らしいこだわりですね。
斎藤雅英ありがとうございます。私は、原作者やデザイナーのみなさんが機体に込めた思いを自分なりに理解して、再現したいシーン(単なるポーズでもOK)=目指すゴールを思い浮かべてから制作に取り掛かることを信念にしています。そして、その目指すゴールを、その時点で「自分ができること」ではなく「頑張ればできること」、すなわちチャレンジによって達成可能なレベルとする。「新しく買った塗料を活かす」でもいいですし「スジ彫りを追加してみる」でもいいと思います。今回も「シリコンバリアを使った塗装剥がし」と「ジオラマベース制作」という初めてのことにチャレンジしています。何か小さなことであっても「新しいこと」に取り組んでステップアップしていきたいと思っています。

――ガンプラライフを満喫されていますね。最後になりますが、斎藤さんにとって「ガンプラ」とは?
斎藤雅英そうですね。ガンプラ好きは老若男女大勢いらっしゃいます。そういった方々とのガンプラや「ホビ写」を通じた交流、コミュニケーションはとても有意義で、特に既に還暦を迎えた私に取ってかけがえのない、人生の重要なピースになっていると思います。
 「ガンプラ」とは…、今話題のアニメ作品のオマージュですが「人生を豊かにする為のおまじない、かな」というところでしょうか。

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