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ガンプラモデラーを惹き付ける?“戦争の悲しさ”を伝える代弁者に、ザクの“悲劇的な哀愁”

負けるとわかってながら自身より高性能な機体と戦う姿に感じる哀愁

 『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』で描かれた、ドムやザクのパーツを使い、テスト&データ収集だけのために作られた実験用の機体・アイナザクに、さまざまな武器を持たせた作品を制作したdachさん。作品写真とともに「戦争末期、試作機すら実戦に使わなければいけない状況ではなかったのか?と寄せ集めの武器で駆り出されたアイナザクをイメージして」という一文が添えられ、ツイッターには投稿された。
「当初、普通の『アイナザク』を作ろうと思ったのですが、途中でさまざまな武器もマウント出来る方向にシフトチェンジしました。当然ですが、アイナザクの公式設定ではマシンガンとヒートホーク以外の武器は持っていない。なので、武器を持つ必然性を考えました。しっくりきて、説得力がありそうな物語、それが『ア・バオア・クー戦』でした」

 ジオン軍の最終防衛地点の宇宙要塞「ア・バオア・クー」での、連邦軍と壮絶な戦い。dachさんは、そこに太平洋戦争末期の日本軍を重ねた。
「『アイナザク』は試作機。現実世界での試作機は決して一機だけじゃないと思いました。予備で数機確保しているはず。戦争の大事な局面でもある『ア・バオア・クー戦』はジオン軍にとってどうしてもしのがなければいけない戦い。そのためには使える物は何でも使うだろうと思いました。『国家総動員』。私はどうしても、『ア・バオア・クー戦』を太平洋戦争と重ねて見てしまうところがあり、戦争末期の旧日本軍の兵力不足による学徒出陣や、鉄の接収、兵器の二次転用などからヒントを得て制作しました」
 『アイナザク』というモデルがあっての本作だが、dachさんは個人的にも「ザク」の悲劇性を感じるという。
「ザクの魅力は“兵器感”だと思います。キャラクターロボットの概念をそのままに、あたかも本当にある兵器というような錯覚に陥るほどよく考えられているロボットだと思います。そのザクが、おそらく自分でも負けるとわかってながら自身より高性能な機体と戦う姿、やられて朽ち果てていく姿に哀愁を感じます」

 そんなdachさんもガンダムで描かれる戦争から、戦争について考えることがあるという。
「個人的に戦争はどちらも正義であり、善も悪もない。ガンダムはそれをよく再現してくれているアニメだと私は思っています。ガンダムには儚くも美しいシーンがたくさんあります。理由は人それぞれですが、自国のために尽くし、守る人がいる。旧式の、しかも試作機で『ア・バオア・クー』を駆けたこのアイナザクから、そんな背景を想像していただけらたら幸いです」

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