ORICON NEWS
宮古島の海中を潜航するザクマリン “無謀”な「水中ガンプラ撮影」に挑んだワケ
水中で行う「ガンプラ撮影」は失敗の連続だった
「当たり前ですが…ガンプラはとにかく浮きます!予想以上の浮力で手間取りました(苦笑)。初めて撮影に臨んだのは水深約3mほどの浅いビーチポイントでしたが、いざポーチからズゴックを出してみると途端に水面までまっしぐら!! その後は釣り糸とオモリを使ってアンカリングしながらの撮影になりました。それでもキットの形状によっては倒立してしまう様な事もあり、釣り糸を結ぶ位置を考えたり、キット自体にオモリを仕込んだりと試行錯誤の連続でした」
苦労を重ねるうちにオモリの使い方が少しずつ分かるようになり、水中でも狙ったポーズに近い姿勢を保てるまでに成長。目標は「釣り糸を使わずに漂わせる“中性浮力”で撮影することでした」と言葉に力を込める谷口さん。「とはいえ、浮力バランスは深度によって変わるのでやはり難しいです。リアルダイバーが装備する浮力調整装置を考えられると面白いのですが…」と、壮大な夢も語ってくれた。
そんな谷口さんの活動をTwitterで見つけ、とある「企画」への協力を呼び掛けたのがモデラーのオクトーバーさんだった。
海中の“ブルーフィルター”でリアルMSに近づく
そんな中で大きなターニングポイントとなったのが、これまで水中撮影のテストを重ねてきた谷口さんからのデータ提供だった。谷口さんが培った“知見”が共有されることにより、水中でもMSが逆立ちせず、脚を下に向けてたまま浮く“中性浮力”に辿り着いたのだ。
当企画の水中写真を見た感想をオクトーバーさんに聞くと「最高!」と即答。続けて「海中の“ブルーフィルター”で撮られた作品達は、プラモデルの枠を超えて“リアルMS”といった感覚です」と笑顔で答えてくれた。
同様に、今回『ProjectM』に協力した谷口さんにとっても多くの“気づき”と“刺激”があったという。「造詣や塗装の細かさ、大胆さ、今の自分には全く持ち得ないものばかりでしたし、この発想は無かった!という驚きも多かったです。ただ、送られて来たプラモデルを箱から取り出し、水中へ入れる際の緊張感は忘れられません(笑)」
プラモ好きたちによるSNSを介した邂逅。“人生の相棒”と呼ぶガンプラを最高の形で写真に収めたい、そんな思いが結実した『ProjectM』。今後の企画発展に期待したい。
(C)創通・サンライズ