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“少女マンガソムリエ”浅川梨奈 presents 神推し少女マンガ3選 「女優だからこそできない経験が詰まった教科書」
浅川梨奈が選ぶテーマ別おすすめマンガ3選
『熱愛プリンス お兄ちゃんはキミが好き』(青月まどか/宙出版)
――主人公を取り巻く逆ハーレム、しかも相手がアイドルたち。たしかに非日常というテーマにぴったりですね。
浅川梨奈現実では絶対にありえない展開ですけど、少女マンガタッチの線画がすごくきれい。それに、自分の好きな芸能人やアイドルに好意を寄せられるなんて憧れじゃないですか。そういう女の子の“煩悩”が詰めこまれた作品で、夢があるなと思います。ヒロインは普通の高校生の女の子なので、自分の身に起こったら、と想像できる……めちゃめちゃいいなと思います。
浅川梨奈現実では絶対にありえない展開ですけど、少女マンガタッチの線画がすごくきれい。それに、自分の好きな芸能人やアイドルに好意を寄せられるなんて憧れじゃないですか。そういう女の子の“煩悩”が詰めこまれた作品で、夢があるなと思います。ヒロインは普通の高校生の女の子なので、自分の身に起こったら、と想像できる……めちゃめちゃいいなと思います。
浅川梨奈作品というよりも先生推しになっちゃいますが、水波風南(みなみ・かなん)先生と水瀬藍(みなせ・あい)先生の作品です。どちらもストーリーがしっかりしているのはもちろん、少女マンガの「ザ・王道」な軸がありつつ、なによりも絵がきれいなのが良いです。水波先生の絵はデジタル水彩画のような雰囲気で、原色とパステルを混ぜたような現代風の色づかい。水瀬先生はアナログな水彩画のきれいさがあって、お二方とも色の塗り方やカラー絵のタッチがすごくきれい。しかもどの作品を読んでも面白いです。
――どれも面白いということで選ぶのが難しいかもしれませんが、それぞれの先生のオススメ作品をお願いします。
浅川梨奈まず水瀬先生は、2019年に完結した『きっと愛だから、いらない』です。本当に泣ける作品です。
浅川梨奈2人は付き合うことになるのですが、円花がプレイボーイでチャラい光汰を選んだのは、円花が“余命宣告をされている”から。残された時間で恋愛をしたいと願い、「この人なら、いろんな人と遊んでいるから、もし自分がいなくなっても大丈夫だろう」と思うのですが、2人とも本気になってしまって……そんな切ない話なんです。その切ないテイストと絵のタッチがマッチしすぎて、私、めちゃめちゃ泣きました。
最近だと『泡恋』が面白かったです。
『泡恋』(水波風南/小学館)
浅川梨奈ヒロインは恋愛経験が少なく、恋に憧れて“高校デビュー”したような子なのですが、デビューしたてだからちょっと地味なんです。そんな子がキラキラした男の子と出会って恋に落ち、男の子の方も「好きかもしれない」となるけど、実は……と、切なさとキュンキュンで複雑な気持ちになって、いつの間にか入り込んじゃいます。
水波先生の作品は感情移入させるのが上手いんです。男の子の気持ちにもなるし、女の子の気持ちにもなれる。私が唯一と言っていいほど、第三者目線ではなく感情移入して読むマンガ家さんかもしれないですね。
浅川梨奈はい! 幸田もも子先生の作品です。
『センセイ君主』(幸田もも子/集英社)
浅川梨奈『センセイ君主』はめちゃくちゃ面白いです。幸田先生の作品は良い意味で“ツッコミどころ”が多いのが魅力です。最初からストレートに恋愛、というわけではなく、思ってもみないところから始まり、ヒロインと男の子の関係を、段階を踏みながら丁寧に描いているのが好みです。
浅川梨奈『センセイ君主』はめちゃくちゃ面白いです。幸田先生の作品は良い意味で“ツッコミどころ”が多いのが魅力です。最初からストレートに恋愛、というわけではなく、思ってもみないところから始まり、ヒロインと男の子の関係を、段階を踏みながら丁寧に描いているのが好みです。
浅川梨奈実は、幸田先生とは個人的に仲良くさせていただいているのですが、先生は私や知り合いに対して、例えば自撮りについて「いま自撮りってどういうふうにするの?」とか「片手で撮るの?」「写メ撮るって言う?」みたいに、若い子のトレンドを取り入れようとリサーチされる方なんです。そういうリアルさを丁寧に研究しながらマンガを描いていらっしゃるのも、面白さにつながっているのだと勝手ながら思っています。『センセイ君主』は、先生とたくさん質問のやりとりをした作品でもあるし、私の友だちも一コマ出ているので、勝手に思い入れを感じていますね(笑)。
実写化作品を見た方も多いと思いますが、見てわかるとおり、どの作品のヒロインも変顔をさせられるんです。“かわいくない顔”でさえ愛おしく思えてくるのがすごいです。
今、幸田先生が描いていらっしゃる作品で「“梨奈ちゃんっぽいな”って思うのがある」と言ってくれているので、一緒にお仕事できたら嬉しいな、という思いはあります。